RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第六篇第三章 ジェノスハーバー攻防戦

戦禍の創痕

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どのぐらいの時間が経ったのだろう?

飛び起きる様に身体を起こしたロードは
見慣れない部屋の天井と壁に視線を何度も
切り替えながら現状を把握して行く。

くすみのある灰色の壁の部屋に置かれた
ベッドの上でロードは頭をガシガシと掻くと
どの様にして此処に来たか、そして此処は
何処なのか、理解が及んではいない。

其処に一人の青年が扉を開けて中へと足を
踏み入れて来ると視線を向けたロード。



「…アンタは…」


「目が覚めたか?ロード。安心しろ…此処は俺達のアジトだ。戦いは終わった」



ロードの前に現れたのは長い銀髪の青年。

独立師団革命軍総長ノア・クオンタムだ。



「…ッ!ノア…シェリー達は?」


「…取り敢えずは命に別状はない。特に姫様は擦り傷程度で済んだ…感謝するぞ。ロード…」



慌てふためく様に問い掛けたロードの言葉に
ノアはシェリーの現状から話し始める。

そして其処から此の戦いの中で負った傷跡を
ノアの口から重たい口調で知らされる。

反乱軍幹部エゼルとの戦いに臨んだレザノフ
は重傷を負ってしまったのだがシャーレの
奮戦もあり何とか生きて帰還をした。

ノアが救援に辿り着き二人を回収する事には
成功したが奮戦していたシャーレも重傷だが
意識はあり戦線復帰に時間は掛からないとの
ノアの見解に一先ず胸を撫で下ろす。

次にロード達と共に倒れたポアラだが此方も
怪我はあったが此方も意識は戻っている。



「…ッ…みんな生きてんだな…とりあえずそこは喜んで良いとこだよな…」


「ああ。命あってこそだ…全員無事なのが最高の便りと受け取って良いだろう」


「…ッ…そういや…あの鎧着た男は誰だったんだ…?」



混濁していた記憶の中でロードの視界に最後
に現れた褐色の肌の鎧の男の存在。

バルモアの人間、そう見えた彼が何者だった
のかとロードは思案を巡らせる。

考え込んでいたロードの横で立ち尽くした
ままのノアもまた別の思案に耽っていた。



「(先に起きた姫の話に依れば…ポアラとロードの怪我は同程度だと聞いた…。だがロードに至っては身体の軋みや重さは勿論あるだろうが重傷とは言い難い…閃光のギフトの恩恵とは…此処まで人智を超越するのか…?)」



そんな思いを巡らせていたノアの背後にある
扉が開くと一人の男が部屋へと入って来る。

其の姿にロードは口をあんぐりと開けて其の
男を指差すと固まってしまっていた。



「アンタが革命軍のノアさんやな。ちょっと其処の赤頭に話がありまんねん。ちょいと席外して貰えまっか?」


「ああ。そろそろ次へ行くつもりだった…ロード。少し休むと良い…では」


「おう。すまねぇなノア…」



ノアが扉を閉めて出て行くと褐色の肌の鎧の
男がロードが横になるベッドの真横に丸椅子
を置くとドカッと腰掛けて陣取った。


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