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Ⅰ クリスタルハーツ
1話 出会いと別れ
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冒険者の街「グランハルト」。
この街で一番有名なSランクパーティー「宝護龍の息吹」は誰もが憧れるパーティーであった。
数々の高難易度クエストをクリアし、いくつもの財宝を手に入れて来た。
そんなパーティーに所属しているアリスは荷物持ちやら雑用として扱われていた。
それが嫌になったアリスはパーティーを抜ける事を決意する。
─────────────
「ったく・・・アリス!おせぇぞー!」
パーティーリーダーのリオンがそう叫ぶ。
使えないなんて1日に何回言われる事か。
「ったく使えねぇなぁ。」
「なら、抜けます。皆さんの邪魔はしたくありません。
使えない人間なんて無駄でしょうから。
今までお世話になりました。」
私はそう言ってお辞儀をする。
「ふん!勝手にしろ。お前なんか抜けても追加メンバーは集まるしな。」
私はパーティーを抜け、宿に戻る。
さて、どうしようか。
とりあえず装備は元の装備に戻そうか。
私の着ていた服は少しボロくなった普通の魔術師装備だ。
何故ならば私の本当の装備は家宝として語り継がれている物。
だから隠していた。
あいつらなら奪いそうだし。
だが、パーティーを抜けた今、わざわざ弱い装備を使う必要は無い。
私は装備を脱ぎ捨てて元の装備を身に纏う。
地に付くほど長い黒髪ロングストレートでくりっとした紅い瞳の眼に小さな鼻、口で小顔かつ丸顔。
少しだけ膨らんだ胸に括れた腰、華奢な手足で幼女体型で身長は149cm。
服装は黒いブラウスに紅いネクタイ、紅いプリーツミニスカートに黒いオーバーニーソックスに茶色い膝下までの編み上げブーツ。
地に付くほど長い黒いコートを着ており袖は肘が見えない程度に捲っている。
左手人差し指に紅い宝石の埋め込まれた指輪をしており左耳に銀色のリングピアスをしている。
それが私、アリスだ。
魔術師として出身の国では国一番なんて言われていた。
こうみえても19歳だ。
さてと、着替えた事だし冒険者ギルド覗いて見ようか。
私は宿を出て先程までいた冒険者ギルドへ戻る。
あいつらは既に居なくて代わりに目についたのはとあるパーティー。
3人組のパーティーで装備を見ても初心者だとわかる。
しかし、その中の1人には少し見覚えがあった。
私は出身国で魔術の先生をしていた時期が1年だけあった。
その時の生徒に魔法剣士が居たのだがその子に似ている。
確か、当時12歳だったはずだから今は16歳か。
「ラナちゃん・・・だよね?」
「ふぇ?・・・あ、アルヴァスター先生!?」
腰までの細めの金髪ツインテールで赤、青、黄色の小さな星が3つ付いたゴムで結んでいる。
大人びた顔立ちでキリッとした青い瞳の眼に丸顔。
B胸に括れた腰でスラッとした手足とモデル体型。身長は160cm。
水色の長袖パーカーの前を開けており中に小さな水色のリボンが胸元にあしらわれ、下側には水色のレースが施された黒い水着にネイビーのホットパンツ、黒いオーバーニーソックスで水色のハイカットスニーカーをはいている。
両耳にピアスをしており首には金色の星形のチャームが付いた銀色のチェーンのネックレスをしている。
教え子のラナちゃんだ。
ラナちゃんは驚いた顔で言った。
私の出身国からここまでは1ヶ月かかる程離れている。
まさか、ここで出会えるとは思っていなかった様だ。
「誰?」
ライトブラウンのふわっとしたショートボブでくりっとした黄色い瞳にしゅっとした目鼻立ちで真ん丸な顔立ち。
幼児体型で華奢な体つき。身長は100cm。
白いノースリーブのブラウスに黄色いリボンを胸元につけており両側に腰までスレッドの入った黒いロングスカート、黒いベルトサンダル。
恐らく土人であろう少女が言った。
「えっと、ラナちゃんのお知り合いですか?」
小豆色のカールした肩までのツインテールを黄緑色の葉に金色の縁取りが施された四つ葉のクローバーが付いているピンク色のリボンで結んでいる。
