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第三篇第一章 革命家との邂逅
流浪人vs刀狩り
しおりを挟む太刀を肩に乗せて荒々しく駆け込んで来ると
余計に肩に掛けた羽織が揺れて反乱軍特有の
漆黒の団服が目に入りロードは確信する。
ロードの手前で片手で振り下ろされた
太刀を両手で握った刀で受け止め、表情を
強張らせて其の大男のニヤケ面を睨む。
すると、其の大男がロードを見下ろし
太刀と刀を鍔迫り合いさせたまま口を開く。
「反乱軍幹部ギルド・ラーケイドだ…よろしくな」
「何を宜しくすんだよ。ニャロウが…」
「おら、お前も名乗れよ?赤髪ッ」
「…ロードってんだ。お遊びは終いにさせて貰うぜッ!」
ロードの刀に業火のギフトが灯される。
真紅の炎を纏った刀でギルドの太刀を
押し返そうと、足を踏み込む。
しかし、ギルドに紫色のオーラの様な
物が纏われた瞬間、一気に太刀が重くなる。
「ぐっ…これはただの力業じゃねぇな?…これもギフトの力か…!」
「ああ、俺の授かったギフトは“大地”…重いだろうが…俺の太刀はよォ…」
ロードは直感的に察する。
レザノフが言っていたギフト其々の特異な
チカラの中身、おそらく大地のギフトには
重さを変換させるチカラがある。
ロードは足が重さにやられて地面に
減り込んで行くのを感じて、くるりと
身体を捻り、脇へと避ける。
其の最中にとある事象を思い出す。
シャーレと共にアドラスと戦った時の事を。
アドラスを前にして動かなかった身体。
其れは足が恐怖で竦んでいたのではなく
此のチカラだったのではないか。
其れを考えた結果、此のギルドの戦いで
動く身体を実感し、笑みを浮かべる。
「…少しは強くなったんじゃねぇか?へへっ…行くぜッ!」
ロードは捻り切った身体を更に回転させて
宙へと舞うと、空中からギルドの首元に
回し蹴りを放つが、其の攻撃は片手で
防がれ、身体ごと吹き飛ばされてしまう。
空中で受け身が取れない状態に脳が
活性化しているのを感じたロードは無心で
背後に片手を伸ばすと其処から炎を噴射して
勢いを和らげ、次の噴射で一気に加速する。
そして、両手で刀を握り直すとギルドに
向けて刀を一気に振り下ろす。
「食らえッ!!」
「はっ…中々やるじゃねぇかァ!!」
ギルドは太刀の其の攻撃を防ぐと其の
太刀を振り切ってロードを飛ばす。
一回転して地面に降り立ったロードは
無心で繰り広げられた今の攻防にやっと
脳が追い付いて行くと、笑みが溢れる。
「何笑ってやがんだ?いきなり、襲われてんのによ…!」
「悪ィ…。どうも身体が動いて止まらねェんだ…面白いぐらいによ…!」
「ツイてるのは俺だけじゃ無くてテメェもって事かよ…なあロードォ!」
確かな成長を感じて、ロードはまたも
刀に真紅の炎を纏うとギルドに突っ込む。
まるで、其の感覚を忘れない様に
身体そのものに刻み込むが如く。
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