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第151話 逃げた先でも逃れられない宿命
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時忘れの牢獄に設えた、触手束を重ねて編み込んだ大きな大きなベッドの上。
私と俺は再び一つの私となり、刹那の百年を巫女達と過ごしている。琥人に犯されたこの身と心は傷付き汚れ、彼女達の愛でもう百年溺れても上書きする事は出来やしない。
正直に言えば、悔しいくらいに気持ち良かった。
身体の相性を超えて、魂の相性がぴったり合わさっていたように思う。ヴィラとの二人っきりに勝るとも劣らず、終わりの方は私から押し倒して覆い被さって獣より激しく攻め立ててしまった。
出来ててもおかしくないくらいに。
二番目はシムカって決めてたのに……。
「しなずち様、お気を確かに」
「そうそう。犬に噛まれたと思って忘れなさいって。神界の性豪と謳われたアルセア神のお気に入り相手なら、何百回搾られても仕方ないわよ」
「しむかぁ~……あしぃなぁ~……ごめん……ごめんね…………二番目……二番目ぇぇぇ…………」
「しなずち様がご無事なら気にいたしません。レスティとラスティもすぐ参ります。そしたら四人でご奉仕させて下さい」
「たっぷり慰めてあげるから機嫌直しなさいって。――――あ、マタタキ! 私達が終わったらアンタとユーリカとガルマスアルマだから、お風呂の用意しておいて! 洗う方じゃなくてする用に!」
「はい。わかりました、アシィナお姉様」
言語と常識の学習が進み、清楚を身に着けたマタタキが浴場に向かって駆けて行った。
足を着いてたっぷん。
地面を蹴ってたっぷん。
一歩で二回発生する大揺れを見送り、成長の程を味わうように噛みしめる。無知で快楽と快感だけ覚え込ませていた最初も良かったが、一対の男女として貪り合える今も比較できない満足をくれる。
うん。私、今満たされてる。
「『しなずち。もういい加減に神喰い対策をしたらどうだ?』」
「俺は琥人に犯された傷が癒えたの!? 私はまだっ!」
「『トルオスで待っている巫女達とドルトマ、カーマの事を考えろ。外の経過時間は数秒であっても、特に巫女にとっては数週間にも数ヶ月にも匹敵する。甘えてばっかりいないで、お前が甘やかさないでどうするっ』」
「むぅ……もう一年っ、もう一年だけっ!」
「『その台詞は七十回目だ。聞き飽きた。――――シムカ。悪いがそろそろ切り上げる。このままじゃこいつは堕落する一方だ』」
私の口を借りて、勝手な事を俺が宣う。
しかし、シムカはおろか、今ここにいる血巫女衆と死巫女衆は私の味方だ。
百年かけて常時発情を身に着けた彼女達は、私無くしては最早正気を保つ事すら難しい。順番に来る私への伽と、待ちきれない娘達用に用意した二又触手。どちらかで火照りを醒ましてやらないと、数日しない内に軽い気狂いを起こしてしまう。
俺は、彼女達がそんな目に遭って良いのか?
良いわけがないだろう?
「『対価として、巫女全員の羽衣に俺達の分体を組み込む。いつでも絞るなり犯すなり貫くなり好きにして良い』」
「皆っ! しなずち様から私達一人一人にしなずち様を頂けます! 急いで社に戻りますよっ!」
「ちょっとっ! そんな事したら身体の七割以上を費やす羽目になるじゃないの! 神喰い対策も兼ねてるんだろうけど、もうちょっと穏便に――――」
「『アシィナ、口が寂しい』」
「はぁ~い。れるぅ……」
「んむぅーっ!」
口に舌をねじ込まれ、吸われ扱かれながら抱き上げられる。
何度も何度も味わい尽したアシィナの口技は、高めるだけでなく果てさせる程の技巧を持つ。まだ満足していないと散々言ったからか、巧みさと勢いが私の性感を容赦なく襲撃する。
やばい。
もぅ――――っ。
「シムカ、アシィナ。次は私達の番だったのに撤収とはどういうことだ?」
「琥人とやり過ぎてタガが外れている今こそが、全員平等に妊娠できるチャンスだろうに」
レスティ! ラスティ!
二人の言う通りだよ! 一発世界が見逃したんだから、もっと見逃す可能性は高いんだ! 何万回に一回くらい当たってくれるかもしれないんだよ!?