優しそうな翡翠色の瞳に小さな鼻と口で小顔の整った幼さの残る顔立ち。
B程度の胸に括れた腰、華奢な手足。身長は155cm。
白い臍だしのブラウスに黄緑色のプリーツミニスカート、黄緑色のリボンが両脇に付いた白いオーバーニーソックスに黄緑色のパンプス。
腰丈の黒いコートを着ておりコートは肩出しの長袖の少し変わったタイプ。
首から髪飾りのクローバーと同じものが付いた金色のチェーンのネックレスをしている。
もう1人の少女が言った。
2人の少女は私とラナちゃんを交互に見て聞いた。
「あ、うん。私の魔法の先生・・・てか、剣の先生でもあるかな。先生も魔法剣士みたいな物だし。」
ラナちゃんが言った。
まぁ、似たものだ。
メインは魔法だが。
「ラナちゃんの元教師のアリスです。驚かないなら、クラスを教えるけど・・・」
私が苦笑いで言った。
「驚かないでね?先生は星魔術師なんだよ!」
ラナちゃんがネタバレをする。
まぁ、教えるつもりではあったが。
「す、ステラロード!?そ、それって・・・」
「確か、魔法剣士系統の最高位であり、星を支配する最強の魔術を扱えるって・・・」
「まぁ、そうだね。星を従え、星と共にあるのが星魔術師だから。」
私が言うと2人は目を輝かせた。
まぁ、私の国では英雄だしね。
「あの、先生はここで何を?その、先生はSSランクパーティーでしたよね?」
「あー、解散したからこっち来てね。その後入っていたパーティーを今日抜けた所なんだ。」
私が言うとラナは衝撃を受けた顔をしていた。
「え!?じゃ、じゃあ先生は今フリーなんですか?」
「うん。そうなるかな。」
「あ、あの!でしたら私達のパーティー心昌石に来ませんか!先生には教わり足りないと思っていました!もっともっと色々な事を教わりたいんです!」
ラナが言った。
「私は良いよ。けど、最初に聞く相手が違うね?教えたはずだよ?パーティー勧誘の際はどうするんだっけ?」
私が言うとラナははっとした顔で振り向いて2人を見る。
「エリシア、ノノ、私はこの人をパーティーに誘いたいの。どうかな?」
パーティー勧誘の際はまず始めにメンバーに確認。
それから勧誘だ。
パーティー内でいざこざなんかが生まれない様にする為である。
「私は良いと思う。」
「うん、私も良いんじゃないかな。それに、リーダーはラナちゃんだし。ラナちゃんに任せるよ。」
2人がそう言って微笑む。
ふむ、相性は良さそうだ。
「えと、それじゃあ改めまして、私達のパーティーに入ってくれませんか?」
「はい、良くできました。これからよろしくね。ラナちゃん、それと・・・」
「聖闇騎士のノノです。
パーティーのタンクをしています。
ドワーフですがしっかりとタンクを務めるのでよろしくお願いします。」
「私はエリシアと言います。クラスは森呪術師です。種族は妖精女王です。よろしくお願いします。」
ドワーフの子がノノちゃん、ティターニアの子がエリシアちゃんと言うらしい。
「改めまして、アリス・アルヴァスターです。レガリス公国ではラナちゃんの先生をしていました。種族は・・・」
私は一度息を飲む。
私の種族は少し特殊だからだ。
「種族は、龍人です。」
「りゅ、リュガ!?」
エリシアちゃんが驚いた表情で言った。
リュガとは龍と人のハーフでありあらゆる面で飛び抜けた性能を持つ反面、繁殖力が極端に低い為かなり少数民族だ。
故に私の家族も山奥の誰も来ないような人里離れた場所に小さな、8家族程度の集落を作って暮らしている。
全てが謎に包まれた種族とまで言われるのがリュガなのだ。
「えと、本当に私達なんかのパーティーで良いんですか?その、リュガでスターロードって・・・」
「あはは、気にしないで。私としても前のパーティーより気が楽だし。」
私がそう言うと3人とも安心したのか微笑んだ。
「さて、早速だけどラナちゃん。何か悩み事?クエストボードの前で考えてたみたいだけど。」
私が言うと思い出した様にクエストを指差した。
「あ、はい。実はこのクエストに行きたいんですけど・・・
私達の実力じゃ5層を越えられなくて・・・」
