RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第五編第二章 立ち上がる若き新芽

修行の始まり

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「…はっ…めんどくせぇ奴等だな。ホントよ…で?弱いまんまでどうすんの…」


「テメェ…U・J…今盛り上がってる所なのに水差してんじゃねぇ…ニャロウが…!」



茶化す様に話したU・Jにイライラを浮かべ
ながら反論するロードの姿を見てU・Jは
言葉を続けて並べて行く。



「力の無ェ奴の言葉じゃアイツ等を止める術にはならねぇって言ってんの。わかるかな?ロード君…」


「だから、それでも止める術を探してやるって言ってたんだよ…」


「そんだけの想いがあんだ。だがめんどくせぇが…まだまだお前等は弱い…」



水を差し続けるU・Jの言葉に段々とロード
だけでなくシャーレとポアラもイライラを
募らせ始めるとU・Jはニヤリと笑う。



「つー訳で。強くなれ…。想いを貫きてぇならな…少しは磨いて来たんだろ?見せてみやがれ…めんどくせぇけどな…」



そう言うと立ち上がったU・Jを見て三人が
顔を見合わせた後U・Jに目線を戻す。



「…は?それって…!」


「三人纏めて相手してやるっつってんだよ…俺の気が変わるのは早ェぞ…?」


「…素直じゃないなあ…U・Jって。アタシ本当に空気読めて無いのかと思ったよ」


「実は私も…。此の人が実は優しいのを知っている筈だったのにさ…」



ポアラとシャーレの言葉にU・Jはほんの
少しだけ照れ臭そうにするが其の表情は
見せずに真っ直ぐ中庭へと歩き出して行く。



「おしっ…何かよ…やる気出てきたぜ」


「三人共頑張って下さいね。やはり…若さとは素晴らしい物だ…」



レザノフに激励された三人は笑顔を弾けさせ
U・Jの向かった中庭へと向かって行く。



「(皆様…どんどん気持ちも強くなって行ってますね…私はこのまま護られるだけになってしまうのでしょうか…)」



シェリーは一人、言葉にすら出来ない焦りと
悩みを抱えており、暗い表情を浮かべた。

レザノフは優しくシェリーの肩にポンと手を
置くと心配そうに姫の姿を慮って居た。

そして中庭に向かった三人の目の前には
長い十手を構えたU・Jが既に戦闘体勢に。

首の骨を鳴らして三人を威圧する。



「本当に纏めてやんのか?U・J」


「バカだな…ロード君は。三人相手でも片手間で勝てるよ…めんどくせぇけどな…」


「アタシ達もギフトを得て強くなってるんだよっ?」


「少し舐め過ぎでは無いのか?U・J」



其の言葉を聞いたU・Jは高笑いをする。



「そうそう…三人ともギフト全開で向かって来な。俺はギフト使わねぇからさ…!」


「ニャロウ…!」



余りにも舐めた態度が過ぎるU・Jを見て
やはり単に水を差してただけなんじゃ無いか
と勘繰る三人は乗せられた様に怒る。

武器を構え、シャーレが青い流水のチカラを
ポアラが翠の大地のチカラを、そしてロード
が真紅の業火のチカラをオーラとして纏うと
欠伸を繰り返すU・Jに向けて圧を飛ばす。

ロード・シャーレ・ポアラの三人を相手に
ハンデ付きのU・Jという修行が始まる。



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