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Ⅷ VS色欲アスモデウス

47-2話 色欲へ

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俺がたどり着いた時には扉が閉じていた。
そして、その扉の前にはクレハがいた。

「オズさん。お久し振りですね。」

「あぁ。これは?」

「中にアリスさんが。」

それだけで全てを察した。
この扉の中で最終決戦が行われている。
そして、そこに我々の立ち入る隙はないと。

「待たせたのである!」

そこに獅子王も来た。

「ふむ、入れぬか。姫君は中に?」

「えぇ、レオーナ姫も。」

クレハが言うと獅子王は頷く。

「で、あるか。我らには傍観しかできぬ・・・と。」

「アリスのとこには行けないのか!」

「慌てるでない、ラナよ。姫君であれば打ち倒せるのである。我は、信じてレオーナを共に行かせたのである。
この扉が開いた時、立っているのは姫君に違いないのである。」

獅子王はそう言ってその場にどかっと腰を下ろす。
それをみてクレハとヒルダも
その場に腰を下ろした。

「ま、もしかしたらそれよりも速く扉が開くかも知れないけどね。」

確か彼女は龍紋を使えるはずだ。
それを使えばこの扉すら破壊できてもおかしくは無い。

「さて、新魔王の実力を試すとしましょうかね。」

ヒルダが言った。
魔王が4人もいて何も手出しできないのは不甲斐ない限りだがあの扉は魔王ですら破壊は不可能な物だ。

しかし、それが黒い尻尾により砕け散った。

「なっ!?」

獅子王ですら驚きの声をあげた。

「壁が・・・」

「モード:滅龍」

そこには体躯50メートル程の黒い龍がいた。
アスモデウスの倍以上の体躯でアスモデウスを見下ろす様に立っているその龍は尻尾一振でアスモデウスですら破壊できない壁を破壊してみせた。
これが、古より伝えられた滅龍の力か。

「モード:霊龍」

と、声と共に体躯40メートル程の白い龍が現れる。
そして龍は俺達を守るように立ち塞がる。

「《燃ゆる炎の光にて我らを冥界に導け!黄泉送り!》」

白い龍が唱えると俺達の周りを半球状のドームが覆った。

これは・・・次元が違う?
どうやらこのドームの中と外では次元が違うように思える。
これはあの白い龍の仕業だろう。

「一時的にこの空間を冥界に繋げました。
中と外は別空間になっているので外からの干渉はありませんが逆に中からも干渉は出来ません。
ねぇ様の攻撃を防ぐ唯一の方法が次元を変える事です。
ねぇ様の攻撃は何でも滅する力。
故に、ここから出たら巻き込まれて死ぬと思って下さい。」

白い龍が言った。
ふむ、確かアリスには妹がいたはずだ。
それが彼女なのだろう。
このドームの中なら安全と聞いてもここからみるだけでも滅龍の攻撃は凄まじい。
これなら本当に勝てるのではないか。
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