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第七篇第四章 進展と進化
二日遅れの到着
しおりを挟むロード達が氷の街ケベルアイスにある雪の郷
ウルジムスルクに入って二日の刻が過ぎた。
前々日はエルブルーム山での苛烈な戦いに
彼等は巻き込まれ心身共に疲れ切っていた。
ガスタの其の後の安否等も解らず終いで不安
も過ぎる中でもあったが其れでもサバネとの
約束を果たし進展はあった。
だが其れ以上の進展となったのは間違い無く
晴天の霹靂とも言える反乱軍からの招待状と
なったのは想像するには易しく悩むシェリー
にとっては判断するのは難い状況となる。
そして、そんな悩める夜が二つ開けた日付に
雪の郷ウルジムスルクからほんの少し離れた
雪の平野へと運河を進んで来た舟から其の足
を踏み出した三人組の姿があった。
「……ふう。身を焦がす様な思いでした…。シグマやロード殿がいるとは言え…姫様と共に居られぬのはやはり…心臓に悪いですね…」
「しかし…無線で安全は確認出来ています。慌てず合流を果たしましょう」
「そうそうっ。本来ならもう少し安静の所…居ても立っても居られなくなって出てきた訳だし…レザノフさんも自分の身体を労ってあげなくっちゃ…!」
「……わかっていますが…。やはり…その…」
雪の平野を進むのはシャーレとポアラ。
そして普段は平静をちょっとやそっとじゃ
崩す事すら無いのだがシェリーと離れ離れに
なるのは余程心臓に悪かったのだろう珍しく
オロオロとした表情のレザノフだった。
二日遅れで雪の郷ウルジムスルクへと辿り
着いた三人はロード達との合流を目指す。
「…にしても…此処は綺麗な雪の大地だな…」
「ねっ!舟での移動も景色がすごかったけど…こっちもこっちで素敵っ!」
「…だが、レザノフさんは全く愉しめていなかったろうな…」
「あははっ…ついさっきも無線でシェリーちゃんと話せてるのに…無線を切ってはオロオロしまくってたもんね…」
二人は珍しく足早に先頭を進むレザノフの
背中を眺めながら其の胸中を思い遣る。
森の街フォレストールでの戦闘の後そのまま
に水の街アリアアクアに於いても其の身体に
痛みを刻み込んでボロボロの筈のレザノフも
シェリーの事となっては自身の事など後回し
と言う様に未だ倒れそうな身体で先を急ぐ。
此れを忠義と言わずして何と表現しようかと
考えても其の言葉以外に表す術を持たない。
そんな中シャーレ達三人はまだ遠いが視界に
ぼんやりと雪の郷ウルジムスルクを捉える。
あそこにはシェリー達が居る。
此れでレザノフも少しは落ち着けるだろうと
胸を撫で下ろしたそんな瞬間だった。
郷と自分達の間に逆側からシャーレ達の方向
へ緩りと向かって来る小紫色の羽織の男性の
姿に三人が順番に気付く。
深緑色の巻毛が特徴の細身で中世的な顔立ち
の其の男性もふと歩いて来るシャーレ達に
気付き緩りと其の足を止めた。
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