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第三篇第一章 革命家との邂逅
危殆の伝言
しおりを挟む「ロード…君、どこに行ってたんだ?」
「しかも…アンタ怪我してるじゃん、何してたの…?」
「悪い…はあはあ…今はそんな事より。ノア…町の外に反乱軍が居た…ギルドって奴とアドリーってやつだ…」
息を切らして膝に手を置きながらロードは
何とか顔を上げてノアに言葉を伝える。
「…幹部クラスだな…動きが読まれていた。大所帯での移動はそれなりのリスクは承知していたが…」
「…アドリーまで…ノア…此処から今直ぐに移動しましょう…」
「ああ。そうだな…皆の者聞いてくれ。今夜の暗闇に紛れてアジトへと戻る予定だったが、緊急事態だ…今直ぐにアジトへ戻る」
ノアの言葉に二階に詰めていた人間達が
バタバタと準備を始めると空気が変わる。
「ヘイ!ノア…エマージェンシーだし、プリンセスを馬車で移動させるのはちょっとデンジャーじゃないかい?」
「ああ。そうだな…」
「バルモアのメンバーを連れてミーが馬車に乗り込んで先に行くよ、デコイとして」
ヴィスタの提案に頷いたノアの了解を
確認したヴィスタは一足先にレザノフと
バルモア護衛軍を連れて下へと降りる。
「シェリー様…わたくし達と歩きになりますが、大丈夫ですか?」
「は、はい…」
ティアから声を掛けられて此の緊急事態に
不安を隠せないシェリーを、見てポアラが
近付くと頭を撫でながら笑顔を見せる。
「大丈夫…みんなが護るし…疲れたらロードがおぶってくれるからっ」
「お、大役だな。ロード」
「うおしっ!!……って、え!?」
顔を赤らめておんぶという行為に
恥ずかしさを露わにするロード。
「だ、大丈夫ですっ!皆様にご迷惑はお掛けしませんからっ」
ぐっと拳に力を込めたシェリーを見て
何故かシャーレはニヤニヤと笑い出す。
「其処は、おんぶしてと言われた方が嬉しかっただろう?ロード」
「緊急事態だって言ってんだろ…?テメェは…ッ!!」
小声でロードに怒られたシャーレの
ニヤケ面は治って居なかったがノアが
窓の外を馬車が通ったのを確認すると
準備を急かして急がせる。
「…ティア…アジトに居る幹部に指揮を取らせてアジト周辺を見張らせて欲しい。…途中で進路変更する可能性も考えなくては…」
「ええ。アジトに連絡を入れますわ」
ノアからの依頼を受けてティアがアジト
周辺の守りを固める陣営を指示した。
其れを終えるとノアに続き残りのメンバー
達は黒い外套を全員が着用すると酒場を
後にして、アジトへと向かう。
「連絡は逐一、して貰いますわ。アジト周辺、団員達の展開完了」
「よし。では狼狽えず行くぞ。行き先は風の街の我等がアジト…“ロジャーズグリフ”…ッ!」
ノアの号令と共にロード達はシェリーの
身の安全を護る為に風の街の革命軍のアジト
“ロジャーズグリフ”へと向かう。
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