しなずち ~転生触手妖怪 異世界侵略風味、褐色爆乳女神と現地収穫の巫女衆を添えて~

花祭 真夏

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第163話 男は正直

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「ほんっとに、男って単純で間抜けなスケベばっかりだよね。そう思わない?」


 触手でぐるぐる巻きにして転がしたクライスを前に、私は膝を折って出来る限り顔を近づけた。

 非難にまみれた強い目力が、上目遣いで私を睨む。

 残念だが、アイネーゼの破瓜の啼き声に隙を作ったそっちが悪い。最強勇者相手に遠慮も容赦もするわけがないだろう? むしろ特別締めを強めて、逆転の筋を全て潰す念の入れが必要だ。

 それほどまでに、私は彼に戦闘経験で大きく劣る。


「噂通りのクソ野郎だなっ!」

「戦場でのお愉しみは勝者の義務で、戦争は相手の物を奪って我が物にする行為。モノにしている間の喘ぎと音に気を取られるなんて、普段からちゃんと処理してれば在り得ないでしょ?」

「主様。二千年以上童貞を捨てられていないコイツに、その指摘は酷という物だ。いつまでも理想を追いかけていないで、適当に女を学べば良かったものを…………」

「俺が俺を捧げるのは俺の運命の相手だけだ! 向こうから寄って来る女も、都合よく使える女も興味はない!」

「何か変に拗らせてる? 視界に入って『良いな……』って思ったらそれが運命だよ? 男女の出会いなんて簡単で良いの。どうせその先は、一生かけても解けるか解けないかの難問ばっかりなんだから」


 我儘に理想を語る彼に、人差し指と人差し指を交差して×字を示す。

 初めに激しく燃え上がって、途中で燃え尽きる番いは多い。

 最後まで燃えて燃やせる相手はなかなか見つからず、だからこそ、出会いの数は多くあるべきだ。自分から減らして狭めて機会を絞っていたら、いつまで経っても理想の端すら掴めない。

 ドルトマだって、カーマと出会うまでに何十人と付き合ったんだよ?

 突出した彼の実力についていけなくて、夜を共にする前に自然と離れていったらしいけど。何人も何人も近づいては離れてを繰り返し、女性への興味を失って戦闘狂と呼ばれた時期もあったとか。

 地獄もどん底も経験しないで、理想だけ語るのはただの逃げだ。

 少なくとも、私はそう思う。


「――――あぁ、わかった。拘束して待機していろ。主様、ィエンテから要塞制圧が完了したとの報告だ。捕虜は女兵が二千八百、男の性奴が五十八。三百程度が男有りで、残りは全員独り身らしい」

「女兵を分心達に選別させて、良さそうな娘は全員巫女にもらおう。残りは全員媚薬漬けにして、番いの片割れは国に返す。独り身は巡回娼婦の組合でも作ろっか。性奴達は丁重に保護して、意中の娘がいたらくっつけよう」

「了解、伝える。で、クライスとミンクはどうする? 一度結んだ契約を絶対に違えないのがこいつらの美徳だ。生きている限り、ずっとクロッセンドを脅かすぞ?」

「傭兵としての矜持だね。じゃあ、新しく私とも契約しよう。傭兵契約はそのままで良いから、追加で、ね?」


 私は出来る限り朗らかで、努めて笑顔で無害を装う。

 彼らを放っておく事はできないが、無慈悲に処理するのも寝覚めが悪い。どうせなら互いに利と益が生まれる関係が望ましく、たった今降りたばかりのひらめきを彼らに強いて結ばせてしまおう。

 うまくいけば、彼の望みも叶うかもしれない。


「依頼者を不利にする契約は結ばないっ」

「私と君達のみに効力がある契約だよ。内容は、『クライス・テューラー及びミンク両名は、クロッセンド王国への侵略戦争中に倒される度、私が用意する娘十人に犯されて種付けをする事』。特製の排卵誘発剤で、危険日ど真ん中に揃えておくね」

