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第八篇第二章 運命の会談
長閑な始まり
しおりを挟む「だーッ…ニャロウ共…重苦しい空気感に合わせてやってたのに…台無しじゃねぇかッ!!コンチクショーがッ!!」
地団駄を踏むかの様に文句を垂れまくる眼前
のロードの姿にエルヴィスはニヤリと笑う。
「重苦しい空気感の想像が出来てた割にはあんな大会に参加とは意外だな?」
「んがッ…た、確かに…」
「大方、賞品のネックレス目当て。其れも女性陣へのプレゼント…とかそんなんだろ?だが、其れじゃどっちかが貰えてどっちかが我慢しなきゃいけねぇじゃねぇか。男なら惚れた女へのプレゼントくらい自分で買えよ」
「「(めちゃくちゃ見抜かれてたーーーッ!!そしてごもっとも過ぎて言い返す言葉がないッ!!)」」
男性陣は心の中でエルヴィスに何も言い返す
言葉など考え付かずショックを受ける。
「そ、そんなのどうでもいいだろッ!!今はッ…つかウィルフィン…テメェもテメェだッ…あんなコソコソしやがって…出てくんなら普通に出て来やがれッ!!」
「其れは無理だ。お前達になら兎も角。民衆の前で簡単に姿は晒せないだろう…まあ気付いてなかったのはお前ぐらいだろうがな」
「ぐっ…ニャロウ…。グサグサ気にしてるとこ突いて来てんじゃねぇよ…」
やっとロードが落ち着いたのかソファに再び
腰を下ろすとエルヴィスがニヤリと笑う。
そして、シェリーを筆頭に此の空気感は予想
の斜め、いや遥か上を行くモノだった様で
呆気に取られて開いた口が塞がらない。
「ははっ…まあ。そんなに固くなるな。此の会談がどんな結末を迎えようとも今此の場でやり合う気は毛頭ない。俺達は平和的解決の為に此の場を設けたつもりだからな」
「固くなるなって言われてもよ…」
「お前が気にするなよ…。剣術フェスティバルなんてのにウィルフィンに出向いて貰ったのも和やかに話を始めたかったからだ。な?少しは解れた状態で来れたろ?」
エルヴィスの一言にロード達は「確かに」と
理解を示しつつもやはり何処かまだ不安点は
拭い切れていないのだろう。
そして態々エルヴィスが和やかな方向に行く
様に手を打ったのも何か意味があるのか、と
疑いを持ってしまうのも致し方無い。
そして、其の答えがエルヴィスの口から言葉
として述べられる事となる。
「まあ、何だ。俺達からバルモアの姫に此の後で一つ打診をする事になる。其の前に割れる腹は割っとこうと思ってな…俺が何故反乱軍を組織したか…そして何故異国に怒りの業を燃やしているのか…其の理由を話す」
「はわわっ…それは、つまり…」
「ああ。俺が反乱軍を組織するに至ったかの過去だ…。重たい話なのは間違いねぇだろうから…和やかにしときたかったんだよ」
此れから語られるのはエルヴィスの過去。
其れ即ち孤児村ピースハウスでノアと別れる
事のキッカケとなった記憶の戻り。
其の中身の御話である。
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