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第三篇第一章 革命家との邂逅
革命の先導者
しおりを挟む「愉しそうだな。俺も混ぜてくれないか?」
ティアを交えて二階の入り口で騒いで居た
ロード達の声に反応してすらりと足の長い
男が奥のカウンター席から立ち上がる。
背にもたれる程の長いストレートの銀髪を
靡かせて振り返ると笑みを浮かべる。
目を瞑ると繋がる銀十字のタトゥーが
左目付近に入れられており同じモチーフの
ベルトを付けた長身の団服を着た男。
其の男がロード達の元へ足を進める。
「ロード様達に御紹介します。此方、独立師団革命軍の総長ノア・クオンタム様です」
シェリーの声に反応したロード達は目の前の
風格すら漂うノアという男に目を向ける。
「……わぁ。絵に描いた様なものすっっごい美形…」
「何か…男からすると少しムカつくぐらいのイケメンだな…」
言い方は真逆だがノアの見た目の意見は
一致したロードとポアラ。
そしてキラキラした目でノアを見つめる
ポアラに反応したシャーレが口を開く。
「色々と訊きたい事がありますが。先ずは誰もが気になる質問から…」
「答えられる事なら答えよう」
「…その透明感の秘訣は…?」
「いらん事で敵対心剥き出すなッ!」
ロードに突っ込みを受けたシャーレを見て
ノアは思わず笑顔を浮かべて声を上げる。
「シェリー姫、レザノフ殿。道中は退屈しなかったでしょう?彼等がいれば」
「ええ。全くです」
「色々お話してもらって楽しかったです!」
ノアの言葉に笑顔を浮かべたシェリーと
レザノフのやり取りを聞いて周り全体に
笑い声が波紋し広がって行く。
「まあ道中お疲れだろう。君達も此方へ来て座って食事にするといい」
ノアが手のひらを向けた席へと向かう途中で
気が付いたが、周りも革命軍の人間達で
二階の一室はどうやらロード達を出迎える
為に革命軍による貸し切りとなっている。
「改めてシェリー姫の護衛、感謝する。お陰でまたこうして姫達と無事に会えた」
「いやいや、そんな…!ね、ねぇ。シェリーちゃん、髪型とか大丈夫かな?」
ノアに返答したポアラが途中から小声で
隣に座ったシェリーに問い掛ける。
「とっても可愛いですよ、ポアラ様っ」
「そ、そう?シェリーちゃんみたいに女子力高い子に言われると照れるな…っ」
何やらきゃーきゃーと声を交わす二人を
横目にロードとシャーレは少しムッとする。
「あらあら。ノアはおモテになるのですね」
「ティア、茶化すんじゃない」
「ふふ、失礼しました」
女子陣の反応にティアは手を口に当てて
優雅な笑みを浮かべて話すとノアに軽く
釘を刺されてしまうが、笑顔のまま。
「取り敢えず陽が落ちてから人目を忍んでアジトへと向かう。其れ迄は多いに英気を養ってくれ」
ノアの計らいに甘えて全員で豪華に
テーブルを埋め尽くした料理に舌鼓を打つ。
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