RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第八篇第一章 剣術フェスティバル

ロードvsシグマ

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白熱の剣術フェスティバル準決勝第一カード
は優勝賞品となるエメラルドのネックレスを
目指してロードとシグマが激闘を繰り広げて
いる時の街のコロシアムは大熱狂を見せる。

ロードとシグマの両者引けを取らない互角の
剣劇に観客達は歓声を送る者、中には互いに
譲らない此の激戦を固唾を呑んで見守る者も
いる程に片時も目が離せない物だった。



「オメェ…息上がって来たんじゃねぇか?」


「抜かせやボケがァ…自分自身にその言葉投げ掛けてやらんかい…!」



会話も程々にロードとシグマは荒れた息遣い
を漏らしながら互いに武器を振るう。

此処迄のカードでロードとシグマ、シャーレ
は圧勝劇を披露して来たからこそ本日初めて
執り行われる互角の好カード。

場内の観覧席に居合わせる人間達が大熱狂を
起こすのも無理は無かっただろう。

そして、ロードが先に勝負に出る。

間合いを詰めていたシグマの腹部目掛けて足
での強烈な一撃を叩き込んで行く。




「なんのこれしきやで…!」



其の一撃を木槍で防いだシグマだったが足が
引き摺られる様に其の形のまま背後へと滑り
戻されてしまった所へロードが駆け込む。



「決めるぜッ!?」



ロードは一気に駆け込んで行くとシグマの手
に握られた木槍を強く自身の木刀で打ち込む
とシグマの肩を使って斜め上に跳んだ。



「なにを生意気な…今のが決めにきた一撃やったらお袋さんの子宮ん中へ戻れやァ!!」


「バーカ…狙いはそこじゃねぇよ!」



自身よりもほんの少し後ろ側へ跳んだロード
目掛けてシグマは振り返ると下から上へ木槍
を振り上げて反撃に出るがロードは同じ様に
シグマの肩を蹴って元の位置へと跳ぶ。

そして、ほんの少し後ろ側から肩を蹴られた
シグマはバランスを崩して目の前への何歩か
だけよろける様に歩いてしまう。

そんな瞬間だった。



「シグマ選手場外ッ!よって勝者ロード選手!!!!」



場内がまたしても大歓声に包まれる。

訳がわからないシグマは足元を見遣ると其処
には自分で跨いだ白線があった。

そう此の闘技場での一戦は正方形に作られた
白線の外側に一歩でも出た瞬間に負け。

熱中する余りシグマの頭の中から其のルール
は忘れ去られて居り頭を抱えてしまう。

そして、ふと見遣ったロードはと言うと胡座
を掻いて座り込み笑顔のピースサインを作る
のを見せ付けて居た事でシグマの悔しさは
何倍にも何十倍にも増幅した事だろう。



「……意外と頭が使えるやんけ…ちょっぴり、ちょっぴりやけど…見直したわ…!」


「ははっ…命の取り合いじゃあねぇからな…ちょっとした遊び心だよ」



死闘を繰り広げたロードとシグマが握手を
交わした姿により一層の拍手喝采と大歓声
が沸き起こり場内を包んで行った。

準決勝第一試合 ロードvsシグマ。
勝者ロード一番乗りの決勝進出が決まった。

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