異世界探訪記

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五十九日目。エルフ族の集落に延びる道。森の入り口にて

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五十九日目。
 昨日、兵士が八人から十六人に増員されて積み込みが素早く進んだのでもう帰路に着いている。この国では八人一小隊の括りらしい。
 そんな訳で、商隊さんが周囲を警戒。俺一人で荷車一台、後は一個小隊につき荷車一台の配分で今日の野営地まで進んできた。
 その配分を聞いた御新規の兵士さん達からは不満の表情が見て取れたが、野営地に到着するまでに死にそうな表情に変わっていったのは思い出深い。
 ここで驚いたのは、商隊さんの戦闘力だ。ハヌラット君は前から見ていたからそれなりにやるようなイメージが有ったが、他の商隊さん三人にしてもハヌラット君が子供に見えてしまう程見事だった。
 唐突にマディットさんが弓を射るとハヌラット君がそちらに駆けていき、しばらく立ってから矢が刺さった兎を持ってきたり、唐突に躍り出てきた蛇をラダットさんが両断したりと、言葉で表現すればちゃっちい表現になってしまう神業を見せてくれた。
 振らずに両断するってどんな技術だよ……。
 アレだけの技術を持ちながら普段は気のいい、笑い上戸なおっちゃんだから人は見た目に寄らないって言う言葉が出来るんだろうなぁ。
 因みに、エルットさんは二人が束になっても敵わない実力の持ち主だとか。
 ここは修羅の国か……。
 と言うか、俺をとやかく言う前にアンタらも大概じゃないか!
 え、商隊に入るのは実力者の上から二から五の栄誉職だったの?それは知らんかった。

 因みに、ハヌラット君は次期集落の長に推されてて今は勉強期間らしい。俺(三十代)位までなら実力トップ何だとか。俺が正式に集落へ籍を置いたら喜んで集落の長の座をお渡ししますと笑顔で言われた。
 笑顔で誤魔化しておいた。

 ……………。

 居心地は良いんだよなぁ。
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