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第二編第三章 護る為の決意
運命の選択
しおりを挟む「風の街迄距離もあります。姫様の護衛に御参加頂ければ幸いです」
「…え?い、いいの!?」
食事を近くで見守っていたレザノフから
然も此方からお願いした形で提案を受けた
ロードは自分でも驚く大きな声で聞き返す。
「ええ。是非とも」
「ロード様もお付き合い下さるんですかっ?嬉しいっ」
其のやり取りが耳に入ったシェリーが
屈託の無い笑顔でロードに視線を飛ばす。
「お、おお。…任せとけ…」
「何かアンタ、顔赤くないっ?」
「ほほう。ロード。君もそういう事に興味があったのだな」
顔を赤らめて居たロードに覗き込む様に
顔を近づけたポアラとシャーレの表情が
解り易くニヤケ顔になっていた。
「うるせぇうるせぇ!赤く無いだろ、ポアラ!つかそういう事って何だ、シャーレ…テメェ!」
「おお。此れは図星の反応」
「ロード…相手お姫様だぞっ?行けんのかー?」
正しくわちゃわちゃ騒ぎ始めた三人を
見てレザノフとシェリーも笑みを浮かべる。
「ん。ロード君。ユーは…プリンセス・シェリーの事がラブっ…ぐもっ!!」
「ヴィスタァァ!!テメェはド天然なのか!?ニャロウ…!お前なんかもう呼び捨てで充分だッ!!」
何かを言い掛けたヴィスタの口をロードが
思い切り手で塞ぐと、わたわたと慌てる。
シェリーは其れを見て何だろう、と
不思議そうな表情で首を傾げて居た。
「あれ、もしかして。シェリーちゃんも何にも気付いてないっ?アレ」
「ああ。だとしたら鈍感過ぎやしないか?」
「ロードは不器用だしねぇ…ちょっと面白いかも…!」
不器用なロードと鈍感だと発覚した
シェリーの関係性を野次馬根性で
ヒソヒソ話すシャーレとポアラの後ろで
レザノフは後ろで腕を組んで大人の
反応とも言える笑みを浮かべていた。
「ふふっ、若いですねぇ」
「と、取り敢えず。今は飯食って傷を癒す…早くなおさねぇとよ」
「ノー。焦らない焦らない。みんなの傷が癒えてから風の街へヒアウィゴーだよ」
そう言えばとばかりにお互いが顔を見合わせ
笑みを浮かべたシャーレとポアラ。
また勝手に気付けば行き先が決まる。
ロードの当ての無い旅路というのに
慣れつつある二人であった。
そして、レザノフを含めた怪我人の
状態が考慮されヴィスタからは三日後の
出発が目処として全員に伝えられる。
思えば光の街に来てからというもの
戦いっぱなしであった身体を暫し休めて
次の目的地へ思いを馳せる。
ポアラにはシャーレの過去が伝えられ
ロードは護る想いに国境を崩した。
今此の場には鎖国を起点に歪み合う
両国の姿は無かった。
ヴィスタは遠目に其れこそ革命軍が
掲げ求める総長ノアの本懐。
目を細め、其の暫しの現実に浸る。
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