RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第二編第三章 護る為の決意

目を覚まして

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屋敷へと戻った二人は食材をコックに
手渡すと、真っ先にロードとレザノフが
眠る部屋へと足を向けた。

前開きの扉を開けた先には、包帯を巻いた
痛々しい姿ではあるものの身体を起こした
ロードの姿があり、二人は安堵の表情を
浮かべて、目線を送る。

身体は起こしていないものの同じく
レザノフも意識を取り戻していた。



「ロード、レザノフさん…!」


「良かったあ…心配したんだよ」



駆け寄ってくる二人と目をうるうるさせて
椅子に腰掛けるシェリーの姿を見てロードは
何やらタイムスリップでもしたかの様に
周りをきょろきょろとさせて頭を掻く。



「…どんぐらい寝てたんだ?」


「ざっと十五時間ぐらいですよ」


「…なにっ?そんなに寝てたのか…アレ?そーいやU・J来てたよな」



シェリーに寝ていた時間を伝えられた
ロードは少しバツが悪そうに返答すると
U・Jが救援に来た事をまるで夢かの
様に口にして、周りの反応を待つ。



「来てたさ。彼のおかげで助けられた」


「皆んなの治療手伝ってくれてね、ぐったりした様子で帰って行ったよ」


「…そうか。でも何でアイツはここに…」



寝ていたロードが知らないのも無理はない。

実は昨晩の光の街セイントピア
本町は驚く程の大荒れだったのだ。

此処、バルモア公使の臨時住居には
反乱軍副長ウィルフィン・フィンドールが。

更に其れを対処する為に、此処へ向かって
いた革命軍の一隊の足止めにロードと
シャーレにとっては馴染みのある反乱軍幹部
アドラス・ホーキンスが現れて
革命軍幹部と正面衝突。

畳み掛ける様に昨晩には巷を賑わせた
辻斬り事件六人目の被害者が出た事で
帝国軍少将ニッキー・ドーマンが動く。

其方へドーマンは出向かざるを得なくなり
最悪の事態を予測して救援要請を受けていた
U・J・ブラッドが此処へ来た流れだった。



「…ビビるぐらい事が動いてんな…」


「あ、そだ。U・Jから伝言。『辻斬り事件の疑いはドーマンに言って晴らしといてやるよ、めんどくせぇけど』だって!」


「マジで!?…うーっコレで外を堂々と歩けるじゃねぇかっ!!…一言多いけどな…」



取り敢えずは諸々が好転していた事に
歓喜して表情を崩すロードを見て周りが
笑みに包まれる中、レザノフはシェリーに
視線を合わせて頭を下げる。



「姫様…申し訳御座いません。私が不甲斐無いばかりに…」


「いえ、レザノフのおかげで私は無事です、どうか頭を上げて」



シェリーに諭され、レザノフもまた
ほんの少しだけ表情を緩めた。

其処にまだ終わってないとばかりに
シェリーの従者が慌ただしく部屋へと
訪れると一報が届けられる。



「大変です…はあはあ…武装した一団が屋敷へ向かっています…!!」



其の一報に其の場に居た五人の表情が
一気に険しくなると、真っ先に飛び出した
のは、悩みを払拭したシャーレであった。
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