RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
上 下
25 / 729
第一篇第二章 拳術道場の女

炎の中を掻き分けて

しおりを挟む


「テメェ一人残って相手ェしてくれんのか?赤髪ィ」


「こっちは手が余るくらいだ。この…下衆野郎が…」



無情にも火の手が進み、焼け焦げて行く
道場を視界に入れながらロードは唇を
強く噛み、ガスリーを睨み付ける。

一方、道場内に突入したシャーレは
崩壊を始める建物の中を奥へ奥へと
進み、マーシャルを探す。

そして、寝室の前に辿り着いたシャーレは
布団から這いずって出ようともがく
マーシャルの姿を確認した。



「マーシャルさんッ!」


「君は…何故此処に?」



駆け寄ったシャーレは膝を付いて
マーシャルを起こそうと尽力する。

どうやら、腰の痛みにより上手く
身体が機能してないようだった。



「…放火したのは、ガスリーの一派か?」


「ええ、早く出ましょう」


「済まないな。普段は慣らしながらゆっくりと起きないと此のザマでな」


「腰の怪我…ですか…」



そもそもの原因を作ったガスリー一派の
蛮行に憤りを隠せないシャーレは
気持ちを押し殺して脱出を試みる。

何とか肩を支え、縁側の方角に火の手から
逃れたシャーレとマーシャル。

だが、其処に一派の追手が現れた。



「おい…ィ…せっかく火着けてやったんだ…焼け死んどけっての…ォ…」


左目を割るように深い切り傷を持つ長身の
男が、バールの様な物で肩を叩きながら
緩り緩りと向かってくる。



「マーシャルさん。少々此処でお待ちください…」



マーシャルを縁側に座らせると、シャーレは
静かに青龍刀を構えて前に出る。



「只の殺し屋集団か」


「どうだかなあ…ァ…」


「炎の中からマーシャルさんは助け出す。だが、私の腑は煮えくりかえって治まりそうも無い。君は此処で焼け死んで置くと良い」



「…っ…はは…ッ…上等…ォ…」



思い切り一歩踏み込んで来た長身の男は
バールを下から掬い上げる様に仕掛ける。

シャーレはバックステップで其れを躱して
次の一歩で間合いを詰める。

そのまま突き出された青龍刀は
振り下ろされたバールに弾かれる。

其の儘、地面に突き刺さった青龍刀を
バールと足で抑え込み、長身の男は
シャーレの顔を覗き込み、笑みを浮かべる。



「ガスリー一派のフザだ…ァ…俺はよ…ォ…焼け死んでもいいぜ…ェ…?せっかくなら、みんなでおっ死んで見ようや…ァ…」


「逝かれてるな…貴様…」



フザの頭突きをまともに食らったシャーレは
青龍刀を離してしまい、背後に飛ばされる。

其れを見たフザが不気味な笑みを浮かべて
バールを振り被り、シャーレの脳天目掛けて
容赦無く振り下ろして来る。

が、シャーレは、横に転がり体勢を
立て直すと、続け様に襲い来るバールの
連撃を全て躱してフザの腹目掛けて
拳のラッシュを叩き込む。



「悪いが、此処で私達は死ぬ気は無い…ポアラが悲しむだろう?あの人を此処で死なせたら」



ラッシュによりよろけたフザに向けて
シャーレは渾身の蹴りを腹部に叩き込む。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

処理中です...