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Ⅲ 指名依頼
18話 報告
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私達は豊穣の滝から戻りロウクさんの所に来ていた。
一応ノエルも呼んでおいた。
「思っていたよりも早く戻りましたね。」
ロウクさんが言った。
「えぇ、実は豊穣の滝が特殊な物でして・・・」
私が言う。
ロウクさんは忙しく生配信は見られなかったと言っていた。
説明の必要があるだろう。
「ふむ、特殊ですか。」
「えぇ、ダンジョンの構造は一本道でどこにも隠し通路はありませんでした。
ですが、最奥に行ってそこの敵を殲滅しても通路はどこにも現れず、ボーナスチェストも無し。
行き止まりとなっていました。」
私が事情を説明する。
「ふむ、それは確かに不思議ですね。」
「うん、普通なら最奥にはボーナスチェストがあるし、無いのなら更に先があるよね。ダンジョンじゃないって事は無いの?」
ノエルが当然の疑問を言った。
「うん。探索阻害は掛かってた。あれは間違いなくダンジョンだよ。」
「そうですか、では先に進むのに何か特別な条件が必要なのでしょうか。」
ロウクさんが言った。
仮にそうだとしたら手詰まりだ。
「特別な条件か。だとしたらどんなのかな?先生。」
ラナが私を見て聞いた。
「そうだね。そうなると手詰まりだよ。それこそ、あのダンジョンにヒントが隠されて無い限りは先に進めないけど・・・」
「ヒント・・・ですか。何も無かったですよね?」
「うん。無かったね。」
私が言うとエリシアとノノが言った。
皆で帰り道も周りを見ながら注意深く帰ってきたが結局何も無かったのだ。
「ふむ・・・そうですか、わかりました。では、今回はこれでクエストクリアにしておきます。
また、このダンジョン関係のクエストがあったら皆さんにお知らせします。」
ロウクさんが言った。
「ギルドは今後も調査を続けるんですか?」
「そうですね。高ランクパーティーの派遣は難しいでしょうし、恐らく放っておく事になると思います。
Fランクダンジョンで1階層しか無く、先へ進むヒントも無いとなれば攻略する価値もあまり無いとされますからね。」
ラナの問いにロウクさんが答える。
確かに、それが正しい判断だろう。
「あの、あのダンジョンは自由探索許可おりるんですか?」
「そうですね。皆さんには出しておきましょう。他の冒険者には調査中としておきます。それが、今回のクエストの報酬と言うことでどうでしょうか?」
エリシアの問いにロウクさんが答えた。
つまり、ダンジョンのアイテム以外無報酬のクエストでボーナスチェストが無かった私達への報酬と言うわけだ。
元々報酬が設定されていない物に新たに報酬を与えるのはそれ程の功績が無いと難しい。
今回のような空振りだと追加報酬は望めない。
「わかりました。それで。と言ってももう一度行くかと言われると微妙ですけど・・・」
「あはは、だね。ボーナスチェストも無いとなると行く意味ないかも。」
私が苦笑いで言うとラナも苦笑いで言った。
他の皆も苦笑いだ。
まぁ、実質無報酬だからね。
「また、よさそうなクエストがあったら斡旋致します。どうか今回はそれでお許しを。」
ロウクさんが申し訳なさそうに言った。
「ありがとうございます。それでは、私達はこれで。」
私達はお辞儀をしてその場を後にした。
─────────────
ノエルとも別れた後私達は近くのカフェでお茶をしていた。
「それじゃあ、当初の予定どおり明日は休日にしようか。」
「そうですね。休むのも大切ですし、この頃は前よりも休日少なかったですものね。」
「だね。嬉しい悲鳴だけど。」
私が言うとエリシアとノノが嬉しそうに言った。
「先生はどうするの?」
ラナが聞いてきた。
「私はのんびりと過ごすつもりだよ。皆は?」
「私達は3人で買い物に行こうかなって。」
「私はこの街の観光を。この街来てから劇場付きレストランとギルド以外あまり見てないから。」
私が言うとラナとミーナも答える。
3人は休みも一緒に行動か。仲良いな。
「それじゃあ、今日はここで解散と言うことで。」
