RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第五編第一章 反乱と革命の序章

次世代達が過ごした孤児院

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「…ん?何だ、何か顔に付いてっか?」



ザックの視線に気付いたロードは口の周りに
手を回して何か付いて居ないかをソワソワと
動き始めるとザックが笑みを浮かべる。



「おや、スミマセン。いえね、良い食べっぷりだと思いまして…ついつい、見てしまいました…」


「ロードはがっつき過ぎなんだよっ」


「急いで食べて喉に詰まらせたらいけませんよ、ロード殿」


「もう少し優雅にな、ロード」


「ロード様ってば可愛いですっ」


「お子ちゃまロード君はクッキーに目が無いからしゃあねぇよな…」



此処ぞとばかりに全員の注目を集めたロード
の食べっぷりを見て様々な言葉が飛び交うと
ロードは顔を真っ赤にして立ち上がる。



「ああッ!!全員で喋り過ぎなんだよ…混乱するだろうがッ!」


「また顔真っ赤、だからお子ちゃまって言われるんだぞー?」


「るせぇぞ!ポアラッ!」



孤児村ピースハウスのリビングに笑い声が
飛び交うとザックもまた笑みを浮かべる。

すると、シェリーが棚の上にあった写真立て
に目を奪われ其処に写る子供達の中に何やら
見覚えがある人を発見する。



「アレって…はわわわわわっ!!もしかして此の女の子…ティア様ではありませんかっ?」



シェリーの言葉にザックとU・J、レザノフ
の大人組以外がぞろぞろと写真立ての前に
民族大移動を始め、写真を覗き込む。

するとザックが緩りと立ち上がり一冊の
アルバムに手を掛けると皆を、またソファ
に座る様に声を掛けると口を開く。



「シェリーさんにレザノフさんは今は革命軍にお世話になっているので知っているんですね…ティア達の事を」



ザックの言葉にレザノフとシェリーは驚き
黙り込んだのは其れが一般には知られて
いない事だからだが直ぐにU・Jが安心を
させようと口を挟んで話し始めた。



「心配すんな、此の人はそういう人じゃねぇが…色々な情報を持ってんだ…まあ肩の力抜けよ」



U・Jの言葉に胸を撫で下ろした二人は
安堵の表情を浮かべて落ち着きを取り戻す。

するとザックは笑顔のまま、アルバムの
とある一ページを開いてテーブルの中央に
差し出すとロード達はアルバムを覗き込む。



「コイツ等って…」


「面影あるなあ…これってノアだよね」


「今と違ってだいぶ、おどおどしている様に見えるな」



其れは十五年も前のとある集合写真。

ロード達が覗き込んだ写真には少年少女時代
のノア、エルヴィス、ティア、アドリー。

仲睦まじい四人が笑顔で写る写真だった。

ザック曰く此の四人は同い年で当時はとても
仲が良くほぼずっと一緒にいたそうだ。

今も親友だとどんなに言葉を尽くされたと
しても考え付かなかった彼等の友人関係だが
其の頃は間違い無く彼等は親友に見える。



「なあ、ザックさん。俺達、縁あってコイツ等と知り合った…今日はコイツ等に昔何があったか聞きに来たんだ…」


「私もです…良ければ話しては下さいませんか?」



神妙な顔付きでロードとシェリーがザックに
尋ねるとザックは一度瞳を閉じた。
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