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第七篇第二章 王家に仕えし血族の墓標
祠の隠し扉
しおりを挟む一方、場面は切り替わりガスタ捜索を目指す
ロード達は大滝プトラムフォールの東の密林
へと彷徨い込んでいた。
そしてロード達は歩みを進める中でとある
古ぼけた祠を見付けると何の気無しに其処
に向かって歩みを進めて行った。
祠には一体の地蔵が寒さを物ともしないかの
様に立ち尽くし其の背後には壁には隙間風を
悠々と通す穴だらけの小さな小屋がある。
優雅で荘厳とは言わないが此の古ぼけた小屋
は何かが祀られている寺社であろう。
彼等が何故其の扉を開いたかは解らない。
不思議な感覚に誘い込まれた、そんな空気が
釣り合いの取れる正確なモノだった。
「……っわっ…なんや…埃塗れやんけ…」
「……建物の中なのに相変わらず寒ィな…まあ風が吹きっぱなしだし仕方ねぇか…」
小さな寺社の中でブツブツと文句を言って
いるロードとシグマの横でシェリーはふと
此の寺社のおかしな点に気付いた。
「………最近ここにどなたか来たんでしょうか…?」
「……姫様。なんでそう思うんや…?」
シグマに問われたシェリーは目の前の赤地に
金の刺繍が施された家紋の旗に指を指す。
「なんやこれ?」
「…プレジア王家の家紋だよ。太陽に神獣グリフォン…間違いねぇ…」
「…はい。プレジアという国の現王家が掲げる家紋です…」
「……まあ…。此処は寺みたいやし祠もあってんからな…王家の家紋があっても驚かんが…それが何やっちゅうんや…?」
シェリーは漸く此の疑問点に触れる。
「蜘蛛の巣が張り…埃塗れのこの小さな寺社の中で此の家紋だけ綺麗過ぎませんか…?」
ロードとシグマはシェリーの言葉に咄嗟に
目の前の王家の家紋に目を向けて驚く。
シェリーの言う通りだった。
まるで此処最近迄、此処に人が居たかの様に
綺麗に磨かれた壁掛けの王家の家紋。
三人は恐る恐る其の家紋に近付いて行く。
すると雪山エルブルーム山のお怒りなのか
ロード達が半開きにしていた入り口の扉を
突き破って壊すかの様な突風が小さな寺社を
襲うと三人はバランスを崩してしまう。
そして、三人が家紋に向かって突っ伏すかの
様にぶつかった其の瞬間だった。
忍者屋敷の隠し扉の様に壁掛けの家紋が
くるりと開いてロード達を奥の洞窟へと
誘う様に招き入れて行ったのだ。
「……なんやねん此れはァ…!」
「はわわわわわわっ…隠し扉ですか…?って…あっ…災難はまだ続きそうですねっ…」
何故かニコッと笑ったシェリーを見てロード
とシグマは不思議な表情を浮かべている。
だが、「災難は続く」の意味を二人は一瞬に
して思い知る事となってしまう。
何故なら家紋の壁掛けの先の洞窟の先を見て
いたロード達の視線は単なる先では無く真下
へと続く落とし穴の入り口だったからだ。
一瞬の浮遊を味わったロード達は冷や汗と
共に緩りと時が流れている様な錯覚に陥る。
そして、真っ逆さまに落ちて行く。
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