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第三編第三章 ロジャーズグリフの戦い
生きる約束
しおりを挟む「ロード兄ちゃん…ッ!?」
ロードの声に気付いたロニーとゲイツが
立ち止まると追い付いたロードは膝に
手を当てて荒れた息を整えて行く。
「なんじゃ、慌てて…!」
「はぁはぁ…二人とも…取り敢えず俺を信じてこっから逃げてくれ…この近くで戦いが起こる…被害がここまで出るかもしんねぇんだ…!」
ロードの言葉に衝撃を受ける二人。
そして、ロードが息を整えて背中を
向けてまたアジトへ戻ろうとする。
「…ちょっと待って、ロード兄ちゃんッ!!」
「…どうした?ロニー」
「兄ちゃんも其の戦いに参加するの…?」
「わかんねぇ。でも遭遇しちまったらやらなきゃなんねぇ場合もあるな」
ロニーは何か心配そうな表情で俯くと
沈黙の後、顔を上げて口を開く。
「ロード兄ちゃんは死んじゃダメだよッ!?」
「…ッ!…へへっ、わかってるよ。心配すんな、ロニー。俺は死なねぇ。そう自分を奮い立たせて生きるって決めたからなッ」
ロニーの言葉に満面の笑みを見せた
ロードを見てロニーとゲイツも表情を
明るくさせて、微笑む。
「じゃあ行くぜッ?また会おうな…!」
ロードは背中越しに手を上げて挨拶を
済ませるとまた密林の中へと駆けて行く。
「此れから危ない目に自分が合うかもしれんのに…。儂等を心配して来てくれたのか…やっぱりエエ男じゃの…なあロニー!」
「…うん!」
二人は顔を見合わせて微笑むと背中が
見えなくなるまで一人のヒーローの見送る。
そして、ロードが近隣の里に着いた頃と
時を同じくして、密林内にあるアジトの
複数ある入り口の内、二つが破られて居た。
アジト内では其の動きを察知して殿として
残った四人が配置を分けて、動き出す。
アレンはノア達が退却に使った通路の前を
誰も通さない様に守護する事になり他の
三人は其々破られた入り口に向けて走り
侵入者を撃退する為に進んで行く。
そして、二人の男がアジト内で出逢う。
「何じゃ…テメェも居たのか…!」
「おうおう、お前さんの顔を見るのは久方振りだなあ…変わらずロックな漢だぜ…俺っちの次によう…」
「ロックの意味は昔からわからんが…テメェの下にされるのは気に食わん…其のケジメきっちり付けてやる…ッ!」
邂逅したのはアドラスとウォッカ。
二人が反乱軍と革命軍に別れたのも
定められた運命だったのかもしれない。
ウォッカはプレジア西部の犀騒一家として
アドラスはプレジア東部の牛鬼組として
互いに東西の裏社会を仕切って来た大物。
年齢も同じ、東西を仕切り始めたのも
同じ歳、二人はかつてから比べられて来た。
そして今や若き勢力として台頭して来た
両軍の幹部、二人の激突は避けられない。
アドラスが斧、ウォッカがモーニングスター
を構えて激しい睨み合いを繰り広げた。
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