「5層のゴブリンの群れが倒せないんです。
その、ノノちゃんが引き付けても引き付けきれなくて・・・
ラナちゃんとノノちゃんの回復が間に合わないんです。」
エリシアちゃんが申し訳無さそうに言った。
まぁ、初心者パーティーの最初の鬼門とも言える部分だし。
「そっか、あそこはコツがいるんだよ。
でも、それさえ分かれば3人でも突破は可能だよ。私もいるし、やってみようか?」
「はい!先生がいてくれて助かります!」
ラナちゃんが言った。
「もう、先生って・・・」
「え?だって先生は色々と物知りだし、私にとっては先生はいつまでも先生だよ。」
ラナちゃんがそう言って微笑む。
まぁ、でも、悪くない・・・かな。
「それじゃあラナちゃん、クエストを受注してきて。」
私が言うとラナちゃんが頷いてクエスト用紙を持って受付へ向かう。
「ラナちゃん、ノノちゃんが前衛、エリシアちゃんは後衛であってるかな?」
「あ、はい。大丈夫です。」
エリシアちゃんが頷きながら言った。
「そう。私は中衛に入るよ。本当はラナちゃんもクラス的には中衛なんだけどね。
まぁ、3人のパーティーなら前衛の方が良いと思うよ。」
私が言うとエリシアちゃんは感心した様子でメモをとっていた。
うーん、なんか、ほんとに3人の先生になった気分。
まぁ、冒険者はかれこれ8年近くやってるから知識はあると思うけど・・・
「先生!クエスト受注したよ!」
ラナちゃんが赤い判子の押されたクエスト用紙を手に戻ってきた。
「よし、それじゃあラナちゃん。指示はよろしくね?パーティーリーダー。」
「あ、はい!それじゃあ今からダンジョンに挑みます。
挑戦前のチェックしようか。
アイテムは規定数あるかと装備の損傷を確認して下さい。」
ラナちゃんが言うと2人は若干ぎこちないものの装備とアイテムのチェックをする。
ダンジョンの中では補給は一切出来ない。
その為こうして事前に確認をして万全の状態で挑むのだ。
「アイテム、装備異常ありません。」
「私もです。」
エリシアちゃんとノノちゃんが言った。
「うん、私も大丈夫だよ。」
「よし、それじゃあダンジョンに行こう!」
こうして私達はダンジョンへ向かうことにしたのだ。
この街で一番有名なSランクパーティー「宝護龍の息吹」は誰もが憧れるパーティーであった。
数々の高難易度クエストをクリアし、いくつもの財宝を手に入れて来た。
そんなパーティーに所属しているアリスは荷物持ちやら雑用として扱われていた。
それが嫌になったアリスはパーティーを抜ける事を決意する。
─────────────
「ったく・・・アリス!おせぇぞー!」
パーティーリーダーのリオンがそう叫ぶ。
使えないなんて1日に何回言われる事か。
「ったく使えねぇなぁ。」
「なら、抜けます。皆さんの邪魔はしたくありません。
使えない人間なんて無駄でしょうから。
今までお世話になりました。」
私はそう言ってお辞儀をする。
「ふん!勝手にしろ。お前なんか抜けても追加メンバーは集まるしな。」
私はパーティーを抜け、宿に戻る。
さて、どうしようか。
とりあえず装備は元の装備に戻そうか。
私の着ていた服は少しボロくなった普通の魔術師装備だ。
何故ならば私の本当の装備は家宝として語り継がれている物。
だから隠していた。
あいつらなら奪いそうだし。
だが、パーティーを抜けた今、わざわざ弱い装備を使う必要は無い。
私は装備を脱ぎ捨てて元の装備を身に纏う。
地に付くほど長い黒髪ロングストレートでくりっとした紅い瞳の眼に小さな鼻、口で小顔かつ丸顔。
少しだけ膨らんだ胸に括れた腰、華奢な手足で幼女体型で身長は149cm。
服装は黒いブラウスに紅いネクタイ、紅いプリーツミニスカートに黒いオーバーニーソックスに茶色い膝下までの編み上げブーツ。
地に付くほど長い黒いコートを着ており袖は肘が見えない程度に捲っている。
左手人差し指に紅い宝石の埋め込まれた指輪をしており左耳に銀色のリングピアスをしている。
それが私、アリスだ。
魔術師として出身の国では国一番なんて言われていた。
こうみえても19歳だ。
さてと、着替えた事だし冒険者ギルド覗いて見ようか。
