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第四編第三章 親を探す最大の手掛かり
荒鷲が行く
しおりを挟む「おうおうポリ公め、こっち見てやがんぜオイ…シャバ僧…テメェ…ランスとか言うオッサンを追えェ…!」
瓢箪から恐らくお酒だろう液体を目の前で
ガブガブと飲みながら近寄る帝国軍の男を
見てニヤリと笑うガルダが言い放つ。
「アンタは…?」
「舐められてんだろ…目の前で酒盛りかましやがってよォ…上等すんなら容赦しねぇよ俺様はァ!!」
「…わかった…!」
ガルダが瓢箪をもった帝国軍の男を前に
立ちはだかるとロードはまた岩陰から隠れて
マムナック遺跡の中へと侵入を試みる。
すると近寄って来ていた帝国軍の男は瓢箪に
入れられた酒をガブガブと飲みながら顔を
真っ赤にして立ち止まると笑みを浮かべる。
「……ヒック…ああ。反乱軍幹部のガルダだねェアンタは…」
小紫色の羽織の下に黒い着物と赤い帯。
手に持った酒入り瓢箪と顔の横に付けられた
角が付いた赤い鬼の仮面をした中年の男。
「あァ!?俺様の事知ってんだなァ…!」
「…ヒック…そりゃあそうさね。アンタみたいな目立つ男を忘れる様じゃあ帝国軍の将官の立場は担えないってモンよ…うぃ~…」
「酒盛りしながら偉く余裕ぶるじゃねぇかあ…舐めやがって…あァ!?」
ガルダは背中にX状に差していた二本の
鉄パイプを手に取ると戦闘体勢に入る。
「おお…怖いねェ…ヒック…。しかしあっしもやる事が無くて暇なんだよォ…ほんのお愉しみと行こうかねェ…帝国軍少将オーズ・サーヴェントさァ…うぃ~」
帝国軍少将と名乗ったオーズも背中に斜めの
向きで所持していた棘付きの鈍器、メイスを
ふらつく足取りで持つと構える。
ニヤリと笑ったガルダは鉄パイプ二本ともを
砂漠の大地に振り下ろすと鉄パイプを砂漠に
引きずりながら猛突進を仕掛けて行く。
更にガルダは身体に疾風のギフトを纏い
刈安色(薄い緑味の黄色)のオーラを発現させ
オーズに向かって二本の鉄パイプを勢い良く
斜めから力強く振り下ろす。
するとオーズもまた大地のギフトを解放。
枯葉色(枯葉の様な黄いろ味の茶色)のオーラ
をメイスに纏わせて其の攻撃に応戦。
二種類のギフトが交わり重い鈍器同士の
音が砂漠に響き渡るとオーズは片足を鳴らし
砂漠の大地に振動を引き起こす。
其れは大地のギフトの特性“振動”のチカラ。
勢いが増すオーズの攻撃に怯む事も無く
ガルダは巻き上がる刈安色の風と共に
鉄パイプを持つ手に力を注ぎ込む。
「俺様はァ反乱軍の特攻隊長…ブッコミこそ俺様の人生そのものォ!!逃げるとかねェんでそこんとこ夜露死苦ゥゥゥゥ!!!!」
響き渡る刈安色の風がガルダの強い言葉に
当てられてオーズの身体の至る所に傷を
負わせ始めており、其れをみたオーズが
一度距離を取る為に背後へと跳ぶ。
此のチカラは疾風のギフトの特性の一つ
“裂傷”自身が起こす風の中の居る相手に
ジワジワと追加攻撃を当てがう特性だ。
「あァ!?退きやがったなテメェ…ド正面からド突き合おうぜ。荒鷲ガルダ・ステンローザ様とよォ!!!!」
砂漠にガルダの叫びが木霊する。
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