RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第三篇第一章 革命家との邂逅

少年の宝物

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「何をやってるんだ君は…突然飛び出して」


「うん?この子は…?」



飛び出して行ったロードの元に駆け寄る
シャーレとポアラだったが、ロードの横に
居たバケットハットの少年に目が行く。

ポアラが膝を曲げて少年の目線に合わせると
少年に向かって笑顔を見せる。



「可愛い男の子っ、何してるの?ボク」


「か、可愛いって何だよ、僕は男だぞ!」


「そんな所も可愛いっ」


「コレ、変な奴らに獲られてたんだ。ホレ、ガキ。大事なモンなんだろ?」



ポアラの笑顔に顔を真っ赤にして居た
バケットハットの少年にロードが例の
ペンダントを手渡す。



「あ、ありがとう…。赤髪の兄ちゃん」


「其のペンダントは大事な物なのか。君にとって」


「うん。死んだ母ちゃんの形見なんだ」



寂しそうな表情を浮かべて俯いた少年は
ペンダントを胸に仕舞い込む様に抱える。

其の言葉には、親を失っているポアラと
シャーレも胸を痛める様な表情を見せる。



「なら、もう二度と取られんなよ?」



ロードはバケットハットを被った
少年の頭にポンと手を置いて膝を付く。



「俺もこの刀はさ、離れ離れになってもう何年も会えてない親父がくれたモンなんだ。それを手放したくない気持ちはちっとは解るからよ」



ロードは背中に背負った刀を指差して
バケットハットの少年に声を掛ける。



「ありがとう…。赤髪の兄ちゃん」


「一人で大丈夫か?ガキ」


「ガキじゃねぇ。僕にはロニーって立派な名前があるんだ!」



涙を流して居た少年の目にやっと力強い物が
宿った様に見えたロードは笑顔を見せる。



「そうか、ロニー。なら赤髪の兄ちゃんじゃねぇ…俺にもロードって立派な名前があんだからよ…!」


「へへ。僕と同じ事言ってる。ロード兄ちゃん達はここへ初めて来たの?」


「ん?まあちゃんと目的があって来たのは初だな」



笑顔を初めて見せたロニーがロードに
自分から質問を投げ掛ける。



「そっか。もし時間があったら、ロジャーズグリフってトコに来てよ!風の街ヴェントの伝統、立派な風車がたくさんあるんだよ!」


「おお。時間が合ったら見に行ってみるわ、じゃあ。またな?ロニー」


「本当にありがとう!ロード兄ちゃん!」



手を振りながら感謝を述べるロニーの
言葉を背に受けながら手を上げたロード達は
ほんの少し寄り道したが、シェリー等と
共に先へと歩を進めて行く。

大きな木製の門の上に掲げられた看板には
“酒場町カンピオンノール”と記される。

ヴィスタの道案内を受けながらロード達は
目的地への中間地点となる酒場を目指して
緩り緩りと進んで行く。

そしてとある酒場の前で足を止めると
馬車を酒場の横に置いてロード達は其の
二階建ての酒場を見上げる。



「さあ、此処だよ。ウェルカム、エブリワン…会って貰いたい人が此処に居るのさ」



ヴィスタの言葉に誘われて一行は
其の酒場の二階へと足を進めて行った。


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