RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第一篇第一章 旅路の出逢い

進撃の二人組

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「アンタも覚悟いいか?」


シャーレの一撃に胸躍らせたロードも
またニヤリと笑みを浮かべて大男を睨む。


「舐め過ぎなんじゃ。奴は四天王でも最弱…ワシが四天王本来の力をみ…」


「いいっつーの。そう言うお決まりみたいなヤツ」


大男の言葉を聞き終わらずして、ロードの
刀が大男を捉えた。

倒れ込んだ大男、そして女男を見て一家の
連中の開けた口が塞がらない。


「な、何ーッ!?パーシル様見てる間にこっち終わってたーーーッ!」


「シャーレ」


「どうかしたか?」


刀を肩に乗せたロードがシャーレに
緩りと歩み寄って行く。


「な、…何か思ってたのと違くねッ!?」


「い、意外とズッコケ一家だったのかもしれん…」


二人は呆れた様に笑みを浮かべたその直後
表情を怒りに切り替え、周りを一気に
斬り伏せて行き、入り口を蹴飛ばす。

堂々正面から殴り込みを果たした二人は
道中、手合いを沈めながら中央の大階段を
駆け登って行く。


「どっちだ?」


大階段の先は通路が左右に別れており
一度、二人は立ち止まる。


「外から見た時は奥に長い屋敷だった筈。さっさとケリを付ける為に別れて後程合流でどうだ?」


「乗った…!」


二人は左右に別れて一気に駆け出すと
正面から見て右に行ったロードはそのまま
長い通路を駆け抜ける。

其の先に大刀を背に乗せ、上半身裸で
多くの傷が刻まれた身体を堂々と晒す
強面の男が目の前に現れる。


「侵入者。おどれ何故此処におる」


「何故って?」


「エルフォーディーの馬鹿とパーシルの阿呆が討伐に向かって行った筈じゃろ」


「…ん?エル…ああさっきのアレか。倒して来たに決まってんだろ」


「ふん。おどれ中々骨がある様じゃの。じゃが此処で斬り伏せたるわ、ガキ」


大刀を大きく振り上げた傷だらけの男を
見てロードもまた刀を握る拳に力を込める。

だが、直ぐに異変に気付く。

振り上げた大刀が天井に刺さっている。

抜けないのか、傷だらけの男が無言で
必死に大刀を動かす事、数秒。

傷だらけの男は何事も無かったかの様な
真顔で拳を構えロードに向けて走り出す。

「………殴り飛ばす…!」


「抜けなかったんだろッ!なにもありませんでしたみてェな顔すんな!テメェ!!」


「我は伯盛四天王大刀のテッサイ…おどれは此処で終いじゃあ!!」


「大刀置いてきてるけどなッ!?斬り伏せるから殴り飛ばすにモデルチェンジしてるけどなッ!?」


馬鹿らしいとばかりに溜息を吐いたロードは
刀を床に差し、ぐっと膝を曲げると反動で
跳び上がり、回し蹴りを顔面に浴びせる。

何とも言えない呻き声と共に吹き飛ばされた
傷だらけの男は通路奥の曲がり角の壁に
衝突し伸びきっている。


「おお、おお。本当に抜けねェでやんの」



刀を抜いて鞘に一度納めたロードは
天井に刺さった大刀を抜こうとチャレンジ
してみながら、呆れていた。
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