私は宿を出て先程までいた冒険者ギルドへ戻る。
あいつらは既に居なくて代わりに目についたのはとあるパーティー。
3人組のパーティーで装備を見ても初心者だとわかる。
しかし、その中の1人には少し見覚えがあった。
私は出身国で魔術の先生をしていた時期が1年だけあった。
その時の生徒に魔法剣士が居たのだがその子に似ている。
確か、当時12歳だったはずだから今は16歳か。
「ラナちゃん・・・だよね?」
「ふぇ?・・・あ、アルヴァスター先生!?」
腰までの細めの金髪ツインテールで赤、青、黄色の小さな星が3つ付いたゴムで結んでいる。
大人びた顔立ちでキリッとした青い瞳の眼に丸顔。
B胸に括れた腰でスラッとした手足とモデル体型。身長は160cm。
水色の長袖パーカーの前を開けており中に小さな水色のリボンが胸元にあしらわれ、下側には水色のレースが施された黒い水着にネイビーのホットパンツ、黒いオーバーニーソックスで水色のハイカットスニーカーをはいている。
両耳にピアスをしており首には金色の星形のチャームが付いた銀色のチェーンのネックレスをしている。
教え子のラナちゃんだ。
ラナちゃんは驚いた顔で言った。
私の出身国からここまでは1ヶ月かかる程離れている。
まさか、ここで出会えるとは思っていなかった様だ。
「誰?」
ライトブラウンのふわっとしたショートボブでくりっとした黄色い瞳にしゅっとした目鼻立ちで真ん丸な顔立ち。
幼児体型で華奢な体つき。身長は100cm。
白いノースリーブのブラウスに黄色いリボンを胸元につけており両側に腰までスレッドの入った黒いロングスカート、黒いベルトサンダル。
恐らく土人であろう少女が言った。
「えっと、ラナちゃんのお知り合いですか?」
小豆色のカールした肩までのツインテールを黄緑色の葉に金色の縁取りが施された四つ葉のクローバーが付いているピンク色のリボンで結んでいる。
優しそうな翡翠色の瞳に小さな鼻と口で小顔の整った幼さの残る顔立ち。
B程度の胸に括れた腰、華奢な手足。身長は155cm。
白い臍だしのブラウスに黄緑色のプリーツミニスカート、黄緑色のリボンが両脇に付いた白いオーバーニーソックスに黄緑色のパンプス。
腰丈の黒いコートを着ておりコートは肩出しの長袖の少し変わったタイプ。
首から髪飾りのクローバーと同じものが付いた金色のチェーンのネックレスをしている。
もう1人の少女が言った。
2人の少女は私とラナちゃんを交互に見て聞いた。
「あ、うん。私の魔法の先生・・・てか、剣の先生でもあるかな。先生も魔法剣士みたいな物だし。」
ラナちゃんが言った。
まぁ、似たものだ。
メインは魔法だが。
「ラナちゃんの元教師のアリスです。驚かないなら、クラスを教えるけど・・・」
私が苦笑いで言った。
「驚かないでね?先生は星魔術師なんだよ!」
ラナちゃんがネタバレをする。
まぁ、教えるつもりではあったが。
「す、ステラロード!?そ、それって・・・」
「確か、魔法剣士系統の最高位であり、星を支配する最強の魔術を扱えるって・・・」
「まぁ、そうだね。星を従え、星と共にあるのが星魔術師だから。」
私が言うと2人は目を輝かせた。
まぁ、私の国では英雄だしね。
「あの、先生はここで何を?その、先生はSSランクパーティーでしたよね?」
「あー、解散したからこっち来てね。その後入っていたパーティーを今日抜けた所なんだ。」
私が言うとラナは衝撃を受けた顔をしていた。
「え!?じゃ、じゃあ先生は今フリーなんですか?」
「うん。そうなるかな。」
「あ、あの!でしたら私達のパーティー心昌石に来ませんか!先生には教わり足りないと思っていました!もっともっと色々な事を教わりたいんです!」
ラナが言った。
「私は良いよ。けど、最初に聞く相手が違うね?教えたはずだよ?パーティー勧誘の際はどうするんだっけ?」
私が言うとラナははっとした顔で振り向いて2人を見る。
「エリシア、ノノ、私はこの人をパーティーに誘いたいの。どうかな?」
パーティー勧誘の際はまず始めにメンバーに確認。
それから勧誘だ。
パーティー内でいざこざなんかが生まれない様にする為である。
