122 / 729
第三編第三章 ロジャーズグリフの戦い
撤退戦へ変化する戦場
しおりを挟む「お、襲われ損じゃねぇか?なあ、オイ!」
不満を遂に口にしたロードに無言で
ツカツカと歩み寄って来たアレンがロードの
眉間に人差し指を突き立てて口を開く。
「だったら疑われる様な単独行動ばかりしない事だ…アンタの身から出た錆だよな?」
「お、おう…それはスマン…」
呆れた様に溜息を吐いて離れたアレンの
耳に無線からとある情報が流れて来る。
其れを黙って聞き終わったアレンはさっと
素早く振り返るとロードに向けて指示する。
「オイ、アンタ。ノアさん達は無事に退避が完了した…此処の革命軍に繋がる情報は全て消してあるから、此処のアジトは捨てる…交戦中の味方を援護して俺達も抜けるぞ」
「…おっ!アイツ等無事なんだな…!」
味方の無事を確認出来たロードは安堵の
表情を浮かべてホッと息を吐く。
「波動同士がぶつかってる所ぐらい気配の察知出来るだろ?手伝ってくれよ」
「おお、任せろ!」
二人は別れて交戦中の味方を探して走る。
だが、アレンは一つ思い違いをしてしまう。
「(そういやアイツ…誰が味方の波動かなんて…わかんないよな…まあ、上手い事誰かと遭遇してくれ…)」
波動のコントロールがまだ身に付いてない
上に革命軍との付き合いも短いロードが
気配察知という上級難易度をこなすのが
無理な事を別れてから思い付く。
アレンの不安は綺麗に的中する。
「こっちにデカい波動のぶつかり合いがある、直ぐに援けに行くぜっ!」
ロードはそのままアジトを飛び出して行く。
殿に残った革命軍は四人。
アジト内で戦うティア、ウォッカ、ヴィスタ
其れに救援として共に走り出したアレンは
勿論だが、アジト内に居るのだ。
ロードは何処に向かって行ったのか。
ロードの行く先には二人の男が居た。
だが、一人は傷を負い膝を付いて居る。
「そんなものか…まるで美しく無いな…」
息を切らし膝を着いた紺色の髪の男の前で
癖毛が特徴の金髪の男が冷たく言い放つ。
首周りに鳥の羽根を模したファーを巻いて
小紫色の羽織の下に高貴な白いスーツを
纏う其の男は、帝国軍中将ヨハネ。
上級貴族ヒューストン家の現当主にして
其の剣の才覚一つで中将の位を手にした男。
「もう諦めるといい。反乱軍副長といえど我の前では所詮は醜くもがく事しか出来ぬ」
「自惚れるな…そんな煽り一つで俺が死を待つだけの道理は無い…!」
ふらつく足に力を込めて何とか立ち上がった
のは光の街にてシェリー・ノスタルジアの
暗殺を試みた男、反乱軍副長ウィルフィン。
目の前のヨハネを睨みつける様に暗闇で
ウィルフィンの右眼が鋭く光る。
「醜い…我の武の美しさとは遠く離れた者の様だな…ウィルフィン・フィンドールよ」
「せいぜい余裕をかましている事だ…帝国軍中将ヨハネ・ヒューストン…」
ウィルフィンが力を振り絞り握った刀に
漆黒(漆が塗られた様な光沢ある黒)の風を
纏わせてヨハネを鋭く睨み付ける。
60
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる