RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第五編第三章 溢れる涙は光と成りて

変革の希望

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「(……何年も此れが出来なかったから戦争は続いてるッス…此の子は失っていい子じゃ無い様に感じれるッスね…)」



サーガは心の中で呟くとほんの少しの笑顔を
見せてシェリーの其の横に佇むレザノフに
向けて会釈をするとU・Jの元へと向かう。

太陽が明るく照らす中庭でサーガは陽射しに
照らされながら此の国に一つの希望を見た。

変革の続くプレジアで其々は想いを紡ぐ。



「じゃあ、お前達…。ちゃんと修行しとけよ?めんどくせぇが…今のままじゃポックリ死ぬぞ」


「縁起悪い事平気で言いやがるぜ…だけど見とけよ?絶対ェ強くなってやるからよ…」



手のひらを拳でバシッと叩いて強く宣言した
ロードの言葉を聞いてU・Jは周りの人間に
軽く手を上げて合図しながらサーガを乗せて
四輪バギーのエンジンを掛けると森の街の
孤児村ピースハウスから離れて行った。

静かな森林地帯なせいもあり騒がしいU・J
の愛車のエンジン音は少しの間、静寂の中を
切り裂いて其々の耳に轟音をひけらかした。

そしてU・J達が去ったピースハウスでは
其々が見送りを終えて自由に動き出す。



「…つか、ザックさん。すんません…普通に中庭使っちまって…ありがとうございます…」


「構いませんよ…お気になさらず…」



ロードは真っ先にザックの元に行くと頭を
下げてお礼と謝罪を口にした。

そしてロードは何かを懐かしむ様なザックの
視線を不思議に感じていたが、其れに関して
どう言葉を紡いでいいのやら解らない。

疑問は小さく、勘違いな気もしたからだ。



「結局…覚醒ってヤツ見れず仕舞いだったねぇ…」


「ええ。あそこまで引けらかされたら期待はしてしまったというのに…。因みにレザノフさんは覚醒には至ってるのですか?」


「…覚醒ですか?ええ。もう久しく使っては居ませんけどね…」



其処に合流したロードと一緒にシャーレと
ポアラもまるで子供の様に頬を赤く染めて
興奮した様にレザノフをキラキラした瞳で
真っ直ぐ見つめ始めた。



「皆さん、可愛いですっ」


「ふふ、全くですね。姫様」



シェリーが笑顔を見せた事でシャーレは特に
表情は変えて居なかったがポアラは舌を出し
少し気恥ずかしそうにしていた。

ロードに至っては顔を真っ赤にして背中を
向けて顔を隠してしまっていた。

男は可愛いと言われるのを気恥ずかしく感じ
てしまう事は往々にして良くある事だろう。

シェリーにとってはそんな反応も可愛く
感じてしまうのだからある意味、反射の効果
を持っている事を理解してロードは真顔を
貫き通せば良いのだろうが難しいらしい。



「ロードってさ…シェリーちゃんがいると本当良く顔赤くするよねっ」


「露天風呂の猿みたいなものだろう」


「オメェ等なあッ!!」



ロードの反応を見て面白がる二人の言葉に
ロードは更に顔を赤くして文句を発した。


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