だから、だからもっと――――。
「んむぅ~、んん~っ!」
「自分専用のしなずち様を頂けるのですが、消耗が激しいのだそうです。神喰いとの戦いもあるので、社で補給しながら頑張って頂こうかと」
「専用? つまりそれは、主様の○○に○○○を○○○○○したり、女みたいに○○を○○○させたり好きにできると?」
「魔獣の繁殖に主様の身体を使って良いのか。一度の出産で大体の女が廃人になるから、どうしたものかと悩んでいたんだ。身体を張って巫女の要望に応えるとは、流石生の神は格が違うな!」
「しなずち様に産んでもらう? その考えはありませんでした。とっても素晴らしいではありませんかっ」
「んんん~っ!? むぅ~んんむぉ~!?」
三人の口から滅茶苦茶物騒な言葉が飛び出し、身の危険に全身が震える。
北欧神話のロキみたいに、雌馬になって孕まされるのとはわけが違う。
男の私に卵や幼体やらを産み付け、文字通りの苗床にするつもりだ。シムカはプレイの一環で無精卵をぎっちぎちに詰めるんだろうが、レスティとラスティは飼っている魔獣に私の分体を犯させる気らしい。
収納している異空間を見せてもらった事があるが、あれらにやられるのは、ない。
オークの軍に物扱いされる方がまだマシだ。魔王のペットは飼い主の魔力を喰らって災厄級と呼ばれる魔王一歩手前にまで成長する。相応に知能も高いが獣に変わりなく、気に入った苗床を丁寧に乱暴に仕込んで仕込む。
最初の一回で獣の大きさと硬さと角度とねちっこさを刻み込んで、最初の一発で理性どころか魂を飛ばす。
身体だけ残して輪廻に返す。
その後に始まる性暴力を考えれば有情と言える。延々延々、子種と魔力を注がれ続ける毎日に正気でいたら――――いやいやいや。正気でいられるわけがないって、アレは。
ダメだよ?
ダメだからね?
ね?
「ん? 主様、その期待の眼差しは何だ? 前に見せたバルボゥの寄生出産を思い出したか? それとも、ブランヴィスの雷撃愛撫か?」
「ガラミシアとテューオーンを覚えているか? 初対面でしなずち様に懐いて、一緒に楽しく遊んでいただろう? あの子達は、苗床に適した者にしか懐かないんだ。つまりは、そう。今日から獄狼の出産ペースが倍になる」
「マタタキーっ! またたきーっ! お風呂はまた後にしましょう! しなずち様がずっと一緒にいてくれるの! ずっとずぅっと! したいと思った事は何でもして良いしなずち様ですよ!?」
逃げ道が一切断たれ、私の頬に涙が伝う。
男としての尊厳? そんな物はどこにもない。男女平等の極致とでもいうのか、私も父親ではなく母親になる時が来たようだ。
何事も経験。
経験だけど、何でこんなことになるのかなぁ…………?
「ぷはぁっ! しなずち様? 忘れてるかもしれないけど、ナレアとディユーはもっと酷いんじゃない? 触手の収納袋にされるかも?」
………………もういやぁぁぁぁぁぁ……。
私と俺は再び一つの私となり、刹那の百年を巫女達と過ごしている。琥人に犯されたこの身と心は傷付き汚れ、彼女達の愛でもう百年溺れても上書きする事は出来やしない。
正直に言えば、悔しいくらいに気持ち良かった。
身体の相性を超えて、魂の相性がぴったり合わさっていたように思う。ヴィラとの二人っきりに勝るとも劣らず、終わりの方は私から押し倒して覆い被さって獣より激しく攻め立ててしまった。
出来ててもおかしくないくらいに。
二番目はシムカって決めてたのに……。
「しなずち様、お気を確かに」
「そうそう。犬に噛まれたと思って忘れなさいって。神界の性豪と謳われたアルセア神のお気に入り相手なら、何百回搾られても仕方ないわよ」
「しむかぁ~……あしぃなぁ~……ごめん……ごめんね…………二番目……二番目ぇぇぇ…………」
「しなずち様がご無事なら気にいたしません。レスティとラスティもすぐ参ります。そしたら四人でご奉仕させて下さい」
「たっぷり慰めてあげるから機嫌直しなさいって。――――あ、マタタキ! 私達が終わったらアンタとユーリカとガルマスアルマだから、お風呂の用意しておいて! 洗う方じゃなくてする用に!」
「はい。わかりました、アシィナお姉様」
言語と常識の学習が進み、清楚を身に着けたマタタキが浴場に向かって駆けて行った。
足を着いてたっぷん。
地面を蹴ってたっぷん。
一歩で二回発生する大揺れを見送り、成長の程を味わうように噛みしめる。無知で快楽と快感だけ覚え込ませていた最初も良かったが、一対の男女として貪り合える今も比較できない満足をくれる。
うん。私、今満たされてる。
「『しなずち。もういい加減に神喰い対策をしたらどうだ?』」
「俺は琥人に犯された傷が癒えたの!? 私はまだっ!」
「『トルオスで待っている巫女達とドルトマ、カーマの事を考えろ。外の経過時間は数秒であっても、特に巫女にとっては数週間にも数ヶ月にも匹敵する。甘えてばっかりいないで、お前が甘やかさないでどうするっ』」
「むぅ……もう一年っ、もう一年だけっ!」
「『その台詞は七十回目だ。聞き飽きた。――――シムカ。悪いがそろそろ切り上げる。このままじゃこいつは堕落する一方だ』」
私の口を借りて、勝手な事を俺が宣う。
しかし、シムカはおろか、今ここにいる血巫女衆と死巫女衆は私の味方だ。
百年かけて常時発情を身に着けた彼女達は、私無くしては最早正気を保つ事すら難しい。順番に来る私への伽と、待ちきれない娘達用に用意した二又触手。どちらかで火照りを醒ましてやらないと、数日しない内に軽い気狂いを起こしてしまう。
俺は、彼女達がそんな目に遭って良いのか?
