RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第一編第三章 蔓延る悪意

帝国軍少将の実力

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「あのギフトという力を前に十手一本で…」


「さっきのパイロさんって人は帝国軍准将よね…で、この派手な人は少将…ランクの差は一つだけ…」


「圧倒的…目ん玉飛び出そうなぐらい驚いたぜ…!」



三人が各々、U・Jに向かって感情を
ぶつけていると其のU・Jが緩り緩りと
ロード達に向かって歩いて来る。



「おい、立てるか?お前等」


「あ、ああ…」



正直驚き過ぎて立つ事すら忘れていたかの
様にハッとした三人は其々緩りと埃を
払いながら立ち上がる。



「よしよし。全員立てたな、怪我して立てません、運んでくださいじゃめんどくさくて気が進まねーからな」


「軍の人間が一般人に言う言葉か…!」



多少の笑みを浮かべながらU・Jが放った
暴論にロードがドン引きの表情を浮かべる。



「ウチのP・Jから聞いた感じだとその一般人達が何でアイツらと揉めてんだ?」


「そんなの麻薬ばら撒くなんて止めようってなるだろがッ!」


「おー。清々しい綺麗事だな、で…負けたのか?え?」


「そのバカにした面やめろや!」



後ろでシャーレとポアラが顔を合わせて
ぽかんとした表情を浮かべていた。



「「なんか友達みたいになってる…!」」



端から見る分には出逢って早々なのだが
じゃれあう友達にしか見えず何だか
置いて行かれた気分になっていた。



「U・J…色々証拠掴みましたよ」



そんなじゃれあい中の後ろからパイロが
サバネと共に現れると、U・Jが口を開く。



「ご苦労。P・J。流石は俺の出来る部下だな」


「そう言えばパイロさんが呼ばれてるP・Jってなんなんだろ?」



ポアラが疑問を口にするとパイロが
溜息をついて話し始める。



「私の名前がパイロ・ジョバーニでね。イニシャル表記だとP・J…此の人曰く『P・Jの方が俺の部下らしくていいな!』って子供みたいに騒ぎ始めてね…」


「こらこら。P・Jあんまし褒めるな…それとU・Jさん、だろ?上司なんだから」


「サボり魔でめんどくさがりで仕事中に酒飲み行って帰ってこないアンタをさん付けする義務はありません!後、一つも褒めてない!」



U・Jとパイロを絡みを聞いていて
ポアラとシャーレは何かに気づいた様に
顔を見合わせて笑い出す。



「パイロさん、何か大変そう。後、ロードとあの人が何かウマがあってそうな理由がわかった」


「私もだ。根っこが子供っぽいんだ、あの二人は…」



何やら部下であるパイロに説教されて
ペコペコ頭を下げているU・Jを見て
二人は絶えずクスクスと笑い続けていた。



「サバネさん、大丈夫だったか?怪我」


「ええ。こんなの擦り傷です、軍のお二人と皆さんのお陰で此の件の最深部を記事に出来ます、本当に助かりました」


「いいって。そんなの」



取り敢えずはその他民間人に被害も無く
此の件は解決、と誰もが思ったその時
パイロがある事に気がつく。
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