276 / 419
第七篇第三章 狂宴の雪山
アドリーvsノエル
しおりを挟むそして、雪のジェットコースターの上を華麗
に滑りながらアドリーは更に雪の氷道を拡大
させて行きながら音を消したノエルを囲んで
空色の氷の矢を連射させて行く。
其の矢を身体をまるで雑技団かの様に跳んで
跳ねては躱して行くノエルの身のこなし方も
流石だがアドリーの放つ矢の連射は留まる事
を知らずにノエルを目掛けて襲い掛かる。
「……音を消されたら見失わない様に囲むのが定石…逃げ道断つ程の氷の造形は疲れるんだけどね…はぁ…マッサージ行きたい…」
「…成る程。どうやら甘く見られ過ぎている様だな…だから驕りが過ぎると言うのだ」
一気に加速したノエルはアドリーの疲弊する
状態を狙ってか矢を躱しながら先ずは雪と氷
で造られた道を所々切り裂いて行き通路を
段々と歯抜け状態にして行く。
「……私と戦わなくていいの…?」
「…狩りというのは…準備が物を言うのだ。此れも戦いの一つなのだよ。見誤っていると簡単にあの世逝きだぞ」
「……はぁ…驕りが過ぎるのはどっちよ…」
アドリーは壊された氷雪の道を再構築させて
行きながらノエルに向けて矢を放ち続ける。
ノエルは相変わらずアドリーではなく氷雪の
道を鉤爪で壊し続けて行っている最中に心中
でアドリーはふと呟いて行った。
「(発言は置いて於いて…少将ノエル…侮れないわね…確実にこっちの波動とギフトを削って来てる…長丁場は不利かもしれない…はぁ…やっぱり戦いって疲れるし嫌い…)」
一瞬、アドリーが瞳を閉じた瞬間だった。
ノエルは鉤爪を空中で交差させる様に振るう
と鉤爪型の疾風の斬撃がアドリーの造形した
氷雪の道の約七割を損壊させた。
「(しまった…こんな一撃で…!)」
其れに少し焦りを見せたアドリーは雪の台座
で高く舞い上がり矢を放つのを辞めて修復に
全神経を注ぎ始める。
アドリーの攻撃が止んだ瞬間にノエルは緩り
と足を止めると再度造り上げられて行く氷雪
の道を見上げながら波動とギフトを練り上げ
一気に解放すると嵐の様な風に包まれる。
「疾風覚醒…“鴉咬狩獲”…!」
緩りと練り上げられた波動とギフトに因って
ノエルは覚醒へと至り身体を変化させる。
手に装備していた鉤爪が白と黒の二色に変化
する様に染まり上がり手と同化する。
腰元の布も白と黒の鴉の羽の様な光沢のある
羽毛へと変化し首元に鴉の嘴も模したかの様
な装飾が巻かれて行く。
そして最大の変化として鴉の羽根が背中から
発現されるが其れは白い羽根。
波動の色が白花色な事もあり羽根は白く発現
したのだが現代では白い鴉というのは希少性
が高く幸運の象徴ともされている。
「……さあ、狩の第二段階だ。余り暴れず仕留められるのを待て…獲物よ…」
ノエルは覚醒の羽根をはためかせ今度こそ
アドリーに向けて飛び出して行った。
応援ありがとうございます!
30
お気に入りに追加
17
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる