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Ⅰ クリスタルハーツ
5話 祝杯をあげよう。
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私達はクエストクリアとゴブリンキング討伐を祝して酒場で飲むことにした。幸い皆16歳を越えているため飲酒は可能だし。
「今日は私が奢ってあげるから好きなもの頼んで良いよ。」
私がそう言ってとりあえずの麦酒を頼む。
「ありがとうございます!先生。」
3人も思い思いに好きな酒やつまみを頼んだ。
「まずは、皆に謝らないとね。
ゴブリンキングの時は酷いこと言ってごめんね。」
「そ、そんな!先生は私達を守る為ですから!」
「そうですよ!先生のお陰で私達も助かりましたし。」
ラナちゃんとエリシアちゃんが言った。
そう言って貰えると嬉しいものだ。
「それに、先生凄かったです。
私もラナから聞いていた程度でしか知らなかったんですけど・・・正直聞いていた以上で驚いてます。
ラナから聞いた話でも嘘かと思うような話だったのに。」
ノノちゃんが言った。
あはは・・・ラナちゃんに私が話した武勇伝の話をされたのだろう。
「そんな事無いよ。ラナちゃんに話した話は全て私1人で成し遂げた事じゃないもの。
全部パーティーで成し遂げた事。
だから、私が凄いんじゃないんだよ。」
私がそう言ってエールを飲む。
エールが疲れた体に染み渡る。
「にしても・・・ゴブリンキングってあんな奴なんですね。」
「攻撃してこなかったけどあんな大きな鉈で攻撃されたら一溜りもないね。」
「そうだね。あれじゃあ私の回復なんか余裕で上回っちゃうよ。」
3人が言った。
まぁ、あれでもまだ弱い方のボスだが初心者である3人からしたらかなりの強敵に見えるはずだ。
「いずれは3人にもあれを倒して貰うつもりだよ。
いや、もっと強いボスとも戦う時が来ると思うな。」
私が言った。
冒険者とは上限が存在しない。
故に、常に上には上がいるのだ。
そして、そんな上に登るには強敵を倒し、場数を踏んで行くしかない。
そうなれば必然的に厄介なボスとも対峙するだろう。
「倒すにはもっと強くならなきゃだね。」
「そだね。けど、手っ取り早く強くなれないかなー。」
ラナちゃんがそう言ってお酒のおかわりを注文した。
「あはは、楽して強くなれるわけ無いでしょ。」
ノノちゃんが突っ込む。
まぁ、あることはあるんだけどね。
「ダンジョンの最奥に到達や強敵を撃破する事で出現する特殊宝箱。
それの中には『才覚の口伝書』って言われるアイテムが入っている事があるの。
このアイテムは使用者の第二能力を覚醒させるって言われているの。
まぁ、簡単に言えば使うとサブクラスを習得できるんだ。
使える魔法や技が増えると言うのは強くなるって事だと思うしある意味では手っ取り早く強くなれると思うよ。」
私が話すと3人は興味津々に聞いていた。
「先生のサブクラスはなんですか?」
「私?私は付与術師だよ。」
「確か、様々な付与魔法が得意な援護クラスですよね。」
エリシアちゃんは知っている様だ。
「サブクラスかぁ、私は剣士系統が欲しいなぁ。」
ラナちゃんが言った。
そう言えばラナちゃんはどちらかと言うと剣士向きな魔法剣士だ。
魔法よりも剣を優先する為剣士系統のサブクラスの方が相性も良いだろう。
「私は巫術師かな。ドルイドの回復量は少なめだから巫術師で回復を安定させられるし、巫術師は援護や攻撃スキルも多めで前衛も出来るからラナちゃんの負担も少しは減らせるかもだし。」
エリシアちゃんはしっかりと考えている様だ。
「私は・・・うん、私ももっと攻撃に転じたいとは思うよ。
今までってほとんどラナに任せきりだったし。
血を浴びるのも殆どラナでしょ?
ラナばかり大変な思いしてるから。」
「そんな事無いよ。ノノがヘイト稼いでくれるから私が背後をとれたりするんだからさ。」
酒が入っている事もあるだろうが3人は仲が凄く良いと思う。
普通だったらこんな素直に仲間を誉めるなんて出来ないだろう。
人間どこかしらで不満を持つものだからただ誉めるなんて難しい。誉めてもどこか悪い点があって、純粋に誉める事が出来ないなんて事はざらだ。3人はコンビネーションも良いし強くなると思う。
「口伝書を集めるならアトラス地下水道が良いかな。
全5層で場所はこの街の地下。
ボスも最奥部にいる鼠将軍だけだし。
鼠人はデバフ系スキルが多い物の攻撃力は低いからヒーラーがデバフ解除出来ればかなり戦いやすいよ。」
私が言うと3人は1度顔を見合わせた。
「先生!それじゃあ明日はそこにいこう!」
「そうだね。けど、資金稼ぎもしたいでしょ?」
私が言うと3人はうんうんと頷いた。
「ならさ、明日は迷宮攻略生配信なんてどうかな?
