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2 本当の始まり(スタート)

6.幼女は入学と共に

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爽やかな朝、私はメイドに服を着替えさせて貰って鏡を見る。

地に付くほど長い桜髪ロングストレートでくりっとした紅い瞳の眼に小さな鼻、口で小顔かつ丸顔。
少しだけ膨らんだ胸に括れた腰、華奢な手足で幼女体型で身長は149cm。
服装は黒いノースリーブのブラウスに紅いネクタイ、紅いプリーツミニスカートに黒いオーバーニーソックスに茶色い膝下までの編み上げブーツ。
膝丈程の黒いコートを着ており袖は肘が見えない程度に捲っている。
左手人差し指に紅い宝石の埋め込まれた指輪をしており左耳に銀色のリングピアスをしている。
ブラウスにネクタイ、スカートは貴族令嬢として動きやすくかつちゃんとした格好。
コートはアルヴァスター家を示す家紋である剣に巻き付く龍の紋章が左肩に刺繍されている。

16歳になった私は冒険者の学校である王立冒険者育成学校に通う事にした。
両親からは魔法学校や剣術学校を進められたが私が冒険者になりたいと言うと心配こそした物の笑顔で送り出してくれた。
お父様は元冒険者だったらしいしお母様も王女でありながら冒険者学校に通っていたから私の事も許してくれたのだと思う。

教室に入ると一瞬静まり返る。
まぁ、慣れた反応だ。
いきなり教室に王族と親しく、国でほぼ頂点の公爵令嬢が入ってくればそうなるのも仕方ないだろう。
私の席は・・・
一番窓側の列の一番後ろか。
前には猫耳の女の子、隣は人馬の女の子だ。

「私はヒースメルク・アルヴァスター。16歳です。ヒメって呼んで下さい。よろしくお願いします。」

私が微笑んで言った。

「私はエリシア・ルーフォス。エリーって呼んでね。歳はヒメちゃんより年上の18歳だよ。よろしくね。」

ふわふわとした腰までの癖毛の茶髪ロングに優しそうな目付きの黒い瞳に整った顔立ちで丸顔。
身長は立てば2mはありそうでE程度の胸に括れた腰、下半身は茶色い馬の姿をしている。
服装はピンク色のリボンを胸元にあしらった白いブラウスに黒い人馬用のキュロットで手首には銀色のブレスレットをしている。

人馬だけあって体格はがっしりとしているが上半身はモデル体型な女の子だ。

「私はリノ・シャナー。ここら辺では珍しいセイレーンだよ。歳はエリーと同じ18歳。よろしくね。ヒメちゃん。」

そう言ったのは腰丈の水色ロングストレートに左耳の上にサイドテールを結った髪にくりっとした真ん丸な碧眼の瞳で小顔な顔立ち。
上半身はエリーと同じくらい大きな胸に括れた腰で腰から下はピンク色の鱗に覆われた魚のヒレになっており後ろ腰の境目より少し上に蝙蝠の羽が生えている。
臍の高さの両脇腹には3つ切り込みがあり、呼吸に合わせて開いたり閉じたりしている。
人魚は腰にエラがあると聞いたが本当のようだ。
服装は上が白いビキニに上から水色のパーカーを羽織っており金色の鍵のネックレス、銀色のリングに青い宝石があしらわれた指輪をしている。

やはり、人魚はビキニ以外衣服を身に付けるのを嫌うと言うのは本当の様で人前だからと最低限のパーカーらしい。
パーカーから覗くお臍がセクシーだ。

「えとえと、私はシャルティナ・ハントイット、15歳です。長いのでシーナと呼んで下さい。お願いします!」

身長155cm程で小豆色の肩までのツインテールにおっとりとした優しそうな目付き、黄色い瞳で幼さの残る顔立ち。
体つきも幼く、膨らみかけの胸に少しだけ括れた腰。
華奢な体つきで細い手足。
服装は黄緑色の肩出しで二の腕から手首まで袖のある腰丈のコートに臍だしの裾がフリルになったキャミソールの様な服に白いフレアミニスカンツの裾には黄緑色のラインが入っており白いニーハイソックスに茶色いくるぶし丈のブーツ、右手には黒い指出しのグローブ。
茶色いベルトをコートの下にしており両腰には黒い鞘に納められた短剣を携えている。

それにしてもクラスに2人も珍しい獣人がいるのは少し異様な光景だ。

「おい、獣風情がヒースメルク様と気安く話すなよ。」

1人の男子が私達の元にやってきて言った。
確か・・・ヤース公爵家の次男だったはずだ。

「あら、私が誰と付き合おうが私の勝手でしょう?それに、この国は獣人差別はしていないし。
折角席が近くなったのだから仲良くなるのも良いでしょう?」

私がそう言って微笑んだ。

「だが!そいつらは平民だ。」

「だから?貴族が平民と付き合っては行けないの?
私のお父様は元平民よ?
王女様が平民と結婚したの。
それと比べれば公爵令嬢が平民と会話するなんて些細な事だわ。」

私が言った。
貴族の意見としてはヤース側の意見は多いだろう。
だが、王族に近しい者達は私側の意見が圧倒的多数だ。
特にこの国は獣王国連邦と隣接している事もあり、獣人との仲は良い。
中には獣人と結婚する貴族もいるほどに。
だが、昔は獣人=奴隷のイメージが強く、古くからある貴族は反発する人も多い。
まぁ、今では考え方が古すぎるなんて言われてるみたいだけど。

「ちっ。獣風情が。」

ヤースはふんと私達を睨み付けながら去っていった。

「ヒースメルク様、お気になさらない方がよろしいですよ。
彼の家、典型的な獣人差別の家らしくて。
ほら、そう言う家はこの頃社交界なんかでも肩身が狭くなっているでしょう?
それで、焦っているのだと思いますし。」

私達の席の近くの貴族の子が小声で話してきた。

「まぁ、わからない話ではないけど・・・それってつまり叔父様の意見に反対って事でしょ?」

私が言った。
私のお母様の兄・・・私の叔父様はこの国の国王だ。

「一応は賛成しているらしいけどね。
影では反対なんだって。
だから、今の国王が暗殺されるなんて噂も流れる位だし。」

それは私も聞いたことがある。
その関係で警備を強化しているからお父様の仕事も忙しくなったと。

「それ言ったら私も獣人なんだけどなぁ。」

私が呟く。

「えぇ!?ヒースメルク様って獣人なの!?」

思わずその子が大声を出し、ざわざわとしていた周りが一瞬で静まり返り私を見た。

「えぇ、お父様は龍人リュガですし。
私はお父様の血を強く受けているから出生書にはリュガとして登録してますし。」

そう言って指を鳴らすと耳の上に渦巻き状の鸚鵡貝の様な黒い角が生えて背中に黒い龍の翼が生え、腰からは尻尾が生える。

「ね?普段は邪魔だからしまってるけど。」

私がそう言って再度指を鳴らすと角や翼が消える。

「それに、肩には鱗が出たままよ。」

私がコートを脱ぐと肩には黒い鱗が生えている。
リュガだも隠すつもりは無いから邪魔にならない鱗は生えたままだ。

「獣人を差別するのは別に構わないわ。
思想なんてその人によるもの。けど、差別するなら私も同時に差別しなさい。
身分によって差別しないなんて姑息な真似はしないことね。
それと、私こう見えて一応は王位継承権があるのよ?ま、叔父様の子供達の方が高いから私には回らないとは思うけど。」

私がそう言ってコートを着直して席に座るとそれとほぼ同時に先生がやってきた。
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