「うん。また明後日ギルドでね。」
そう言ってカフェを出て別れる。
私も久し振りの休日な気がする。
一応ノエルも呼んでおいた。
「思っていたよりも早く戻りましたね。」
ロウクさんが言った。
「えぇ、実は豊穣の滝が特殊な物でして・・・」
私が言う。
ロウクさんは忙しく生配信は見られなかったと言っていた。
説明の必要があるだろう。
「ふむ、特殊ですか。」
「えぇ、ダンジョンの構造は一本道でどこにも隠し通路はありませんでした。
ですが、最奥に行ってそこの敵を殲滅しても通路はどこにも現れず、ボーナスチェストも無し。
行き止まりとなっていました。」
私が事情を説明する。
「ふむ、それは確かに不思議ですね。」
「うん、普通なら最奥にはボーナスチェストがあるし、無いのなら更に先があるよね。ダンジョンじゃないって事は無いの?」
ノエルが当然の疑問を言った。
「うん。探索阻害は掛かってた。あれは間違いなくダンジョンだよ。」
「そうですか、では先に進むのに何か特別な条件が必要なのでしょうか。」
ロウクさんが言った。
仮にそうだとしたら手詰まりだ。
「特別な条件か。だとしたらどんなのかな?先生。」
ラナが私を見て聞いた。
「そうだね。そうなると手詰まりだよ。それこそ、あのダンジョンにヒントが隠されて無い限りは先に進めないけど・・・」
「ヒント・・・ですか。何も無かったですよね?」
「うん。無かったね。」
私が言うとエリシアとノノが言った。
皆で帰り道も周りを見ながら注意深く帰ってきたが結局何も無かったのだ。
「ふむ・・・そうですか、わかりました。では、今回はこれでクエストクリアにしておきます。
また、このダンジョン関係のクエストがあったら皆さんにお知らせします。」
ロウクさんが言った。
「ギルドは今後も調査を続けるんですか?」
「そうですね。高ランクパーティーの派遣は難しいでしょうし、恐らく放っておく事になると思います。
Fランクダンジョンで1階層しか無く、先へ進むヒントも無いとなれば攻略する価値もあまり無いとされますからね。」
ラナの問いにロウクさんが答える。
確かに、それが正しい判断だろう。
「あの、あのダンジョンは自由探索許可おりるんですか?」
「そうですね。皆さんには出しておきましょう。他の冒険者には調査中としておきます。それが、今回のクエストの報酬と言うことでどうでしょうか?」
エリシアの問いにロウクさんが答えた。
つまり、ダンジョンのアイテム以外無報酬のクエストでボーナスチェストが無かった私達への報酬と言うわけだ。
元々報酬が設定されていない物に新たに報酬を与えるのはそれ程の功績が無いと難しい。
今回のような空振りだと追加報酬は望めない。
「わかりました。それで。と言ってももう一度行くかと言われると微妙ですけど・・・」
「あはは、だね。ボーナスチェストも無いとなると行く意味ないかも。」
私が苦笑いで言うとラナも苦笑いで言った。
他の皆も苦笑いだ。
まぁ、実質無報酬だからね。
「また、よさそうなクエストがあったら斡旋致します。どうか今回はそれでお許しを。」
ロウクさんが申し訳なさそうに言った。
「ありがとうございます。それでは、私達はこれで。」
私達はお辞儀をしてその場を後にした。
─────────────
ノエルとも別れた後私達は近くのカフェでお茶をしていた。
「それじゃあ、当初の予定どおり明日は休日にしようか。」
「そうですね。休むのも大切ですし、この頃は前よりも休日少なかったですものね。」
「だね。嬉しい悲鳴だけど。」
私が言うとエリシアとノノが嬉しそうに言った。
「先生はどうするの?」
ラナが聞いてきた。
「私はのんびりと過ごすつもりだよ。皆は?」
「私達は3人で買い物に行こうかなって。」
「私はこの街の観光を。この街来てから劇場付きレストランとギルド以外あまり見てないから。」
私が言うとラナとミーナも答える。
3人は休みも一緒に行動か。仲良いな。
「それじゃあ、今日はここで解散と言うことで。」
「うん。また明後日ギルドでね。」
そう言ってカフェを出て別れる。
私も久し振りの休日な気がする。
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