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第六編第一章 一輪の花を巡って
アユターレの花を探して
しおりを挟む「レザノフさん、シェリー。ポアラの事頼んでいいかッ!?」
「はいっ!お花よろしくお願いします!」
苦しむポアラの元にシェリーとレザノフを
残してロードとシャーレの二人はバタバタと
慌てた足取りでパンテ・コネーロ山へと其の
足を戻して行くと、高い所の崖先に咲く全て
が純白という情報だけを頼りに山岳の岩肌を
勢い良く駆け登って行く。
「手分けするかッ!?」
「いや…合流の時間が惜しい。ロード、君は左側…私は右側に目を凝らす…見落とすなよッ!?」
「任せろッ!」
ポアラが毒虫の毒にやられて倒れてからと
いうものシャーレの本気振りは中々に無い
事の様に感じてしまう。
其れは人の命が掛かっているからと言えば
其れは当然の事なのだろうが普段のシャーレ
ならば慌てず一歩引いて冷静に物事の対処に
当たるのがイメージとしては妥当な気もする
がポアラの事となっては先頭に立っている。
何か特別な感情を感じてしまうのも
無理な事では無いのかもしれない。
「おい。ロード…!」
「…合ったかッ!?」
二人が不意に足を止めてシャーレが指差した
其の視界の先の崖先にたった一輪だが純白に
咲き誇る花を見つける事に成功した。
風に揺られる其の一輪へと二人は慌てて足を
伸ばして行くと、其の一輪の姿が段々と近く
なって行くに連れて安堵感を噛み締める。
「間違いねぇな…これがアユ何たらの花だろ…」
「此れでポアラを救える…!」
二人が崖先へと向かおうと次の一歩を踏み
出した瞬間の出来事であった。
どん、と破裂する様な音が複数ロード達の耳
に届くのとほぼ同時に、足元の土の大地に鉄
の杭を撃ち込む様な激しい音が轟く。
慌てて跳躍をして背後に回避したロード達は
其の音と共に銃弾を撃ち込んで来た何者かの
立つ側へと睨み付ける様な視線を向ける。
「何しやがるッ…テメェ等はよ…!」
ロードとシャーレの視線の先に居たのは二人
よりも一つ高い岩場に立ち、ロード達を同じ
様に睨み付ける山賊の一団だった。
「何しやがるはコッチのセリフなんだわ…。オメェ等…あの花…アユターレの花を狙って来た他所者だろが…」
「ええ、ええ。間違い無いでしょうね。バディットの兄貴…アレは高く売り捌けるんで…価値が高いってのは承知の事実ですから」
「だよな。ベニー…しかも。此処は俺等の縄張りだろ…?アイツ等には…お灸を据えてやらねぇとな…」
岩場の上で声を発したのはドレッドヘアに
バンダナを巻いた無精髭のバディットと
呼ばれた男と、小柄な体格で眼鏡を付けた
鼻が高く顔の長いベニーという男。
「…悪いが…今はそんな事をしている場合では無いんだ…。君達の縄張りを荒らした事は謝る…だが、あの花は譲って貰う…!」
「好き勝手言い過ぎですよ…其処の青い君ィ…!」
小柄な体格のベニーは腰からブーメランを
手に取るとシャーレの足元に向けて身体を
捻り勢いを付けて投げ付けて来た。
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