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第七篇第二章 王家に仕えし血族の墓標
ロードvsソフィア
しおりを挟むロードは抜刀した刀に真紅の業火のギフトの
オーラを纏わせると猛る烈火の様に身体から
溢れる炎を湧き上がらせて下段に構える。
其の炎の意気や凄まじく此処最近の連戦に
因ってチカラに磨きが掛かっていた。
其の炎に呼応する様にソフィアは自身の身体
から白銅色(青みの入った明るい灰色)の冷気
を身体に纏わせて行く。
ソフィアのギフトは白銅色の氷雪のギフト。
凍てつく氷がソフィアの握る双剣小太刀の
刀身を白銅色の氷霜で染め上げて行く。
ほんの数秒の沈黙を経て先手を打とうと動き
を見せたのは死蜘蛛狂天ソフィアだった。
其の動きたるや死蜘蛛狂天の三大幹部という
とても高い位に女立てら鎮座する理由が誰に
でも見えて来ると言う物である。
美しい氷山エルブルームの大自然の氷雪地帯
にも負けず劣らない美しい雪の通り道が彼女
の踏み締めた岩の地面に出来上がって行く。
そして双剣小太刀に依る苛烈な攻めが始まり
の瞬間を迎え息を呑む様な美しさを誇りつつ
も振るわれる双剣小太刀の連撃を前にロード
は防御一辺倒の対応を取らざるを得ない。
だが、ソフィアは気付く。
目の前の赤髪の此の男は狙って防御一辺倒に
偏らせているだけで手も足も出ない状況には
追い込まれていない事を。
「……どうあっても話というのを優先させるつもりか?……目的を達成してからで良いでしょう…?」
「……それじゃ遅ェんだッ!!」
「遅いって何…?一体どういうつもりなの」
ロードは冷たい瞳で言葉を淡々と放つ目の前
のソフィアに対してグッと力を刀に入れると
クロス状に交差された双剣小太刀を押し込み
自身の体重を掛けるかの様に優位を取った。
そして、其処からは押し込む事をやめて心の
内に秘められた友人との話をし始める。
「ソフィアさん…アンタ…兄貴がいるよな」
「……いきなり何を…」
「アンタの兄貴の名前は…サバネ。縁あってサバネさんとは知り合いなんだ…」
「………それで…?」
「アンタの兄貴がこの街まで来てる…つかこの雪山の麓の郷にだ…!アンタ等の両親の事も聞いた…!なんでアンタはその死蜘蛛狂天なんつう組織にいるんだよッ!」
「………兄も口が過ぎる…なぜこんな男にその話を教えたんだか…」
「アンタにも理由があんのは百も承知だ…。だけどサバネさんは妹が人を殺す為に動いてんのを知ってて苦しそうなんだ…会いに行ってやってくれ…!」
「……無理よ…!」
ソフィアはロードの足元を氷雪のギフトの
特性である淡雪で柔らかく変化させると其の
雪に足を取られて体勢を崩したロードの腹部
に右足での蹴りを放ちロードを吹っ飛ばす。
だが、ロードは腕で何とか防御し背後へと
蹴り飛ばされるも何とか両足で立ったまま
体勢を崩され切る事は無かった。
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