RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
上 下
263 / 729
第七篇第二章 王家に仕えし血族の墓標

祠の隠し扉

しおりを挟む



一方、場面は切り替わりガスタ捜索を目指す
ロード達は大滝プトラムフォールの東の密林
へと彷徨い込んでいた。

そしてロード達は歩みを進める中でとある
古ぼけた祠を見付けると何の気無しに其処
に向かって歩みを進めて行った。

祠には一体の地蔵が寒さを物ともしないかの
様に立ち尽くし其の背後には壁には隙間風を
悠々と通す穴だらけの小さな小屋がある。

優雅で荘厳とは言わないが此の古ぼけた小屋
は何かが祀られている寺社であろう。

彼等が何故其の扉を開いたかは解らない。

不思議な感覚に誘い込まれた、そんな空気が
釣り合いの取れる正確なモノだった。



「……っわっ…なんや…埃塗れやんけ…」


「……建物の中なのに相変わらず寒ィな…まあ風が吹きっぱなしだし仕方ねぇか…」



小さな寺社の中でブツブツと文句を言って
いるロードとシグマの横でシェリーはふと
此の寺社のおかしな点に気付いた。



「………最近ここにどなたか来たんでしょうか…?」


「……姫様。なんでそう思うんや…?」



シグマに問われたシェリーは目の前の赤地に
金の刺繍が施された家紋の旗に指を指す。



「なんやこれ?」


「…プレジア王家の家紋だよ。太陽に神獣グリフォン…間違いねぇ…」


「…はい。プレジアという国の現王家が掲げる家紋です…」


「……まあ…。此処は寺みたいやし祠もあってんからな…王家の家紋があっても驚かんが…それが何やっちゅうんや…?」



シェリーは漸く此の疑問点に触れる。



「蜘蛛の巣が張り…埃塗れのこの小さな寺社の中で此の家紋だけ綺麗過ぎませんか…?」



ロードとシグマはシェリーの言葉に咄嗟に
目の前の王家の家紋に目を向けて驚く。

シェリーの言う通りだった。

まるで此処最近迄、此処に人が居たかの様に
綺麗に磨かれた壁掛けの王家の家紋。

三人は恐る恐る其の家紋に近付いて行く。

すると雪山エルブルーム山のお怒りなのか
ロード達が半開きにしていた入り口の扉を
突き破って壊すかの様な突風が小さな寺社を
襲うと三人はバランスを崩してしまう。

そして、三人が家紋に向かって突っ伏すかの
様にぶつかった其の瞬間だった。

忍者屋敷の隠し扉の様に壁掛けの家紋が
くるりと開いてロード達を奥の洞窟へと
誘う様に招き入れて行ったのだ。



「……なんやねん此れはァ…!」


「はわわわわわわっ…隠し扉ですか…?って…あっ…災難はまだ続きそうですねっ…」



何故かニコッと笑ったシェリーを見てロード
とシグマは不思議な表情を浮かべている。

だが、「災難は続く」の意味を二人は一瞬に
して思い知る事となってしまう。

何故なら家紋の壁掛けの先の洞窟の先を見て
いたロード達の視線は単なる先では無く真下
へと続く落とし穴の入り口だったからだ。

一瞬の浮遊を味わったロード達は冷や汗と
共に緩りと時が流れている様な錯覚に陥る。





そして、真っ逆さまに落ちて行く。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

処理中です...