RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
上 下
182 / 882
第五編第二章 立ち上がる若き新芽

U・Jvsサーガ

しおりを挟む

「(何か忘れてる気がするッスけど…何だったッスかね?まあ…やっている内に思い出すッスよね!多分…きっと…!)」



心の中でブツブツと呟いたサーガは諦めて
武器を構えると、其の武器はとても希少性の
高い武器である双刃刀であった。

双刃刀とは、柄の部分から上下両方共に
刃が拵えられた珍しい刀であり中央に位置
する柄を軸に回転させて扱う武器である。

そして回転させた双刃刀にサーガがギフトの
オーラを力強く込めて行くとU・Jもロード
達との頃とは全く違う集中した表情で十手に
ギフトのオーラを込めて対峙する。

U・Jは濡羽色(烏羽の様な艶やかな黒)の
流水のギフトの水流を纏うと、対するサーガ
も檸檬色(明るい黄色)の迅雷のギフトを
己の双刃刀に稲妻として纏わせる。



「準備…いいッスよね?U・J…」


「おう。いつでもどうぞ?サーガ君」



両手で双刃刀を回転させていたサーガは
片手で武器を持つと片方の腕を振るって
手刀から黄色い稲妻を放つとU・Jは其れを
横に回って回避するが、サーガが蹴った
地面を這う様に稲妻が地面を襲い来る。

ほんの少し逃げ遅れたU・Jの足に掠った
稲妻の効力でU・Jの右足が止まる。

其れを見たサーガは好機とばかりに地面を
蹴って一気にU・Jとの間合いを詰める。



「…腕上げてんなあ。めんどくせぇけど麻痺ってるわ…俺の足…」


「迅雷のギフトの特性“麻痺”ッスよ…」



特性“麻痺”何らかの手段によって触れた相手
の部分的箇所を麻痺に落とし込む特性だ。



「えっ?重力全く効かなかったU・Jにギフトが効いたのっ?」


「…サーガは同じレベルなんだろ…U・Jとも…!」



U・Jの言った通り、手合わせが始まると
ロード達は食い入る様に二人の動きを目で
追いながら注視を始めて居た。



「貰ったッスよ…U・J…!」


「めんどくせぇな…麻痺ってのァ…だがよ?甘いだろ、流石によ…!」



十手を振るうと水流が起こり、サーガの
目の前を完全に盾として塞いでしまう。

其の裏でU・Jは自らの十手で其の壁を
突き刺すと縦に水流を両断する。

そして麻痺が和らいで来た右足で踏み込むと
十手を真上から振り下ろしたがサーガは背後
へと回避し其の十手を躱す。

だが、驚く事に其の十手の当たらない先で
サーガは十手に纏われた水を双刃刀で防ぐと
水と刀が高い金属音を掻き鳴らす。



「何だ?今のは…」



黒い水流を操るU・Jはサーガが防いだ水が
あたかも十手とは別の意志を持った攻撃の様
に見て取れたが同じギフトでも其の意味を
理解出来ずに居り、目を丸くする。



「今のが流水のギフトの特性“連撃”だ。俺の攻撃には…俺の意思とは別に纏われた水が勝手に動いて相手を攻撃してくれる傷圏が存在すんだ…」



特性“連撃”纏った水が攻撃範囲を自在に
拡げてくれる特性なのだが、U・Jは
シャーレに説明する様に声を発して見せた。
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

病弱な愛人の世話をしろと夫が言ってきたので逃げます

音爽(ネソウ)
恋愛
子が成せないまま結婚して5年後が過ぎた。 二人だけの人生でも良いと思い始めていた頃、夫が愛人を連れて帰ってきた……

とあるおっさんのVRMMO活動記

椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。 念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。 戦闘は生々しい表現も含みます。 のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。 また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり 一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。 また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や 無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという 事もございません。 また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

冤罪で追放した男の末路

菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

処理中です...