「おいやめろやめろやめろってやめろっ!」

「あ、そうだよね。ミンクは傭兵じゃないから、クライスだけしか契約を結べないよね。ごめんね、ミンク。性処理妖精を五十人買ってあげるから許して。これが嬢のリスト」

「い、今すぐに良さそうな娘を一人貰えない? もうはちきれそうで痛い…………」


 私の触手に巻かれたまま、ミンクは涙目で、両腕を使って前を隠した。

 特製のお薬で雄の形が大きく育ち、ズボンの上から胸の辺りまではみ出ている。

 視覚で心臓の鼓動がわかる程の逞しさはとても雄々しく、小さな妖精の身体に見合わないアンバランス。しかし、その偏りは決して悪い物ではなく、むしろ小ささと大きさが双方を魅せる相乗効果を生んでいた。

 本来、他の男の身体は見ていて気分の良い物じゃない。

 にもかかわらず、彼のソレは一切の嫌悪を排していた。半ば芸術の域に在り、娼館の入口に首輪で繋いで看板息子をやらせるか、お好きにどうぞと立て看板を置いて一晩の結果を見てみたくなる。

 行き着いた先は、末は、一体どうなるのか?

 凄く、見たい。


「じゃあ、この娘はどう? 土妖精のナーナムちゃん。身長二十八センチの長身で、Iカップバストの官能ボディ。拡張なしだけど、体格差を考えればジャストフィットだと思う」

「ぁ、ぃぃ……この娘で。ハヤクハヤクハヤクお願い――――っ」

「はーい。御一人様ごあんなーい」


 神術転移で、マヌエル山脈南面に在る妖精繁殖場から目当ての娘を取り寄せる。

 小さな光がミンクの前に集まり、次第に形と色が鮮明になっていく。妖精の中で特に身体が大きい土妖精の中でも、特に長身で大きな雌の塊。まるで成人アマゾネスと人間の子供の対比を見るようで、一部分を除いて男女のサイズが合っていない。

 娘の頬が赤みを帯び、ミンクの身体に擦り寄った。

 唐突な転移に若干の戸惑いはあれど、理想的な得物を前にしてそれ以外を考えられない。たっぷりの唾液で掌を濡らし、優しく触れて優しく撫ぜていきなり一気にズボンを剥ぎ取る。

 そこからはもう、性の暴力だ。

 場所も衆目も関係なく、盛りのついた雄と雌が己の欲をぶつけてぶつける。劇場の舞台で上演出来そうな激しい叩きつけ合いは、本能を刺激して私の手をレスティの身体へと伸ばさせていた。

 向こうからも手を取られ、抱きしめられて羽衣の内へと引き込まれる。

 してしまっても良いんじゃないか? あんなのを見せつけられて、したいと思えないならそいつは不能だ。ひとまず戦いは終わったのだから、後は他に任せて少しばかりのお愉しみを楽しむとしよう。

 ぐしょぐしょに濡れた谷の中を弄って、レスティから昂る喘ぎを溢れさせる。

 私も昂りから指の動きを加速させ――――ふと、あぶれた一人を覗き込む。性に興味津々なムッツリ童貞が生々しい行為を前にして恥ずかしくなり、初々しく顔を背けて目だけチラチラ向けている。


「ごめん、すっかり忘れてた。ガルマスアルマ、勇者の子を産みたいって娘がいたら、媚薬を打ってしーちゃんに送らせて。すぐできる様に全部剥いて、ね」

『わかりました。――――終わったら……しーちゃんにも……移って…………?』

「うん、約束」


 クライスの種を望む娘を見繕うよう伝え、しばらくして十五人の娘達が送られて来た。

 これから何をして何をさせられるのか、期待に内股を擦り合わせて熱い吐息を漏らしている。とろんとした瞳で辺りを見回し、私の手が指し示す先を見て一人、また一人と歩み駆け出した。

 制止と拒絶の言葉を無視した、一方的な貪食が始まる。

 運命的な出会いを求める彼に、私が与えれるのは運命的な悲劇と喜劇。ここに至ってはもはや後戻りできず、もう運命と受け入れて先に進んでくれる事を願う。

 …………それじゃ、私達もしよっか。
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