RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第五編第一章 反乱と革命の序章

此の国が秘める大きな希望

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「やっぱ…話聞いてたらなおさらだ…。アイツ等が殺し合う必要はねぇよ…」



ロードの言葉にブラッド以外の人間全てが
頷くと、目を見合わせて会話を始める。



「もしだよ…?誰かが友達の命を奪っちゃったらそれこそ戻ってこれなくなるかも…」


「知り合って見て解る…彼等は優しい…。エルヴィスとアドリーは会えていないが…ロードが言うんだ…間違い無いだろう…」



ポアラとシャーレが同調し話を進める。



「ノア様やティア様はいつだって…反乱軍のお話をする時は表情が哀しげでした…」


「彼等の様な若き新芽達が此の様な…。戦争とはやはり恐ろしい魔力を持っていると改めて実感させられます…」



シェリーとレザノフも此れに続く様に話すと
ザックも想いが伝わった事を安堵するが
此の中で唯一話に納得の行かない男が居た。



「なあ…可哀想っつう話だってのはわかったがよ…どうするつもりだ?めんどくせぇけどよ…戦争は今や当たり前の物になってんだ…口で言って解り合える奴等ならこんな大事になってねぇんだぜ…?」



U・Jの発した言葉は今の世の真理。

残念だが、此れが真実だと言う事は誰もが
理解をしなければいけない事なのだ。



「確かに…そうだよね…でも…どうしたらいいんだろう…?」



ポアラの言葉で改めて黙り込む其の場の中で
唯一、ロードだけがハテナを浮かべて居た。



「ロード様…どうかしましたか?」


「…ん?ああ…」



シェリーの問い掛けにロードは改めて
U・Jに向けて言葉を発しようと向き直る。



「なあ…U・J。そうやって簡単に諦めるから…何も変わらないんじゃねぇか…?」


「お得意の綺麗事か…?ロード君よ」


「ああ…そうかもな。だがよ…どんなに綺麗事と言われようが絵空事だって笑われようがな…俺は…やる前から何もしねぇで座って諦められる程…大人じゃねぇんだよ…!」



ロードの真っ直ぐな言葉U・Jはサングラス
の奥で其の目を大きく見開いていた。



「ふふ…ロードらしさ全開だな。だが勘違いするな、ロード。“俺は”じゃない…“俺達は”だ。除け者にするなよ…仲間だろ」


「ちゃんとアタシも入ってるんでしょうねぇ…“俺達”の中にはさ…」


「私達も其の為に此の国に来たんです…御助力させて下さい。ロード殿…シャーレ殿…ポアラ殿…」


「…私が両国を繋ぐ架け橋になるんです…例え難しくても弱音は吐いていられません…頑張りますっ!!」


「みんな…!」



ロードの前向きな言葉に想いは同調する。



「(此の国はまだ…大きな希望を秘めています…必ず此の国は変われますよ、ねぇ?国王様…!)」



ザックは意味深な言葉を心の内で呟く。

そして盛り上がるロード達を横目に優しい
笑みを浮かべて其の場を立ち、背を向けると
ボロボロと涙を流して一度離れて行った。

そして、U・Jだけが其れに気付き笑みを
浮かべると何かを閃いた様に立ち上がる。
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