RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
上 下
279 / 729
第七篇第三章 狂宴の雪山

雪山の追跡者

しおりを挟む




そして、場面は切り替わる。

ガスタと共に雪山を降るロード達は積もる雪
が重さに耐え兼ねて崖下へと落下する雪道を
足元を確認しながら走っていた。



「…おわっ…危ねぇな…ここはよッ!」


「何や怖いんか?ほほう…随分と弱気やな…そんなんで姫様護れると思っとったんか?タコ頭ぁ…」


「るせえってんだッ…ニャロウめ…お?相変わらずのソース頭してんじゃねぇか…!」


「……ニヤついてんやないでホンマァ!決めたわッ!雪山降りたら鉄板の窪みに放り込んでひっくり返して衣纏わせたらァ!!」


「何をォ…?テメェこそアツアツの鉄板の上でひっくり返したお好み焼きに絞って掛け散らかしてやるってのォ!!」


「二人共…ッ…此の狭い道で喧嘩するのは危ないですよ?前を見てくださいっ…特にロード君ッ!」



狭い雪道で一つ前を走るロードはシグマの
挑発に乗り走りながら後ろを振り返り顔を
突き合わせて喧嘩を続けている。

其処を最後尾を走るガスタからお叱りを受け
ているとシグマがニヤついて口を開く。



「ははっ…特に…特にィ…お前やで?タコ頭くぅん……お笑いやでホンマ…」


「ああッ…もう取り敢えず殴りてェェェ!」


「いいかげんにしてくださいってばっ!もう怒りますよっ本当にッ!」


「「お…す、すいませんでしたァァ!!」」



精一杯走る男性陣の真上で光の魔法陣の様な
サークルに乗って飛ぶシェリーからのお怒り
の言葉で二人はビシッと前を向いて走る。

同じ言葉で反省してくれるのだからある意味
で此れも一石二鳥という所だろう。

正しく言えば「一声ニ馬鹿」。

語呂が悪いので不採用で良いだろう。

其処へ四人の物とは違う雄叫びの様な叫び声
がロード達の背後からまるで雷の様に飛ぶ。



「見つけたぞォ…テメェ等ァァ!!此の俺からァ…逃げ切れるなんて思うなよォォ!?」



更に傷が増え、怒りを増長させた裏帝軍幹部
アノンが遂にロード達の背中を捉えた。



「オイ…アイツ…追い付いて来やがった…」


「何でやねん…あの革命軍のシルヴァとかいうニンジャマンは負けたんかいな…」


「はわわわわわわっ…どうしましょうっ!」


「政府からの国家指名手配犯ガスタァ…バルモア本国王女…シェリー…ィ…逃げ場は無ェぞ…待ちやがれッ!!」



更に勢い良く雪道を駆け降りて来たアノンの
言葉に恐怖を感じ取り身をビクつかせる前の
ロード達とは対照的にガスタは何故か笑みを
浮かべて口を開いて見せた。



「……ロード君、シグマ君…姫様は君達にとって護らなければならないお人ですよね?」


「当然ッ…!」


「今更口にせんでもええっちゅうぐらいやっ!!」


「……ならばこうしましょう…振り返る事なく走りなさい。若者は未来へ…其れが私達ロートルからしても最良の喜びです…!」



そう言い残したガスタは足を緩りと止めた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

処理中です...