RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第八篇第一章 剣術フェスティバル

準決勝第一カード

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場所は変わって闘技場内参加選手控え室。



「さてと…ロード。手加減せえへんからな?痛い目にあっても恨みっこ無しやで!?」


「だから…毎度毎度こっちの台詞だってんだよ…!ニャロウが…ッ…!」


「…取り敢えず…何方が先に決勝に駒を進めるのか愉しみに見させて貰うよ」



背後から掛けられたシャーレの激励に二人は
寸分違わず綺麗に振り返ると親指で自分自身
を指して堂々と声を張り上げる。



「そんなの…俺だろッ!?」


「そんなん…ワイやろッ!?」



言葉の違いこそあれど綺麗にハモった二人を
見てシャーレはクスクスと笑いながら其の後
も何やらバチバチな状態でコロシアムの舞台
へと歩みを進めて行く二人を見送る。

そして、大歓声を背に受けながら準決勝の
第一カードとなるロードvsシグマの決戦の
火蓋が今にも切って落とされる。



「レディース&ジェントルメーン!!お待たせ致しました…皆様ッ!!剣術フェスティバル準決勝第一試合…ロードvsシグマ…いざ尋常にィィ…………始めッッ!!!!」



実況アナウンスの声と共に大歓声に包まれた
コロシアムの舞台でロードとシグマが左右の
端から一気に中央に向かって走り込む。



「行くでェェ!!?」


「来いよォッ!!」



勢い良く雄叫びを上げたロードとシグマは
今大会様の木製の刀と槍を互いにぶつけ合い
まるで舞台上の演者かの如く互角の武器捌き
を見せ合い場内の観客達を湧かせている。



「良くわかんないけどっ…とりあえず頑張れーッ!!」


「お二人ともっファイトですっ!!」



場内観客の大歓声に負けない様に二人に向け
声を張り上げるシェリーとポアラの歓声を背
に受けながらロードとシグマがコロシアムの
舞台の上で颯爽と駆けずり武を競う。



「貰った…!」



ロードは体勢を低くするとシグマの足元を
払うかの様に木刀を振るう。

だが、シグマは其れを読んでいたかの様に
華麗に空中に舞い上がるとロードの頭上から
木槍を両手で掴んで振り下ろした。



「…甘いっちゅーんじゃ。ロード…お前はチョコレートより甘いでっ…!」



シグマの一撃をひらりと躱したロードは其の
勢いのままにシグマの背後を取ると踏ん張り
を効かせた足を軸に回し蹴りを叩き込む。



「それをわざわざデカい声で教えてくれるオメェもオメェだっての…!髪の色的に…オメェの甘さは餡子かってんだァァ!!」



ロードが放った其の回し蹴りをシグマは前へ
転がる様にして回避し直ぐ様立ち上がる。



「…はっ…なに言っとるんや…そない言うたらチョコレートも餡子も基本黒いっちゅうねん…そない気張ってマウント取ろうとせんでええでっ!?」


「そんなマウントいらねぇよ。これで勝って思い知らせてやんだからなッ!!」



改めて場内の岩床を蹴った二人の武器が中央
で交差する様にぶつかって行く。
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