RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第六篇第二章 港町に集う者達

水の街の最高峰

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緩り緩りと歩みを進めるシェリーとレザノフ
の後ろを何だかフワフワした足取りのポアラ
と多少咳払いをして誤魔化すシャーレが追う
がロードは完全に立ち止まったまま。

其れに気付いたシェリーが振り返ると首を
傾げてロードに向かって声を掛ける。



「どうかしました?ロード様っ」


「………いや。ここなのか?今日泊まんの」


「はいっ。革命軍の方からはここだと聞いてますっ。何か不都合でも?」



ロードは軽く息を吐いてから俯くと一気に
息を吸い上げ其のホテルを指差して叫ぶ。



「いやッ、絶対ェに高ぇだろッ!!このホテルッ!!俺等の手持ちじゃ足んねぇっての…ッ!!」


「其処は御心配無く、ロード殿。革命軍が持ってくれるみたいですから」



ロードに対するレザノフの返答に何故だか
シャーレとポアラが胸を撫で下ろす。



「(や、やっぱり…そう思うよねっ…?誰も何も言わないから…言い出せなかったけど…)」


「(今回に限ってはロードの真っ直ぐな性格は強運だった…御金?足りる訳が無いであろう…こんなホテル…)」



シャーレとポアラはドキドキしていた心を
落ち着かせ様と揃って息を吐いた。



「つかよ…やっぱりシェリーはお姫様なんだなあ…こんな高そうなホテル見ても何にも慌てやしねぇ…ちゃんとした王族ってのはそういうモンなのか?」


「さあ…余り考えた事が無くてスミマセン…」


「ねぇねぇ。因みになんだけど…シェリーちゃんのバルモアのお家ってこのホテルと比べたら…もっと大きいの?」


「…そうですね…。このホテルと比べたら約十二倍程の敷地でしょうか?」



ロード達の目の前に聳えるのは六階建と高さ
は其れ程なのかもしれないがとても横に長く
庭にプール、テラス、テニスコート等が潤沢
に施設として備えられた大きなホテル。

其の十二倍とは、もはや意味が解らない。

ロード達は考えるのを諦めた様に笑う。

というか、笑うしか無かったのだ。

シェリーもシェリーで何故周りが笑ったのか
気付いておらず、不思議そうに首を傾げた。



「…これぐらい普通なのか…。シェリーみたいに…ちゃんと王族として生きて来たヤツは…」



誰の耳にも届かない程度の声で呟いたロード
は安堵の表情でシェリーとレザノフの背中を
追い掛けるシャーレとポアラを更に追う。

今夜は目の前に聳える水の街アリアアクアの
港町ラヴェンダが誇るアリアアクアの中でも
最大級のベリッシモ・パレス・ホテルでの
宿泊となり、足を踏み入れて行く。

フロントで部屋のキーを受け取ったレザノフ
は一つのキーをシェリーに渡すと女性と男性
で二つの部屋に別れる事となった。

元々広々とした部屋を取っていた事もあり
ロード達三人を追加しても男女に別ければ
泊まる事は容易という事だったが、ロードは
部屋に入り驚愕の表情を浮かべた。
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