RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第六篇第二章 港町に集う者達

港町ラヴェンダ

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森の街フォレストールと水の街アリアアクア此の二つに跨る山岳パンテ・コネーロ山の
麓にある村から約半日程を掛けてロード達は
水の街アリアアクアの中で最も美しい町と
名高い港町“ラヴェンダ”へと辿り着いた。

孤児村ピースハウスを出発してからで言えば
約三日後の出来事となった。

港町ラヴェンダは綺麗に舗装された石畳の道
が続き、其の周りにはベージュやブラウンを
基調とした落ち着いた色味の建物が並ぶ。

中世のヨーロッパを思わせる美しい町並みを
初めて目にしたロード達も驚嘆の表情に加え
ワクワクしあ顔付きで辺りを見渡す。

此の美しさには気品溢れるレザノフもロード
達の様にあんぐりと口を開けてはいない物の
流石に目を奪われたのか笑みを浮かべる。

そんなフォトジェニックな景観を損なう事は
無いであろうきっちりとした服装の紳士淑女
が多く、言わばラヴェンダは高貴な身分の人
が割合的にはとても多い街なのである。



「此れは驚きました…何と素晴らしい景観でしょう…町並みも人々もとてもエレガンス…高貴な雰囲気が伝わります…!」


「ええ…。噂には聞いていましたが此れ程とは…かつては外国との交易の窓口とされて居たのも頷ける…正しく佳景だ…」


「ポアラ様っ、綺麗な場所ですね。とても穏やかな気持ちになります。まるで心が洗われているみたいです…」


「ホント…素敵…。なんだろう…まるで宝石みたいにキラキラしてる…。あっ…でも何か背筋伸びちゃうなあ…あんまりきゃっきゃしてると目立っちゃうかも…」



町の景観をキョロキョロと眺めながら其々が
町の美しさを自身の感性で表現しているのを
ロードは一人、途中から町ではなく皆の反応
を何故か其の目で見つめていた。



「(えれがんす…?かけい…?…ん?意味がわかんねぇ…。心が洗われる…?心の洗濯なんてどうやるんだ…?それに宝石だと…?いや…どう見てもただの石だろ…これは…)」



ロードは沢山のハテナを頭の上に引っ提げて
レザノフとシャーレの言葉に首を傾げて疑問
を浮かべるとシェリーの心が洗われる発言に
は胸の心臓付近を撫でながら首を傾げポアラ
の宝石発言には遂に石畳の道の石を指の先で
恐る恐ると言った雰囲気で撫でていた。

そんなロードの奇行にも今回ばかりは誰も
気づく事すら無く港町ラヴェンダの美しい
町並みにひたすら目を奪われていた。

するとレザノフがふと今度は確りと目的が
ある様に周りの景色に目を向け始める。

するととある白い壁の建物を発見すると足を
止めて全員に解る様に指を指して見せる。



「皆さん…今日はあのホテルを取って頂いています。夜には軍の使者が尋ねて来る事になっていますので少し身体を休めましょう」


「お腹ぺこぺこですね。行きましょうっ!」



レザノフとシェリーに続いて行く中で背後に
立つロードだけが口をあんぐりと開けて動き
を止めて其の白い壁のホテルを見上げた。
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