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第五編第一章 反乱と革命の序章
孤児村ピースハウス
しおりを挟む談笑を交えて会話をしていた五人の元に
近寄って来たU・Jから声が掛かる。
「働けっての、お前等ァ…って、ん?何でお姫様達まで居るんだ??」
「此れはU・J少将…あの時は救って頂いたにも関わらず倒れたまま御礼すら言えずに申し訳ありませんでした…」
U・Jの前で深々とお辞儀をしたレザノフ。
話は光の街セイントピアでの出来事。
反乱軍副長ウィルフィンの襲撃に遭った夜
絶体絶命のピンチを救ったのはU・J。
其の夜、レザノフはウィルフィンとの戦闘で
負った傷が余りにも深く意識を失った為に
挨拶が出来て居なかったのだ。
レザノフのお辞儀に合わせてシェリーも横で
深々と腰を曲げて頭を下げていた。
「(優しそうなヤツ等だ…政府も含めて国が違うってだけで…目の敵にしてっけど…そんな悪党にはやっぱり見えねぇわな…)」
U・Jはふと心の中で呟く。
直ぐに我に帰ったU・Jは頭を上げてくれと
ほんの少しタジタジした表情で話した。
するとそんな折だった。
施設の扉を開けて白髪の男が姿を見せる。
長身に長髪で薄手のカーディガンを羽織り
首元にストールを巻いた其の男は倉庫の物資
と庭先に集まった人々を見て驚く。
「おや、客人がこんなにも。其れにU・J…またこんなに持って来てくれて…」
右目の下のホクロが動く様に目をパチクリ
させながら歩み寄り口を開いた。
「お、居た居た。どうも、ザックさん」
「いつも悪いね…気を遣って貰って」
此の男の名はザック・トニーキース。
此の孤児村ピースハウスでの従事に勤しむ事
早二十年以上で現在は此処の管理者である。
U・Jとは五年程の仲でとある事情から
知り合い孤児達の為に何か出来ないかと
度々此の様に支援物資を持って訪れるのが
U・Jにとっての通例となっていた。
「それにしてもU・J…此方の方々は?」
「ああ。…えーっと…んーっと……俺の…愉快な仲間達だ…」
「説明、雑かッ!!」
「思い切りはしょったな。U・J」
「あはは…めんどくさいとか思ってそう」
考え抜いた末に何の説明にもなっていない
言葉を言い放ったU・Jにツッコミや呆れ
半分の言葉が飛び交う孤児村の中庭。
「おや…。伝わりにくいですがU・J、君の御仲間なら歓迎致しますよ」
ザックに中へと案内された六人は孤児村
ピースハウスの施設内の大きなリビング
へと足を運んで行く。
ザック曰く本来此処で過ごしている筈の
戦争孤児達はたまたま近隣施設との触れ合い
目的で夕方まで帰って来ないらしい。
暇を持て余して居たとリビングのソファに
座る来客者達にお菓子と飲み物を振る舞う。
「どうぞ、お口に合えば嬉しいのですが」
「ありがてぇ、頂きますっ!」
真っ先に手を伸ばしたロードを皮切りに
其々が振る舞われた菓子に手を伸ばす。
ザックはソファに腰掛けると何かを
思い出す様にロードの姿に目を向けて居た。
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