RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第八篇第三章 プレジアの宰相

来訪の演説

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反乱軍エルヴィスとの会談を終えたロード達
は何とも晴れやかな表情でウィズディックの
屋上庭園へと訪れていた。

何日か振りの外出かというぐらいに外の風を
浴びながら身体を伸ばす一同達。



「んぅ~…風が気持ちいいっ」


「はいっ、なんだかいつも以上に晴れやかな気持ちですっ」


「それはそうでしょっ?やっと反乱軍と和解出来たワケだしっ…あっ、花壇があるよっ?シェリーちゃん、行こ行こっ」


「はいっ!はわわわわっ…とっても綺麗ですっ」



屋上庭園に着くなり手を繋いで走り出した
女性陣は花壇の花々にメロメロと言った表情
であったがレザノフは腰を叩きながら直ぐに
ベンチへと腰掛けていた。



「なんや、お疲れやなあ。レザノフさんよ」


「…ええ。少し歳だけの問題では無さそうですがね」


「へへっ…内容も内容やったけどあんなん聞かされたらワイも込み上げて来るモンがあったわ…」


「私達の国の姫はまた一段と強くお成りになられた。喜ぶべき成長ですよ」


「……せやな。泣き虫姫様があんなん言ってのけるなんて“ねぶたにキズ”やでホンマ…」


「シグマ…“寝耳に水”です。どこのお祭りですか。其れは」



そんな会話を繰り広げていたレザノフの視線
の先ではフェンスに寄り掛かり話すシャーレ
とロードの姿があった。



「君の言う通りだったな。エルヴィスは悪い人間ではなかった」


「へへっ、言ったろ?アイツ等はカッコいいんだわ…自分達の信念?ってヤツに正直に生きてるんだから」


「そうか。信念に素直に生きるからこそシェリーの存在を認める事も叶ったわけだ…やはり組織のトップだけあって精神的にも強い人間なんだと知らされたよ」



笑顔で其々が会話を交わすウィズディックの
屋上庭園に突如として響き渡ったのは真下で
奏でる楽団オーケストラの音色だった。

慌ててフェンス越しに居たロード達の元へと
全員が集まると真横に位置する時の街最大の
いや此の国最大の時計塔ビッグ・ムーア眼下
の広場にオーケストラの行進が見える。

其処には帝国軍の面々が警護に当たる。

更には大勢の民衆の群れが其の広場に設置
された舞台の正面に寄り集まっていた。



「な、なんだあ?こりゃ」


「お祭りっ…?なになに、何か始まるのっ?」


「恐らくプレジア宰相の来訪があると言っていた。御言葉頂戴でもするのだろうか?」



ロード達がフェンス越しに真下を覗いている
と背後からカツカツと革靴の音を鳴らしつつ
黒のTシャツにパンツスーツとシンプルさが
際立つ格好をした女性が現れる。



「ご名答。今からプレジア宰相の演説が始まるのよ…」




長めの深く黒みのある青い髪を風に揺らした
其のスクエア型の眼鏡の女性はロード達から
ほんの少し離れた場所のフェンス越しに立つ
と緩りと眼下の広場を見下ろした。
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