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第七篇第一章 雪降る氷山地帯の再会
革命軍幹部 シルヴァ・ホーリーセンス
しおりを挟む「アンタ…革命軍だよな…?」
ロードがポツリと呟いた言葉を聞いて膝を
折って雪の上に降り立った忍び姿の男性は
緩りと立ち上がると目線を向け直す。
「我はシルヴァ・ホーリーセンス。独立師団革命軍に於いて幹部を任される身である」
「はっ…!革命軍っちゅうのは姫様の味方や無かったんか…?それが何で後を尾けるなんてコソコソしたやり方してんねん…」
シグマの一言は最もであった。
ロード達はシルヴァと名乗った忍び姿の男性
の次の言葉を吹き荒ぶ吹雪の中で待つ。
「此度はガスタという男の足取りを追え、というのが我に下された任務である。だが革命軍としては其のガスタという男が何故追われているのか掴み切れておらぬ…。であるからして水の街のアジトから飛び出して行った姫と主等の動向を追えと承った次第…」
「……アンタ等革命軍がガスタを追うのは何でだ…?」
ロードは砂の街での一件を思い出しながら
吹雪に掻き消されぬ様に確りと声を発して
シルヴァへと問い掛けて行く。
反乱軍もランスを追っていた事を知っている
為にガスタの件で革命軍すら動いた事に一抹
の疑念を抱いている為であった。
「…さあ。掴み切れておらぬから追うのであろうな…我々はガスタという男を政府が血眼になってまで探している事に其の男の存在価値があると踏んでいる。だからこそ…特に其処の赤髪の主がガスタについて何かを知っているのではと感じノア殿から手助けをして参れと仰せつかったのだ」
シルヴァの淡々とした状況説明を訊いていた
シグマは話の結びと共に更なる疑念点を感じ
目の前にいるシルヴァに問いただす。
「…せやったら…ちょいとおかしいんとちゃうんか?ニンジャマン…」
「……何がだ?」
「アンタ方のトップに仰せつかって来たんはわかったわ…。せやけど目的は手助けやろ?ほんなら何でコソコソしとったんや…余計に変やないか?なあ?」
「…はわわっ…確かに…」
「……なんか裏があんのか…?」
シグマの鋭い指摘に目の前のシルヴァに対し
ロードとシェリーを警戒を強めて行く。
革命軍は味方でありシェリーにとっては鎖国
を打ち破る為の言わばビジネスパートナー。
此の不信感の正体の解明が急がれる。
「…さあ、言うてみぃ?此の矛盾した現状を打破できるだけの理由があるんやろうな…」
シグマがトドメとばかりにシルヴァに向けて
ビシッと人差し指を突き付けて言い放った。
そしてほんの少しの沈黙の後、シルヴァは
口元の布を指先で位置を直す様に触れた後で
仕方ない、とばかりに言葉を発した。
「………………人見知りなのだ…………」
ふと飛んできたシルヴァの言葉にロード達は
あんぐりと口を開けて度肝を抜かれた様に
完全に身体を膠着させて固まってしまう。
「「…………え…?」」
三人はハモる様に同じ言葉を発した。
冷たい吹雪が変わらず吹き抜けて行く。
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