248 / 729
第六篇第三章 ジェノスハーバー攻防戦
代理護衛の任命
しおりを挟む革命軍のアジトで悩みにぶち当たり硬直した
ままのロードはシャーレ等の負傷によって今
直ぐには動く事が出来ない事は理解した上で
ガスタという男を追いたいという気持ちが胸
の内で激しく交錯していた。
其の姿を目に焼き付けるシャーレ達ですら
一言も言葉を発しないロードの想いは口など
開かずともひしひしと伝わっている。
様々な事に巻き込まれ肥大化して行く此の旅
の目的というのはロードの両親を探す事だ。
其れがシェリーとの出逢いを通して反乱軍や
革命軍、更には帝国軍や裏帝軍と言った政府
に属する組織の人間達と繋がって来た。
其処が旅路を行く上での目的の肥大化だ。
仲間の回復を待つ、ガスタという男を追う。
此の二つは今のロードにとって何方も変わる
事なく最優先事項である事は間違いない。
「………ロード。旅の目的を忘れる事は無いんだぞ?」
「シャーレ…」
「森の街への移動中にランスとの再会を果たした事、だが肝心な事は解らぬままである事も私達は知っている。ガスタという男との接触も両親に会う為には必要なのだろう?」
「…だけどよ…砂の街ん時も俺は一人で突っ走っちまって…」
シャーレはロードの想いを後押しする様に
言葉を紡ぐが当の本人は後ろめたさを感じず
には居られず頭を悩ませている。
「ロードっ。アンタの良さは何っ?」
「…は?何だよ急に…」
「アンタの良さは自分の行きたい所に真っ直ぐ進める活力と勇気だよっ?今行かなかったらアンタは後悔するっ。後悔するのなんてまだまだ早いんじゃないっ?」
「…ポアラ…」
ロードの気持ちを汲むのはシャーレとポアラ
此の二人にとっては慣れた物なのだろう。
ポアラの笑顔にロードが笑顔を取り戻す。
「…ロード様っ…!今回は合流もしやすい様に私もお供しますっ…ギフトのおかげで少しはお役に立てると思いますしっ!」
「…また危ねぇ目に遭うかもしれねぇのに…。シェリー…お前…ッ!」
ぐっと胸の前で拳を固めたシェリーの笑顔に
ロードは悩んでいた全てを払拭する。
「悪ィな…お前等…。先行かせて貰うぜ」
「済みませんが私がこんな状態では姫様の同行は認めかねます。…ですが、こんなに早く貴方のチカラが必要となるとは、ですね。シグマ、私達が合流する迄は姫様の護衛代理として同行しロード殿の旅を手助けしなさい」
「おうよ。ワイに任しとき…!レザノフさん」
シェリーの護衛代理として任命されたシグマ
がビシッと親指を立てて胸を叩いた所までは
良かったのだが何かに気付いた護衛に任命
されたシグマとロードは固まってしまう。
「…こ、コイツと同行…?」
「な、なんでやねん…。このアホとかいな」
二人は冷や汗を垂らしながら見つめ合うと
硬直したまま其の視線を合わせている。
水の街アリアアクアの港町ラヴェンダにある
ジェノスハーバーでの攻防戦を終えたロード
達は負傷組とガスタ追跡組に別れる事に。
氷の街ケベルアイスでの新たな物語が
またロード達に依って紡がれて行く。
60
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる