RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
上 下
204 / 729
第六編第一章 一輪の花を巡って

堕ちて行く希望

しおりを挟む



「…此のチカラは…。ロードなのか…?」



ロードとバディットのぶつかり合いの中で
生じた大気を揺らす程のギフトの衝撃。

其れに因って吹き飛ばされたバディットは
何とか特性の硬化を持って衝撃を受け流す。

近くで其れを見ていたシャーレは冷や汗を
流しながら其の攻撃の威力を緩り緩りと脳で
理解しようとロードを見つめていた。



「…バディットの兄貴…ご無事で?」


「…ああ…。あんの赤坊主…どんどんチカラが増して行ってやがる…」



倒れ込んだバディットに駆け寄ったベニーが
上半身を持ち上げて岩場に座らせながら其の
攻撃力の脅威を語るバディットを見遣る。

ロードは多少息を切らしながら自身の攻撃が
いつも以上に上限が跳ねている事を頭と身体
で段々と理解をしつつあった。

本来なら成長を感じ、飛び跳ねるぐらいを
したい所なのだろうがロードは今一番大切な
事を忘れるワケも無く、振り返る。



「…花は貰ってく…!」



ロードはバディット達に背を向けて崖先に
咲くアユターレの花を求めて駆けて行く。

だが、其の瞬間だった。

先程の衝撃の伝播に因って岩盤が異変が生じ
て居た事でアユターレの花が咲く崖先の一帯
が無情にもロードの目の前で崩れ落ちた。



「…なッ…!?」


「…そんな…ッ」



其の光景に慌てたシャーレはロードの真横に
立つと既に花の行き先が見えなくなった崖先
の底を見つめる様に両膝を付いた。



「クソッ…アレが手に入らなきゃ…ポアラがッ…」



近くに転がって居た石ころを八つ当たりを
する様に蹴飛ばしたロードの横でシャーレは
呆然と膝から崩れ落ちていた。



「……急がねば…」


「…ッ!待てッ、シャーレ。流石に自殺行為だそれはッ!!」


「放せ、ロード。あの花は必要なんだ…採りに行かなくてはいけないんだ…!」



崖下に飛び込もうとするシャーレを何とか食
い止めようとするロードに身体を抑えられるもシャーレは飛び込む事すら厭わないという
形相で崖下へと向かう事を止めない。



「頭に血が昇りすぎだッ…ニャロウが。次を早く探しに行くぞッ…なあ?…ポアラが待ってる…!」


「…ぐっ…!」



何とか足を止めたシャーレだったが焦りと
怒り、様々な感情で頭の中が壊れてしまい
そうにもなっている様だ。

全てはポアラを救う為。

シャーレは普段の冷静さをやはり、完全に
失ってしまっている様であった。



「なあ…頼むよ。俺等にはあの花が必要なんだ…今は急いで探す事しか出来ねぇ…。見逃してくれ…もうアンタ等とやりあってる時間はねぇんだ…」


「…赤坊主…オメェ…?」


ロードの言葉にバディットとベニーは目を
丸くして顔を見合わせると何やら事情有り。

そんな風にロードの言葉から真意を読み解く
と口を開いて質問を投げ掛けた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

処理中です...