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第三編第三章 ロジャーズグリフの戦い
反乱軍幹部アドラスvs革命軍幹部ウォッカ
しおりを挟む「ロックに行くぜッ?アドラスよォ」
ウォッカは頭上で旋回させた鉄球に鎖が
繋がった武器、モーニングスターにギフトの
チカラを灯すと鉄球が紫色のオーラを纏う。
其れをアドラス目掛けて思い切り踏み込み
投げ飛ばすとアドラスは巨大な斧で防ぐ。
弾く様に防いだ鉄球が突如として紫色の
炎を噴き上げて爆発を引き起こした。
「クソがッ…業火のギフトの特性“爆破”か…!」
「おうよッ!特性“爆破”によって俺っちの攻撃は誘爆するって仕掛けよッ!ロックだろッ!?」
爆破の衝撃によって右腕から血を流した
アドラスは何の意味も無いとばかりに
無表情を貫いて、足場を蹴る。
するとアドラスも対抗する様に身体に
玄色(黒と茶色を混ぜた様な色)のオーラを
纏って、巨大な斧を振り上げる。
「俺っち程の漢でも…大地のギフトの特性“重力”に掛けるたぁ…やるじゃねぇのよ…」
「何じゃ…儂はテメェのタマ獲りに来てんぞ…お祭り気分が抜けねぇなッ!?」
「いいじゃねぇの…流石は俺っちの生涯のライバル…猛牛の異名を獲るロックな漢だぜェ!!」
大地のギフトの特性“重力”のチカラで
身体とみしみしと本来の動きを抑えられ
ながらもウォッカは鉄球を引き斧の攻撃を
直接、防御するとゼロ距離で爆破が起こる。
爆風に押されて距離を取った二人は多少の
傷を残しながらもまるで、動じていない。
ウォッカは此の戦いを愉しむとばかりに
口角を最大限に上げて笑みを浮かべた。
対するアドラスは口元を真一文字にきゅっと
結んだまま、威圧感のある睨みを効かせる。
「…テメェの其のふざけた性格が儂ァ気に食わんでさっさとタマ獲ったれと思うとったわ…じゃが気付けば二十年程の付き合いになったんじゃな」
戦いの緊張感は全く解けて居ない中で
アドラスがふと感慨深そうに語り始める。
「おうよ…お互いの名前を聞き始めたのがそんぐらいでよォ…漢同士…味方になる事は無かったが此処まで生き抜いて来たってモンだなァ…」
アドラスの言葉に呼応する様にウォッカも
昔を懐かしみながら思い返す様に口を開く。
「儂の此の命が尽き果てる時に…必ずテメェのタマを獲ったっつう金看板を掲げてあの世に逝ってやるよ…元犀騒一家総長犀角ウォッカ・スパーナァァァァ!!」
「ロックな気迫だが…そいつァ俺っちが叶えるモンなのよォ…元牛鬼組組長猛牛アドラス・ホーキンスゥゥ!!」
其の場がまるでビリビリと痺れて行く様な
気迫とギフトのオーラのぶつかり合いの中
かつては、プレジアの裏社会を束ねて居た
二人の大物ヤクザが空中へと跳ぶ。
そして大地のギフトを纏った重たい一撃と
業火のギフトの特性“爆破”によって加速した
ウォッカの鉄球の一撃が空中で火花を上げて
ぶつかり合い、大きな誘爆を起こした。
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