RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第七篇第三章 狂宴の雪山

アドリーvsノエル

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そして、雪のジェットコースターの上を華麗
に滑りながらアドリーは更に雪の氷道を拡大
させて行きながら音を消したノエルを囲んで
空色の氷の矢を連射させて行く。

其の矢を身体をまるで雑技団かの様に跳んで
跳ねては躱して行くノエルの身のこなし方も
流石だがアドリーの放つ矢の連射は留まる事
を知らずにノエルを目掛けて襲い掛かる。



「……音を消されたら見失わない様に囲むのが定石…逃げ道断つ程の氷の造形は疲れるんだけどね…はぁ…マッサージ行きたい…」


「…成る程。どうやら甘く見られ過ぎている様だな…だから驕りが過ぎると言うのだ」



一気に加速したノエルはアドリーの疲弊する
状態を狙ってか矢を躱しながら先ずは雪と氷
で造られた道を所々切り裂いて行き通路を
段々と歯抜け状態にして行く。



「……私と戦わなくていいの…?」


「…狩りというのは…準備が物を言うのだ。此れも戦いの一つなのだよ。見誤っていると簡単にあの世逝きだぞ」


「……はぁ…驕りが過ぎるのはどっちよ…」



アドリーは壊された氷雪の道を再構築させて
行きながらノエルに向けて矢を放ち続ける。

ノエルは相変わらずアドリーではなく氷雪の
道を鉤爪で壊し続けて行っている最中に心中
でアドリーはふと呟いて行った。



「(発言は置いて於いて…少将ノエル…侮れないわね…確実にこっちの波動とギフトを削って来てる…長丁場は不利かもしれない…はぁ…やっぱり戦いって疲れるし嫌い…)」



一瞬、アドリーが瞳を閉じた瞬間だった。

ノエルは鉤爪を空中で交差させる様に振るう
と鉤爪型の疾風の斬撃がアドリーの造形した
氷雪の道の約七割を損壊させた。



「(しまった…こんな一撃で…!)」



其れに少し焦りを見せたアドリーは雪の台座
で高く舞い上がり矢を放つのを辞めて修復に
全神経を注ぎ始める。

アドリーの攻撃が止んだ瞬間にノエルは緩り
と足を止めると再度造り上げられて行く氷雪
の道を見上げながら波動とギフトを練り上げ
一気に解放すると嵐の様な風に包まれる。



「疾風覚醒…“鴉咬狩獲レイヴンハンター”…!」



緩りと練り上げられた波動とギフトに因って
ノエルは覚醒へと至り身体を変化させる。

手に装備していた鉤爪が白と黒の二色に変化
する様に染まり上がり手と同化する。

腰元の布も白と黒の鴉の羽の様な光沢のある
羽毛へと変化し首元に鴉の嘴も模したかの様
な装飾が巻かれて行く。

そして最大の変化として鴉の羽根が背中から
発現されるが其れは白い羽根。

波動の色が白花色な事もあり羽根は白く発現
したのだが現代では白い鴉というのは希少性
が高く幸運の象徴ともされている。



「……さあ、狩の第二段階だ。余り暴れず仕留められるのを待て…獲物よ…」



ノエルは覚醒の羽根をはためかせ今度こそ
アドリーに向けて飛び出して行った。




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