「私は良いと思う。」
「うん、私も良いんじゃないかな。それに、リーダーはラナちゃんだし。ラナちゃんに任せるよ。」
2人がそう言って微笑む。
ふむ、相性は良さそうだ。
「えと、それじゃあ改めまして、私達のパーティーに入ってくれませんか?」
「はい、良くできました。これからよろしくね。ラナちゃん、それと・・・」
「聖闇騎士のノノです。
パーティーのタンクをしています。
ドワーフですがしっかりとタンクを務めるのでよろしくお願いします。」
「私はエリシアと言います。クラスは森呪術師です。種族は妖精女王です。よろしくお願いします。」
ドワーフの子がノノちゃん、ティターニアの子がエリシアちゃんと言うらしい。
「改めまして、アリス・アルヴァスターです。レガリス公国ではラナちゃんの先生をしていました。種族は・・・」
私は一度息を飲む。
私の種族は少し特殊だからだ。
「種族は、龍人です。」
「りゅ、リュガ!?」
エリシアちゃんが驚いた表情で言った。
リュガとは龍と人のハーフでありあらゆる面で飛び抜けた性能を持つ反面、繁殖力が極端に低い為かなり少数民族だ。
故に私の家族も山奥の誰も来ないような人里離れた場所に小さな、8家族程度の集落を作って暮らしている。
全てが謎に包まれた種族とまで言われるのがリュガなのだ。
「えと、本当に私達なんかのパーティーで良いんですか?その、リュガでスターロードって・・・」
「あはは、気にしないで。私としても前のパーティーより気が楽だし。」
私がそう言うと3人とも安心したのか微笑んだ。
「さて、早速だけどラナちゃん。何か悩み事?クエストボードの前で考えてたみたいだけど。」
私が言うと思い出した様にクエストを指差した。
「あ、はい。実はこのクエストに行きたいんですけど・・・
私達の実力じゃ5層を越えられなくて・・・」
「5層のゴブリンの群れが倒せないんです。
その、ノノちゃんが引き付けても引き付けきれなくて・・・
ラナちゃんとノノちゃんの回復が間に合わないんです。」
エリシアちゃんが申し訳無さそうに言った。
まぁ、初心者パーティーの最初の鬼門とも言える部分だし。
「そっか、あそこはコツがいるんだよ。
でも、それさえ分かれば3人でも突破は可能だよ。私もいるし、やってみようか?」
「はい!先生がいてくれて助かります!」
ラナちゃんが言った。
「もう、先生って・・・」
「え?だって先生は色々と物知りだし、私にとっては先生はいつまでも先生だよ。」
ラナちゃんがそう言って微笑む。
まぁ、でも、悪くない・・・かな。
「それじゃあラナちゃん、クエストを受注してきて。」
私が言うとラナちゃんが頷いてクエスト用紙を持って受付へ向かう。
「ラナちゃん、ノノちゃんが前衛、エリシアちゃんは後衛であってるかな?」
「あ、はい。大丈夫です。」
エリシアちゃんが頷きながら言った。
「そう。私は中衛に入るよ。本当はラナちゃんもクラス的には中衛なんだけどね。
まぁ、3人のパーティーなら前衛の方が良いと思うよ。」
私が言うとエリシアちゃんは感心した様子でメモをとっていた。
うーん、なんか、ほんとに3人の先生になった気分。
まぁ、冒険者はかれこれ8年近くやってるから知識はあると思うけど・・・
「先生!クエスト受注したよ!」
ラナちゃんが赤い判子の押されたクエスト用紙を手に戻ってきた。
「よし、それじゃあラナちゃん。指示はよろしくね?パーティーリーダー。」
「あ、はい!それじゃあ今からダンジョンに挑みます。
挑戦前のチェックしようか。
アイテムは規定数あるかと装備の損傷を確認して下さい。」
ラナちゃんが言うと2人は若干ぎこちないものの装備とアイテムのチェックをする。
ダンジョンの中では補給は一切出来ない。
その為こうして事前に確認をして万全の状態で挑むのだ。
「アイテム、装備異常ありません。」
「私もです。」
エリシアちゃんとノノちゃんが言った。
「うん、私も大丈夫だよ。」
「よし、それじゃあダンジョンに行こう!」
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