ダンジョンを攻略する様子を生配信して稼ぐんだよ。
皆がその映像を見てくれるとその視聴回数がお金になるの。
有名になればそれだけで暮らせる程だよ。
まぁ、この街はそこまで盛んじゃないけどね。」
私が言うと3人は目を輝かせる。
ダンジョンアタックライブは娯楽の1つとして扱われておりダンジョンに挑む冒険者の姿を生放送で観戦する娯楽だ。
また、タイムも計測されるためタイムアタックなんかも出来る。
中にはタイムアタック専門のパーティーなんかもある程だ。
このライブは冒険者ギルドの映像投影魔昌石や街の人が集まる場所なんかに設置されているモニター、ある程度の富裕層の人々が持つ携帯型通信魔昌石なんかで視聴する事が出来る。
私もスマートフォンクリスタル(略してスマホだ。)を持ってはいるがかなり便利なアイテムだ。
私のは冒険者仕様でダンジョンアタックライブの撮影も出来る優れものだ。
まぁ、撮影には事前申請が必要な為冒険者ギルドの承認がないと生放送は出来ないのだが・・・
と言うのも撮してはいけない物なんかもダンジョン内部にはある。
まぁ、その殆どがAランク以上でなければ立ち入れないダンジョンだが・・・
他にも1つのダンジョンで同時に撮影は不可能であり、また、同時に配信できるのは8パーティーのみだ。
これは通信網の関係でそれ以上だと通信障害が出てしまうのだ。
そして、このダンジョンアタックライブはそのダンジョンをクリアできるレベルで無ければ出来ない。
迷宮攻略を生配信するので攻略できなければ意味がないからだ。
私達のパーティーはFランクの為アトラスと名の付くダンジョンしか入れない。
このアトラスと言うのはこの街のある場所でかつて栄えていた街の名前だ。
その街の名が付くダンジョンは初心者向けのダンジョンとなっている。
いつかはこのパーティーでアトラス以外のダンジョンにも行ってみたい物だ。
私達は明日の予定を決めてその日は潰れない程度に飲むのだった。
「今日は私が奢ってあげるから好きなもの頼んで良いよ。」
私がそう言ってとりあえずの麦酒を頼む。
「ありがとうございます!先生。」
3人も思い思いに好きな酒やつまみを頼んだ。
「まずは、皆に謝らないとね。
ゴブリンキングの時は酷いこと言ってごめんね。」
「そ、そんな!先生は私達を守る為ですから!」
「そうですよ!先生のお陰で私達も助かりましたし。」
ラナちゃんとエリシアちゃんが言った。
そう言って貰えると嬉しいものだ。
「それに、先生凄かったです。
私もラナから聞いていた程度でしか知らなかったんですけど・・・正直聞いていた以上で驚いてます。
ラナから聞いた話でも嘘かと思うような話だったのに。」
ノノちゃんが言った。
あはは・・・ラナちゃんに私が話した武勇伝の話をされたのだろう。
「そんな事無いよ。ラナちゃんに話した話は全て私1人で成し遂げた事じゃないもの。
全部パーティーで成し遂げた事。
だから、私が凄いんじゃないんだよ。」
私がそう言ってエールを飲む。
エールが疲れた体に染み渡る。
「にしても・・・ゴブリンキングってあんな奴なんですね。」
「攻撃してこなかったけどあんな大きな鉈で攻撃されたら一溜りもないね。」
「そうだね。あれじゃあ私の回復なんか余裕で上回っちゃうよ。」
3人が言った。
まぁ、あれでもまだ弱い方のボスだが初心者である3人からしたらかなりの強敵に見えるはずだ。
「いずれは3人にもあれを倒して貰うつもりだよ。
いや、もっと強いボスとも戦う時が来ると思うな。」
私が言った。
冒険者とは上限が存在しない。
故に、常に上には上がいるのだ。
そして、そんな上に登るには強敵を倒し、場数を踏んで行くしかない。
そうなれば必然的に厄介なボスとも対峙するだろう。
「倒すにはもっと強くならなきゃだね。」
「そだね。けど、手っ取り早く強くなれないかなー。」
ラナちゃんがそう言ってお酒のおかわりを注文した。
「あはは、楽して強くなれるわけ無いでしょ。」
ノノちゃんが突っ込む。
まぁ、あることはあるんだけどね。
「ダンジョンの最奥に到達や強敵を撃破する事で出現する特殊宝箱。
それの中には『才覚の口伝書』って言われるアイテムが入っている事があるの。
