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第四編第三章 親を探す最大の手掛かり
ヘヴンリーの名
しおりを挟む「あァ!?ランスってヤツは何処だァ…シャバ僧…」
「…裏帝軍のスネイクって奴と戦った後…居なくなっちまった…覚醒とかいうモン見せつけられて足が竦んじまってよ…済まねぇ…」
ロードは合流したガルダにそう咄嗟に言葉に
嘘は無いのだが肝心な事を隠し伝える。
ガルダに背を向けて居たロードは肩を
落としたまま振り返り出口へとぼとぼ
歩き出して行くとガルダが口を開く。
「何をマジで凹んでやがんだ、シャバ僧がァ…!」
「ああ、悪い…」
表情を一つ変えずに言い放ったロードの
言葉にガルダが立ち止まって固まる。
「(ぐぬぬぬ…何かブルーじゃねぇか…俺様…こういうの苦手だぜェ…!)」
何やら察したガルダはさっきまでの威勢は
どこへやらロードの横に立つと恐る恐る
肩を叩いて引き攣った笑顔を見せる。
「ま、まあアレだな…人生山あり谷あり…崖にすってんころりーんってよ…」
「気ィ使って貰ってありがとな。ガルダ…でも大丈夫だ…悪い…!」
「お、おう。…つか俺様が気なんか使う訳ねーだろがッ!マジでよっ!」
「なんか顔赤いぜっ?」
「あァ!?舐めてんのかァ、そんなもん只の見間違いだコノヤローッ!!」
ほんの少し垣間見えたロードの笑顔を見て
ガルダはホッと胸を撫で下ろして居た。
意外と気遣いの出来る男な様だ。
見た目と違って。
そして二人はマムナック遺跡に気付けば
辿り着いて居たガルダの行動隊の隊士達と
共に砂の街のルイソールへと戻って行く。
そしてその頃、ルイソールの外れにある
アジトから既に其の場を離れたエルヴィスに
向けてウィルフィンが無線で報告をする。
「ああ。調べさせたのだが情報が無いんだ。そもそも“ヘヴンリー”という名が見つからなかった事が最大の難点だな…」
「…ヘヴンリーか…確かに訊いた事の無い名前だよな…一族皆殺しか…はたまた偽名か…それとも…此の国の人間ですら無ェのか…」
「ロードからランスに繋がる何かが見えるかと思ったが一応は空振りだった。だが、調べは進めよう…また報告する…」
「…まあ…片手間でいいぜ。本来のやるべき事を優先してくれていい…」
「わかった…!」
そう言い残すとウィルフィンは無線を切る。
そしてランスとロードの関係を探る内に
垣間見えた“ヘヴンリー”という性の謎。
ウィルフィンは疲れた様にソファに座り込む
と差し出された紅茶に口をつけた。
すると其れと同時にガルダからランス捕縛
失敗の報告が無線に流れると失敗続きの
最近を憂いて額に手を当てて俯く。
「中々…上手くは行かぬか。まあ…此れだけ心情が揺れていたら上手く行く道理は無いのかもしれんな…」
ウィルフィンは一時の安らぎを得ようと
目を瞑り、ソファに背をもたれかけた。
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