RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
上 下
160 / 729
第四編第三章 親を探す最大の手掛かり

長い一日を終えて

しおりを挟む


ロードは一人、合流場所となる駅前へと
とぼとぼと足を向けて歩いていた。

町は既に夜闇に包まれ町の建物は何処も
明かりが付いており昼間とは姿を変えた。

疲れ切ったロードに一人の男から声が飛ぶ。



「…お?ロード君じゃねぇか。なんかめちゃくちゃ落ち込んでんなあ…」


「…ん?え…U・J…??」



ロードに声を掛けたのはどう見ても目立つ
バリバリのコーンロウの男、U・J。

始まりの街の守護将官が何故此処に。

ロードは疑問のハテナを頭に浮かべた。



「何やってんだロード君。しかも一人でよ」


「仲間と今から合流すんだよ…つかアンタこそこんな所で何を…」


「ちょっと寄り道だよ、行く所があるんだが中々に遠くてな。其処のマーケットで腹拵えだ」



駅前の通りにド派手な四輪バギーを止めて
其のボンネットに腰掛けて食事を取るU・J
を見ていたロードの元にまた別の二人が
笑みを浮かべながら駆け寄って来る。



「あ、ロード!無事だったんだね、アンタ…良かったあ…」


「ポアラ…一言怒ってやるのではなかったか?」


「…ッ…シャーレ!ポアラ…!」



ロードの元に手を振りながら駆け寄って来た
シャーレとポアラを見てロードは漸く疲弊
していた表情に笑顔を取り戻した。

勝手に飛び出して行ったロードを本来なら
一喝すると息巻いて居たポアラも無事に
生きていたロードを見てそんな気は失せて
おり目に涙を溜め込んでいる。

其の姿を見たシャーレは優しく微笑んだ。

三人にとってはとても、長い一日。

砂の街での出来事が終わりを迎えたのだ。



「あれ?U・Jがいる…なんで…?」


「おう。お前等も久しぶりだなあ。たまたま其処であっただけよ」


「…良く会うな。…不思議と…」



始まりの街で出逢い、旅をして来た中で
風の街以外では遭遇しているU・Jに
シャーレはほんの少し苦笑いを浮かべた。



「俺はちょっと用事で知り合いのやってる孤児院に差し入れをな…」



U・Jが親指を向けたバギーの後ろには
大量の段ボールが縄で厳重に括られて居た。

そしてU・Jの口から其の孤児院について
衝撃の言葉が発せられる事となる。

何と其処は反乱軍エルヴィス、革命軍ノアが
幼少を過ごしたという孤児院だと言うのだ。

名は、孤児村みなしごむらピースハウス。



「…マジかよ…」



ロードの反応を見たシャーレとポアラは
顔を見合わせて笑みを浮かべると口を開く。



「U・J…場所を教えてくれないか?」


「アタシ達も次はそこに向かおうと思うの。ね?ロード。気になるんでしょ…彼等が過ごした其の場所が」


「…お前等…たくっ…気遣いやがって…」


「…なら乗ってけ。四人乗りで良かったな…俺の愛車のバギーがよ…」



U・Jの言葉に三人は笑顔を見せて愛車の
バギーへと続々と乗り込んで行く。

次の目的地は偶然出会ったU・Jに依って
開かれた場所、森の街フォレストールに
ある孤児村ピースハウス。

其処は反乱軍と革命軍双方の総長と大幹部
達が過ごし運命の序曲となった場所だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

処理中です...