最強少女は雑用が嫌なのでパーティーを抜けてスローライフを。

ALICE

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Ⅲ 指名依頼

15話 指名依頼

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私達はギルドで一悶着あった後、ギルドマスターに呼び出されていた。
もしかしてリオンと喧嘩したの良くなかったのかな?
まぁ、この街では有名なパーティーだし・・・

「良く来てくれたね。」

ロウクさんがそう言って微笑む。
手には1枚の封書を持っていた。

「ご用件は、何でしょうか?」

「うん、この封書なんだが・・・」

そう言って私に差し出してきた。
私は封書を受け取って封を開けると中に入っていたのはクエスト用紙だった。

─────────────
【指名依頼:心昌石 迷宮調査依頼】

受注条件
不問

内容
迷宮都市の迷宮にて迷宮暴走スタンピードの予見がされた。
これの調査を依頼する。
尚、当依頼にて必要な物資は全て王国が負担する。

目的地
迷宮都市グランマルス 迷宮の塔

報酬
一千万hq
攻略の際に手に入れたアイテム

期間
無し

依頼者
アトラティア共和国 国王 ラグーン・ミア・アトラティア
─────────────

私は依頼書を机に叩きつけた。

「ロウクさん!これはどういう事ですか!」

「国王様からの勅命依頼になります。」

「それを、なぜ我々なのですか!この依頼、普通ならA、Sランク辺りに頼む依頼ですよね?
それをなぜFランクパーティーに!」

私がロウクさんを怒鳴り付ける。
ギルドマスターであるロウクさんに怒鳴るなんて私以外に出来ないだろう。

「先生?どんな依頼なんだ?」

「Bランク迷宮のスタンピード調査。スタンピードの調査となればランクは1つか2つ上がるんだよ。」

「つまり、私達の実力では・・・」

エリシアが言った。

「そもそも攻略自体が難しいって事になるね。」

ノノが私を見て言った。
私が静かに頷く。

「この依頼、受ける事は出来ません。
我々の実力ではクリアは到底難しいと判断します。」

私がきっぱりと言い放ち机に置いた依頼書をロウクさんに突き返した。

「やはり、難しいですか。」

「当たり前です。
適正ランクも下ですし、あの迷宮の敵は弱くてもこの辺のボスクラスです。我々では倒せません。」

私がそうきっぱりと断る。
皆を守りながらなんて流石に難しい。

「そうですか。国王様には私から返答しておきます。
お時間取らせてしまいましたね。」

ロウクさんがそう言ってお辞儀をする。
私達も丁寧にお辞儀してその場を後にした。

「先生・・・」

「あの依頼、残念だけど私とミーナでも結構キツイからね。」

私が言うとミーナが頷く。
スタンピード調査となれば難易度はかなり上がる。
と言うのもスタンピードとなればダンジョンのモンスターは倍以上にまで膨れ上がる。
更に、スタンピードでは特別なモンスターや通常より凶悪な別種が生まれる可能性もあり、場合によっては新種のモンスターが現れる可能性だってあるのだ。
そんな場所にまだFランクの3人を連れていくなんて死にに行くような物だ。
これはどんな冒険者に聞いても同じように答えるだろう。

「でも、なんで王様は私達の事を知っていたのでしょう?
その、私達ってそんな目立った功績あげてないですよね?
なのに、こんな依頼を寄越すなんて・・・」

エリシアが言った。
確かに、私達は目立った功績など無く、普通に適正ランクの依頼をこなしているだけだ。
そんな私達に・・・
そうか、配信だ。
あのダンジョン配信を見たのだろう。
それで私がいるのを見て錯覚した。
『このパーティーは強い』と。

「ダンジョン配信は王都でも見れるから。
ダンジョン配信で私を見たのだと思う。
前のパーティー・・・デボーチェリーの時は良く勅命の依頼を受けていたから。
王様も私達の配信を見て私のいるパーティーならって思ったのかも。」

私が皆に言うと皆は納得した様な顔をした。

「つまり、王様の勅命依頼は先生への依頼って事?」

「ま、そうなるかな。」

ラナの問いに私が苦笑いで答える。

「なら、次勅命依頼が来た時には受けられる様に強くなっておかないとだな!」 

ラナが気合いを入れると他三人も頷いた。

「なら、まずはもっと強くなる為にも色んな依頼を受けたり色んな場所に行ったりしないとだね。」

ノノが言った。
皆やる気の様で関心だ。
私も皆に負けないようにやる気出して行かないとね。
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