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第六篇第二章 港町に集う者達
ナンパ男の誘い
しおりを挟む「あ、えと…えと…」
「そんなにおどおどしちゃって…かわうぃ~ねぇ…お名前なんてゆーの?」
「…ポ、ポアラ…ですっ…」
「名前もかわうぃ~じゃん。僕ちんテンション上がっちゃうなあ…ポアラちゃんタイプだからこの後一緒に楽しぃ事しようよっ?」
「な、なに言ってんのよ…チャラチャラ軽い言葉ばっかり言わないでっ」
どうにもナンパ男のペースに乗せられていた
ポアラはやっとムッとした表情で言い返す。
「…軽い?いやいや…軽くないよっ…ポアラちゃん可愛いのは本当じゃんっ…いや~、マジでマジでっ」
それでもぐっと顔を押し付けて来るナンパ男
の言葉は余りにも真っ直ぐでポアラとしても
褒められているのだから悪い気はしないのは
仕方が無く、表情は真っ赤に染まったままで
あるのはあるが、何とか抜け出そうと動く。
「本当にどっか行ってってば…」
「えぇ…とりまさぁ…お茶ぐらい付き合ってくんね?…もしポアラちゃんがお茶付き合ってくれたら僕ちんもテンアゲだからさぁ」
ナンパ男がポアラの肩に手を置こうとした
瞬間にナンパ男は手を背後から掴まれる。
突然の出来事にナンパ男は振り返る前に動き
を止めて表情を一瞬、固くする。
其の正面でポアラがぱあっと花を咲かせる様
な満面の笑みを浮かべてナンパ男の背後の
青い髪の青年を見つめる。
「君…私の連れに何か用か?」
「…なぁんだ…お連れさん居たんだ…残念無念っと…僕ちんドンマイでぇーす」
「…シャーレ…」
ナンパ男はシャーレの手から腕を払う様に
して多少なりとも間合いを広げると笑みを
浮かべてシャーレを眺める。
「…へぇ。君がポアラちゃんの彼氏からさんねぇ…彼女一人にしちゃダメっしょ…」
「な…彼氏…?」
「え…彼女って…」
「…ん?なに…?」
ナンパ男の言葉にシャーレとポアラが固まり
段々と沸騰しているかの如く真っ赤な表情を
浮かべて慌ただしく口を開いた。
「「つ、付き合って無い…!」」
ほんの少しのニュアンスの差はあれどナンパ
して来た男に向けて二人揃って否定をすると
ナンパ男は呆気に取られた後で、内容を理解
した様にニヤッと笑みを浮かべる。
「な~んだ。兄さん、ポアラちゃんと付き合ってるワケじゃねぇんだ…なら僕ちんがアタックしても何の問題もないっしょ?」
「な、何故そうなる?」
「兄さんさ?目の前にこんなにかわうぃ~女の子が一人でいてさ?もしナウで自分がフリーだったらどする?行くっしょ?ねぇ?つか行かない男なんて男じゃないっしょ?」
「……其れは一理あるな…」
何やらナンパ男の言葉に「うーむ」と納得顔
を浮かべたシャーレを見てナンパ男も頷く。
「アンタが流されてどうすんのよっ」
頭にポアラの手刀に因るチョップを食らった
シャーレは首を横にブンブンと振っていた。
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