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3 拠点作成(クラフト)

16.幼女は素材集めと共に③

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私とエリーは近場の森に夕飯の材料を取りに来ていた。
やはり、肉は新鮮な肉を使いたいし、この森にはハーブや山菜もあるため料理に彩りを加えられる。

「それで、何を狩るの?」

「うーん、ブラックオークかバレルピッグかな。豚肉欲しいから。」

私が言うとエリーが頷く。

「どっちも今の時期は脂が乗ってて美味しそう!」

「うんうん、焼くと脂が鉄板に・・・その脂で野菜炒めとかも作ると味付けしなくても美味しい位なんだよね。」

「うんうん!あー、お腹空いてきた・・・」

私とエリーでそんな手に入れた肉の使い方を語り合いながら森の奥へと入って行く。

「ヒメ。」

「うん。数は・・・5かな?」

「多分。2人だとちょっと多い・・・かな?」

「何体か釣り出せないかな?」

私達はヒソヒソと小声で話し合う。
見つけたのはブラックオークだ。
バレルピッグよりも強いがその分肉もバレルピッグより旨い。
だが、5体となると相手取るのは難しい。
こいつらはそこそこ知能もあり、女性冒険者がブラックオークに強姦されたなんて話もある程だ。
故に、女性冒険者はオークと言う種族を嫌う人も少なくない。

「弱めの魔法で釣りだしてみる?」

エリーが言った。

「だね。《FIA.WID拡散.WEK弱くファイアボール!》」

私が文字を空中に書くと小さな火の玉が3つ程現れてブラックオーク目掛けて飛んできた。
3体のブラックオークに当たるとそいつらはこちら目掛けて一目散に走ってきた。

「《SND.RNS.PRZ雷よ槍になり痺れさせよ》」

エリーが唱えると槍の形になった電気が私の炎で釣り出された3体を襲う。

「《ルーンエンチャント!PIS貫け!》」

私がそう言ってエリーの持っている槍にエンチャントを施す。

「エリー!側面に回り込んで一気にやっちゃえ!」

「任せて!《氷よ、槍に纏いて氷槍となれ!》」

エリーが唱えると槍の先端から氷に覆われて行く。

「パワージャベリン!」

エリーのルナティックランサーは槍に属性を纏わせて槍で攻撃するクラスだ。
パワージャベリンはその名の通り、力強く槍を投擲する技で通常の倍の威力で倍の距離進む優れものだ。
エリーの槍は3体のブラックオークを綺麗に貫いてその先の地面に突き刺さった。

「あっ!チェーンリンク忘れてた・・・」

エリーは照れながら槍の元へ駆け寄って槍を地面から引き抜いた。
チェーンリンクとは魔法の鎖で槍と自身の手首をリンクさせて飛ばした槍を手に戻す魔法だ。
ルナティックランサーは多彩な投擲もあるため無いとあるとでは大分変わる。

「エリー、あそこの2体も槍で行ける?」

「うーん、ちょっと木が邪魔で難しそうかな。
森だとやっぱ投げるのは難しいや。」

エリーが言った。
なら、ここは私の出番かな。

「おっけ、なら後は私に任せて。
この位なら・・・」

私は右手を前に付き出して眼を閉じた。

「《影を纏いし闇の剣よ、我が声に応え顕現せよ。宝剣召喚:グラム!》」

私が唱えると右手の真下の位置の地面に紫色の魔法陣が現れてそこから黒い柄に赤い布の巻かれた黒い刀身の両刃の大剣が現れる。
その大きさは180cm程もあり、横幅も80cmはある私にはとても大きすぎる様な大きさだ。
私はそれを地面から引き抜く様に右手だけで持ち上げるとそのまま強く地面を蹴ってブラックオーク目掛けて駆け抜ける。

「風と共に大地を抉り切り上げろ!地穿斬ちせんざん!!」

私がそう言って右手の大剣を両手で持って力一杯地面を抉りながら切り上げる。
すると、斬撃が地面を抉りながら1体のブラックオークを真っ二つに切り裂く。
それに驚いたブラックオークは私が進んでくるのを見て武器を構えると私目掛けて飛びかかってくる。

「遅い!《雷よ、我が敵に鉄鎚を!タケミカヅチ!!》」

私が唱えると雷が空から落ちて飛び上がったブラックオークをその場に落とす。
私はブラックオークの首を大剣で切ると首だけが宙を舞い、私の後方に落ちた。

「エリー、こっち終ったよ。」

「了解ー!こっちも素材しまった!」

私も倒したブラックオークをストレージに仕舞う。

「それじゃあ香草とか採取しながら帰ろっか。」

私達は予定以上の肉を手に入れてほくほく顔で拠点へと帰るのだった。
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