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第七篇第四章 進展と進化
雪の郷のカフェテリアにて
しおりを挟む此処は雪の郷ウルジムスルク。
氷の街ケベルアイスに聳えるエルブルーム山
の麓に位置する雪降る郷である。
ロード達はとある連絡を受けて郷の中枢に
在る小さなカフェテリアの中にいた。
そして其のカフェテリアの扉が開くと来店を
知らせる鈴の音が店内に響き渡り人を待って
いるロード達はソワソワと入り口を覗く。
そして、其処に待ち人の姿が現れるとロード
達はホッとした様な笑顔を見せた。
「おーいっ!コッチだコッチ!」
「居た居た…。変わらず元気な声で見つけやすい事、犬の如くだな」
最初にカフェテリアの店内で椅子から立ち
上がり腕を振っているロードに気付いたのは
安心した様な笑顔を見せるシャーレだった。
「姫様…御無事で何よりです…!」
「はわわっ…もうっ…レザノフったらなんで泣きそうなんですかっ…!」
「心配してたんだよっ…?シェリーちゃんの事っ…もうホントにいつ寝たのっ?ってぐらいにさ…」
瞳をうるうるとさせて少し泣き出しそうな
レザノフを見て慌てた表情のシェリーに暴露
するかの様にイタズラに笑うポアラ。
「…シャーレ…あんた怪我しとるやんけ?何してたんやっ…?」
「簡単に応急処置は其処でしたのだが…やはり目立つか…此れは…」
「名誉の負傷とも言えるかなあ?その傷はっ」
「……めいよのふしょう…?」
シャーレの傷に注目したロード達が一斉に
其処に集まるとポアラとレザノフの方が何故
か本人よりも自慢気な笑顔を見せる。
そして、状況説明は座ってからだとレザノフ
が邪魔になる事を避ける様にカフェテリアの
椅子に全員が腰掛ける。
すると、ポアラの説明にロード達はたまげた
様な声を上げてシャーレの顔を仰ぎ見る。
「…な、何ィッ……!?」
「はわわわわわっ…シャーレ様っ…すごいですっ!!」
「な、なんて名前なんやっ?」
「…え、ええと。雅清飛竜…だね…」
「優雅と来たか…なんや雰囲気あるあんさんにピッタリやないかっ」
想像以上の食い付きだったらしくシャーレ
本人は少しタジタジと言った表情を見せて
いるとロードが疑問を浮かべる。
「……なあ?覚醒の名前って自分で付けるのか…?」
「…ははっ…。違うよ。頭の中にポッと浮かんで来るんだ…」
「そりゃせやろ…ワイなんて輝きやで?自分で選べんならもっと「無敵」とか「最強」とかって単語選ぶっちゅーの」
「確かにな…まあ、そりゃそうか…」
「……えっ?そこは納得なんだ…?」
今の会話で綺麗に別れたのは「無敵」や
「最強」を普通にカッコいいと受け入れて
いるのはロードとシグマ、そして何故か目を
キラキラさせているシェリーだけだった。
可愛い子には旅をさせよ、とは言うが今回は
流石に六人の中で綺麗に別れた子供組だけで
危険な橋を渡らせてしまっていた様だった。
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