良いわけがないだろう?
「『対価として、巫女全員の羽衣に俺達の分体を組み込む。いつでも絞るなり犯すなり貫くなり好きにして良い』」
「皆っ! しなずち様から私達一人一人にしなずち様を頂けます! 急いで社に戻りますよっ!」
「ちょっとっ! そんな事したら身体の七割以上を費やす羽目になるじゃないの! 神喰い対策も兼ねてるんだろうけど、もうちょっと穏便に――――」
「『アシィナ、口が寂しい』」
「はぁ~い。れるぅ……」
「んむぅーっ!」
口に舌をねじ込まれ、吸われ扱かれながら抱き上げられる。
何度も何度も味わい尽したアシィナの口技は、高めるだけでなく果てさせる程の技巧を持つ。まだ満足していないと散々言ったからか、巧みさと勢いが私の性感を容赦なく襲撃する。
やばい。
もぅ――――っ。
「シムカ、アシィナ。次は私達の番だったのに撤収とはどういうことだ?」
「琥人とやり過ぎてタガが外れている今こそが、全員平等に妊娠できるチャンスだろうに」
レスティ! ラスティ!
二人の言う通りだよ! 一発世界が見逃したんだから、もっと見逃す可能性は高いんだ! 何万回に一回くらい当たってくれるかもしれないんだよ!?
だから、だからもっと――――。
「んむぅ~、んん~っ!」
「自分専用のしなずち様を頂けるのですが、消耗が激しいのだそうです。神喰いとの戦いもあるので、社で補給しながら頑張って頂こうかと」
「専用? つまりそれは、主様の○○に○○○を○○○○○したり、女みたいに○○を○○○させたり好きにできると?」
「魔獣の繁殖に主様の身体を使って良いのか。一度の出産で大体の女が廃人になるから、どうしたものかと悩んでいたんだ。身体を張って巫女の要望に応えるとは、流石生の神は格が違うな!」
「しなずち様に産んでもらう? その考えはありませんでした。とっても素晴らしいではありませんかっ」
「んんん~っ!? むぅ~んんむぉ~!?」
三人の口から滅茶苦茶物騒な言葉が飛び出し、身の危険に全身が震える。
北欧神話のロキみたいに、雌馬になって孕まされるのとはわけが違う。
男の私に卵や幼体やらを産み付け、文字通りの苗床にするつもりだ。シムカはプレイの一環で無精卵をぎっちぎちに詰めるんだろうが、レスティとラスティは飼っている魔獣に私の分体を犯させる気らしい。
収納している異空間を見せてもらった事があるが、あれらにやられるのは、ない。
オークの軍に物扱いされる方がまだマシだ。魔王のペットは飼い主の魔力を喰らって災厄級と呼ばれる魔王一歩手前にまで成長する。相応に知能も高いが獣に変わりなく、気に入った苗床を丁寧に乱暴に仕込んで仕込む。
最初の一回で獣の大きさと硬さと角度とねちっこさを刻み込んで、最初の一発で理性どころか魂を飛ばす。
身体だけ残して輪廻に返す。
その後に始まる性暴力を考えれば有情と言える。延々延々、子種と魔力を注がれ続ける毎日に正気でいたら――――いやいやいや。正気でいられるわけがないって、アレは。
ダメだよ?
ダメだからね?
ね?
「ん? 主様、その期待の眼差しは何だ? 前に見せたバルボゥの寄生出産を思い出したか? それとも、ブランヴィスの雷撃愛撫か?」
「ガラミシアとテューオーンを覚えているか? 初対面でしなずち様に懐いて、一緒に楽しく遊んでいただろう? あの子達は、苗床に適した者にしか懐かないんだ。つまりは、そう。今日から獄狼の出産ペースが倍になる」
「マタタキーっ! またたきーっ! お風呂はまた後にしましょう! しなずち様がずっと一緒にいてくれるの! ずっとずぅっと! したいと思った事は何でもして良いしなずち様ですよ!?」
逃げ道が一切断たれ、私の頬に涙が伝う。
男としての尊厳? そんな物はどこにもない。男女平等の極致とでもいうのか、私も父親ではなく母親になる時が来たようだ。
何事も経験。
経験だけど、何でこんなことになるのかなぁ…………?
「ぷはぁっ! しなずち様? 忘れてるかもしれないけど、ナレアとディユーはもっと酷いんじゃない? 触手の収納袋にされるかも?」
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