RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第五編第三章 溢れる涙は光と成りて

涙が照らし出す希望

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「シェリー…!」



必死に言葉を紡いだシェリーの両肩に優しく
手を置いたロードが目を真っ直ぐに見つめて
緩りと口を開いて行く。



「王女だからとか…王族だからとか…戦っちゃいけねぇ訳じゃねぇ。ましてや…強くなりたいと願う事を誰も咎めたりはしねぇよ。でもな?シェリーが傷付くのはレザノフさんとかは特に見てられねぇ事なんだ…」


「ロード様…」


「だから…一緒に強くなろうぜっ?俺と…俺達と一緒によ…!」



ロードの言葉にシェリーの瞳から溢すまいと
溜め込んでいた涙が一粒、頬を伝う。

其のたった一粒がシェリーの頬に大河を映す
様に道を創り上げて行く末に、其の一雫の雨
の様な涙の一粒が頬からも溢れ行く。

そして、次の瞬間だった。

誰もが其の光景に目を奪われる事となる。

溢れ落ちた涙が桃色の光を纏って輝く。

其の輝きが示したのは王女に宿ったギフトの
チカラであり、シェリーは驚きの中、其の光
に目を見開きながら現状を理解して行く。



「もしかして、ギフトなの?シェリーちゃんのこの光…」


「光のギフトって何だっけ?なあ、シャーレ…覚えてねぇか?」


「光は“閃光のギフト”という名だった筈だ。光のギフトは初めて見たな」



ロード達三人は舞い上がる様にシェリーから
目覚めたチカラに声のトーンを跳ね上げる。

だが、其の中で当人のシェリーと後ろに立つ
レザノフ、そして慌てて近寄って来たザック
の三人は何故か、言葉を失っている。

シェリーは其の光が収まって行くと同時に
平静を取り戻して行くのだが、レザノフと
ザックに至っては何か違う反応を見せる。



「まさか…光のギフトが目覚めるなんて…やはり此の戦乱時代は変革の時を迎えて居るのでしょうか…?」


「ましてや…次代を担う若き姫が…此の敵対しているプレジアの土地でチカラを手にするとは…」



ザックとレザノフの反応にロード達は首を
傾げる様にして不思議がっていると光を纏う
閃光のギフトについてザックが話し始める。



「…すみません…慌ててしまって。説明致します…」



ザックは十種類のギフトの関係性についての
話を始めると、其の十種類の中には明確に
希少種とされる二種類があるとの事。

其の二種類とは、光である閃光のギフトと
闇である暗黒のギフトの事だと説く。

此の二種類に関しては中々発現させる者は
居ないのだが、不思議と時代の移り変わりに
合わせて其の発現者となる授与者は現れる。

そして其の時代に現れた光か闇のギフトを
顕現させた者は時代の先導者となり時代の
変革を呼び起こして来た者達となっている。

今迄の歴史を見ても其の可能性が非常に高く其れをシェリーが呼び覚ましたと言う事は、
シェリーが時代の変革者となる運命を背負う
可能性が非常に高まったと言う事なのだ。

だが、問題は此処からだった。
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