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第七篇第三章 狂宴の雪山
雪山の追跡者
しおりを挟むそして、場面は切り替わる。
ガスタと共に雪山を降るロード達は積もる雪
が重さに耐え兼ねて崖下へと落下する雪道を
足元を確認しながら走っていた。
「…おわっ…危ねぇな…ここはよッ!」
「何や怖いんか?ほほう…随分と弱気やな…そんなんで姫様護れると思っとったんか?タコ頭ぁ…」
「るせえってんだッ…ニャロウめ…お?相変わらずのソース頭してんじゃねぇか…!」
「……ニヤついてんやないでホンマァ!決めたわッ!雪山降りたら鉄板の窪みに放り込んでひっくり返して衣纏わせたらァ!!」
「何をォ…?テメェこそアツアツの鉄板の上でひっくり返したお好み焼きに絞って掛け散らかしてやるってのォ!!」
「二人共…ッ…此の狭い道で喧嘩するのは危ないですよ?前を見てくださいっ…特にロード君ッ!」
狭い雪道で一つ前を走るロードはシグマの
挑発に乗り走りながら後ろを振り返り顔を
突き合わせて喧嘩を続けている。
其処を最後尾を走るガスタからお叱りを受け
ているとシグマがニヤついて口を開く。
「ははっ…特に…特にィ…お前やで?タコ頭くぅん……お笑いやでホンマ…」
「ああッ…もう取り敢えず殴りてェェェ!」
「いいかげんにしてくださいってばっ!もう怒りますよっ本当にッ!」
「「お…す、すいませんでしたァァ!!」」
精一杯走る男性陣の真上で光の魔法陣の様な
サークルに乗って飛ぶシェリーからのお怒り
の言葉で二人はビシッと前を向いて走る。
同じ言葉で反省してくれるのだからある意味
で此れも一石二鳥という所だろう。
正しく言えば「一声ニ馬鹿」。
語呂が悪いので不採用で良いだろう。
其処へ四人の物とは違う雄叫びの様な叫び声
がロード達の背後からまるで雷の様に飛ぶ。
「見つけたぞォ…テメェ等ァァ!!此の俺からァ…逃げ切れるなんて思うなよォォ!?」
更に傷が増え、怒りを増長させた裏帝軍幹部
アノンが遂にロード達の背中を捉えた。
「オイ…アイツ…追い付いて来やがった…」
「何でやねん…あの革命軍のシルヴァとかいうニンジャマンは負けたんかいな…」
「はわわわわわわっ…どうしましょうっ!」
「政府からの国家指名手配犯ガスタァ…バルモア本国王女…シェリー…ィ…逃げ場は無ェぞ…待ちやがれッ!!」
更に勢い良く雪道を駆け降りて来たアノンの
言葉に恐怖を感じ取り身をビクつかせる前の
ロード達とは対照的にガスタは何故か笑みを
浮かべて口を開いて見せた。
「……ロード君、シグマ君…姫様は君達にとって護らなければならないお人ですよね?」
「当然ッ…!」
「今更口にせんでもええっちゅうぐらいやっ!!」
「……ならばこうしましょう…振り返る事なく走りなさい。若者は未来へ…其れが私達ロートルからしても最良の喜びです…!」
そう言い残したガスタは足を緩りと止めた。
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