このアイテムは使用者の第二能力を覚醒させるって言われているの。
まぁ、簡単に言えば使うとサブクラスを習得できるんだ。
使える魔法や技が増えると言うのは強くなるって事だと思うしある意味では手っ取り早く強くなれると思うよ。」
私が話すと3人は興味津々に聞いていた。
「先生のサブクラスはなんですか?」
「私?私は付与術師だよ。」
「確か、様々な付与魔法が得意な援護クラスですよね。」
エリシアちゃんは知っている様だ。
「サブクラスかぁ、私は剣士系統が欲しいなぁ。」
ラナちゃんが言った。
そう言えばラナちゃんはどちらかと言うと剣士向きな魔法剣士だ。
魔法よりも剣を優先する為剣士系統のサブクラスの方が相性も良いだろう。
「私は巫術師かな。ドルイドの回復量は少なめだから巫術師で回復を安定させられるし、巫術師は援護や攻撃スキルも多めで前衛も出来るからラナちゃんの負担も少しは減らせるかもだし。」
エリシアちゃんはしっかりと考えている様だ。
「私は・・・うん、私ももっと攻撃に転じたいとは思うよ。
今までってほとんどラナに任せきりだったし。
血を浴びるのも殆どラナでしょ?
ラナばかり大変な思いしてるから。」
「そんな事無いよ。ノノがヘイト稼いでくれるから私が背後をとれたりするんだからさ。」
酒が入っている事もあるだろうが3人は仲が凄く良いと思う。
普通だったらこんな素直に仲間を誉めるなんて出来ないだろう。
人間どこかしらで不満を持つものだからただ誉めるなんて難しい。誉めてもどこか悪い点があって、純粋に誉める事が出来ないなんて事はざらだ。3人はコンビネーションも良いし強くなると思う。
「口伝書を集めるならアトラス地下水道が良いかな。
全5層で場所はこの街の地下。
ボスも最奥部にいる鼠将軍だけだし。
鼠人はデバフ系スキルが多い物の攻撃力は低いからヒーラーがデバフ解除出来ればかなり戦いやすいよ。」
私が言うと3人は1度顔を見合わせた。
「先生!それじゃあ明日はそこにいこう!」
「そうだね。けど、資金稼ぎもしたいでしょ?」
私が言うと3人はうんうんと頷いた。
「ならさ、明日は迷宮攻略生配信なんてどうかな?
ダンジョンを攻略する様子を生配信して稼ぐんだよ。
皆がその映像を見てくれるとその視聴回数がお金になるの。
有名になればそれだけで暮らせる程だよ。
まぁ、この街はそこまで盛んじゃないけどね。」
私が言うと3人は目を輝かせる。
ダンジョンアタックライブは娯楽の1つとして扱われておりダンジョンに挑む冒険者の姿を生放送で観戦する娯楽だ。
また、タイムも計測されるためタイムアタックなんかも出来る。
中にはタイムアタック専門のパーティーなんかもある程だ。
このライブは冒険者ギルドの映像投影魔昌石や街の人が集まる場所なんかに設置されているモニター、ある程度の富裕層の人々が持つ携帯型通信魔昌石なんかで視聴する事が出来る。
私もスマートフォンクリスタル(略してスマホだ。)を持ってはいるがかなり便利なアイテムだ。
私のは冒険者仕様でダンジョンアタックライブの撮影も出来る優れものだ。
まぁ、撮影には事前申請が必要な為冒険者ギルドの承認がないと生放送は出来ないのだが・・・
と言うのも撮してはいけない物なんかもダンジョン内部にはある。
まぁ、その殆どがAランク以上でなければ立ち入れないダンジョンだが・・・
他にも1つのダンジョンで同時に撮影は不可能であり、また、同時に配信できるのは8パーティーのみだ。
これは通信網の関係でそれ以上だと通信障害が出てしまうのだ。
そして、このダンジョンアタックライブはそのダンジョンをクリアできるレベルで無ければ出来ない。
迷宮攻略を生配信するので攻略できなければ意味がないからだ。
私達のパーティーはFランクの為アトラスと名の付くダンジョンしか入れない。
このアトラスと言うのはこの街のある場所でかつて栄えていた街の名前だ。
その街の名が付くダンジョンは初心者向けのダンジョンとなっている。
いつかはこのパーティーでアトラス以外のダンジョンにも行ってみたい物だ。
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